肘に症状がある
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2021/01/18
概要
「肘に症状がある」に関連する主の病気には、関節リウマチ、変形性関節症、肘関節脱臼・肘内障などがあります。
肘が痛いとは
「肘が痛い」とはどのような症状ですか?
肘のまわりに痛みを感じます。原因によって痛みの感じ方や強まり方が異なります。
肘のまわりに痛みを感じる症状で、痛みの感じ方にはズキズキやジクジク、ビリビリなどがあります。
転んでぶつけた後や、腕を酷使した後から痛みが強まったというようにきっかけがある場合が多いです。腫れや内出血、赤みや熱感を伴う場合もあります。
肘の曲げ伸ばしをした際に痛みが強まることが多いですが、指や手首を動かすだけでも痛みが強まる場合があります。
動かさなければ、ほとんど痛みが無い場合もあれば、安静にしていても痛みが強い場合があります。
原因や病気によって、痛みの感じ方や強まり方が異なります。
肘が痛いの原因
肘の骨の内側を押すと痛みがあるとき、どのような病気が考えられますか?
肘の内側を押して痛いときには、ゴルフ肘と呼ばれる上腕骨内側上顆炎や肘部管症候群、変形性肘関節症などの病気が考えられます。
肘の内側を押すと痛みが出る場合には、肘の内側の骨や靭帯に原因がある可能性があります。以下のような病気が考えられます。
骨折
肘の内側に近い部位で腕の骨が骨折する場合があります。転んでから強い痛みがある場合に注意が必要です。
(内側側副)靭帯損傷
スポーツやケガが原因で肘の内側の靭帯を損傷することがあります。一度の大きなケガが原因のこともあれば、繰り返し肘を使うスポーツが原因で徐々に損傷が進む場合もあります。
上腕骨内側上顆炎
ゴルフ肘とも呼ばれます。手や指を曲げるための筋肉の腱が、肘の周りで腱鞘炎を起こす病気です。
野球肘
繰り返し投球を行うことで起こる肘の病気の総称です。内側や外側、後ろ側と広い範囲で肘が傷つきます。
変形性肘関節症
老化とともに肘の軟骨(骨と骨の衝突や摩擦を防ぎ、関節の動きを滑らかにしている組織)がすり減り、骨が変形してきます。スポーツや重労働が病気の進行の原因となります。
肘部管症候群
骨の変形や筋肉・靭帯が神経を圧迫して、肘の内側から小指にかけてしびれや痛みを起こします。
肘の痛みがなかなか治らない場合、どのような病気が考えられますか?
肘の痛みが続く場合には、骨折や腱鞘炎など適切な治療を受けないと、その後も症状が改善しない病気の可能性があります。
肘の痛みがなかなか治らない場合、適切な治療を受けないとその後も症状が改善しない可能性があります。現時点で日常生活に大きな支障がないとしても、なかなか痛みがよくならない場合には病院を受診しましょう。
以下のような病気の場合は注意が必要です。
ケガが原因の場合
スポーツや仕事で転倒し肘を強打すると骨折や筋腱の損傷を起こします。
骨粗鬆症がある方では、それほど強くぶつけなくても骨折を生じる場合があります。
橈骨近位端骨折
手をついて転んでから肘の周りの痛みが続く場合に可能性があります。レントゲンでも骨折線が分かりにくい場合があります。
肘の靭帯損傷
肘の運動にはさまざまな靭帯が関係しています。靭帯が傷つくことで、肘のぐらつき(不安定性)が生じた場合には手術が必要になる場合があります。
肘の酷使が原因の場合
上腕骨外側上顆炎
テニス肘とも呼ばれます。手や指を伸ばすための筋肉の腱が、肘の周りで腱鞘炎をおこす病気です。
上腕骨内側上顆炎
ゴルフ肘とも呼ばれます。手や指を曲げるための筋肉の腱が、肘の周りで腱鞘炎を起こす病気です。
野球肘
繰り返し投球を行うことで起こる肘の病気の総称です。内側や外側、後ろ側と広い範囲で肘が傷つきます。
変形性肘関節症
老化とともに肘の軟骨(骨と骨の衝突や摩擦を防ぎ、関節の動きを滑らかにしている組織)がすり減り、骨が変形してきます。スポーツや重労働が病気の進行の原因となります。
肘部管症候群
骨の変形や筋肉・靭帯が神経を圧迫して、肘の内側から小指にかけてしびれや痛みを起こします。
肘の炎症が原因の場合
痛風や関節リウマチによる関節炎
これらの病気では、肘の関節に炎症を起こし痛みが起こります。肘以外の関節にも炎症を起こす場合があります。
その他の原因
首の病気
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアといった首の神経が圧迫される病気では、肘のまわりにしびれや痛みを起こす場合があります。
骨腫瘍(腫れ物やしこり)
頻度は多くありませんが、骨の腫瘍による痛みが起こる場合があります。
肘の痛みの原因ががんである可能性はありますか?
多くはありませんが、骨に出来た転移性骨腫瘍による痛みの可能性はあります。
肘にがんができた場合、肘に強い痛みを感じる場合があります。
骨が原因の腫瘍(=腫れ物やしこり、骨腫瘍)が出来る場合は多くはありません。しかし、内臓にできたがんが血流にのって肘にたどり着き、肘で増殖を始める場合があります。これを「転移性腫瘍」と呼び、これにより、肘の痛みが生じる可能性はあります。また、転移性骨腫瘍が首に生じた場合にも、首から生じる腕の神経痛のため肘に痛みを感じることがあります。
内臓のがんは相応に進行してから骨への転位が生じるため、肘の痛みより先に何かしらの内臓の症状が見つかっている場合が多いです。もし内臓のがんの治療を行っている方で、肘の痛みが新たに始まった場合には、転移性骨腫瘍の可能性にも注意しましょう。
肘が痛い原因や考えられる病気には何がありますか?
スポーツや仕事による肘の使い過ぎや、骨折や脱臼などのケガが原因として考えられます。また、首などの神経の障害が原因の場合もあります。
肘の痛みを引き起こす病気にはいくつかの原因があります。
以下は原因ごとに引き起こされる病気の例です。
ケガが原因の場合
スポーツや仕事で転倒し肘を強打すると、骨折や筋腱の損傷を起こします。
骨粗鬆症がある方では、それほど強くぶつけなくても骨折を生じる場合があります。
肘頭(ちゅうとう)骨折
肘を直接地面にぶつけると起こしやすい骨折です。肘の曲げ伸ばしが出来なくなります。
橈骨近位端骨折
手をついて転んだ際に起こしやすい骨折です。肘の曲げ伸ばしや手首を動かした際に肘の周りに痛みを感じます。腫れがあまり強くないことがあり注意が必要です。
上腕骨顆上(かじょう)骨折
子どもが高いところから落ちて手をついた際に起こしやすい骨折です。変形がひどい場合には手術を要する場合があります。
脱臼
手をついて転んだ際には肘の関節が外れることが稀にあります。変形とともに肘の曲げ伸ばしが出来なくなります。この場合、靭帯損傷を伴う場合があります。
肘の靭帯損傷
肘の運動にはさまざまな靭帯が関係しています。靭帯が傷つき、肘のぐらつき(不安定性)が生じた場合には手術が必要になる場合があります。
肘の酷使が原因の場合
上腕骨外側上顆炎
テニス肘とも呼ばれます。手や指を伸ばすための筋肉の腱が、肘の周りで腱鞘炎をおこす病気です。
上腕骨内側上顆炎
ゴルフ肘とも呼ばれます。手や指を曲げるための筋肉の腱が、肘の周りで腱鞘炎を起こす病気です。
野球肘
繰り返し投球を行うことで起こる肘の病気の総称です。内側や外側、後ろ側と広い範囲で肘が傷つきます。
変形性肘関節症
老化とともに肘の軟骨(骨と骨の衝突や摩擦を防ぎ、関節の動きを滑らかにしている組織)がすり減り、骨が変形してきます。スポーツや重労働が病気の進行の原因となります。
肘部管症候群
骨の変形や筋肉・靭帯が神経を圧迫して、肘の内側から小指にかけてしびれや痛みを起こします。
肘の炎症が原因の場合
痛風や関節リウマチによる関節炎
これらの病気では、肘の関節に炎症を起こし痛みが起こります。肘以外の関節にも炎症を起こす場合があります。
滑液包炎
肘の骨と皮膚の間には滑液包というクッションの役割を果たす袋状の構造があります。ここに炎症を起こすと、肘の後ろ側に水がたまって見えます。
蜂窩織炎
肘の皮膚近くに細菌感染症をおこすことがあります。
その他の原因
首の病気
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアといった首の神経が圧迫される病気では、肘のまわりにしびれや痛みを起こす場合があります。
骨腫瘍(腫れ物やしこり)
頻度は多くありませんが、骨の腫瘍による痛みが起こる場合があります。
受診の目安・何科を受診するべきか
肘が痛い状況が続く場合、病院に行くべきですか?
痛みが続く場合には一度整形外科を受診しましょう。
肘の痛みは、治療を行わないことによって状況が悪化していく場合があります。
特にスポーツを盛んに行う成長期のお子さんや、中高年で骨粗鬆症の可能性がある場合に注意が必要です。
成長期のお子さんの場合
成長期にはさまざまな骨で成長がみられます。急に成長していくため部分的に構造が弱いところがありますが、盛んにスポーツを行うことでその部分に負荷がかかりすぎてしまいます。代表的な病気に野球肘があり、この病気の治療は肘の安静です。気づかずに運動を続けることで病気が悪化し、手術が必要になってしまうこともあります。
中高年で骨粗鬆症の可能性がある場合
骨粗鬆症になってしまうと、少しのケガで骨折してしまうことがあります。肘のまわりには3種類の骨がありますが、骨折の仕方によっては腫れや内出血がほとんど起こらない場合もあります。このため、骨折に気が付かずに動かし続けてしまうと、状況が悪化してしまうことがあります。
上記のような場合以外にも、適切な治療を行わなければなかなか状況が改善しない場合もあります。肘の痛みが続く場合には、一度整形外科を受診して正確な診断を受けましょう。
検査・診断
肘が痛い場合にセルフチェックはできますか?
原因によって異なります。例えば、肘の使い過ぎや外傷が原因の場合には自身で応急手当もできますが、なるべく早く医師の診察と治療を受けましょう。
肘の痛みがある場合には、以下のような点に注意してみましょう。
転んだ、ぶつけたなどのケガのきっかけがあったか
骨折や靭帯損傷などの可能性があります。
腫れているか
肘が腫れている場合には、骨折や靭帯損傷、関節炎などの可能性があります。
肘の曲げ伸ばしができるか
全く曲げ伸ばしが出来ない場合は、骨折や靭帯損傷、脱臼などの可能性があります。
手首や指を動かして肘に痛みを感じるか
肘の周りの腱鞘炎の可能性があります。
以上のセルフチェックにて、肘の骨折や脱臼、靭帯損傷などの可能性がある場合には整形外科を早急に受診しましょう。
上記の症状がはっきりと分からない場合でも、強い痛みがある場合には同様に受診しましょう。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、無料で肘が痛い場合の緊急度や関連する病気をチェックすることができます。ぜひご活用ください。
肘が痛い場合、血液検査では何が分かりますか?
肘が痛い原因によって、血液検査で炎症の程度や自己抗体の存在などがわかることがあります。
肘の痛みの原因によっては、血液検査で炎症の程度や自己抗体の有無などがわかることがあります。肘関節に炎症が起きている場合や、関節リウマチなどの自己免疫疾患、痛風などの代謝疾患が疑われる場合には、血液検査が行われることが多いでしょう。
肘が痛む人全員が血液検査を受けるとは限りません。炎症の有無を示すCRP値や赤血球沈降速度、リウマチ因子や抗CCP抗体、MMP-3、血中尿酸値などの項目を検査し、他の検査結果や症状も併せて総合的に診断されます。
参考文献
SHAWN F. KANE et al.“Evaluation of Elbow Pain in Adults”..https://www.aafp.org/pubs/afp/issues/2014/0415/p649.html,(参照 2025-11-04).
日本整形外科学会.“「痛風」”..https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/gout.html,(参照 2025-11-04).
日本リウマチ学会.“リウマチ・膠原病を心配したら”..https://www.ryumachi-jp.com/general/collagen-diseases/,(参照 2025-11-04).
肘が痛い場合、エックス線(レントゲン)検査では何が分かりますか?
骨折や骨の変形、骨の突起や骨棘、骨髄炎や骨腫瘍の可能性などがわかります。
肘が痛い場合のエックス線(レントゲン)検査では、骨折や骨の変形、骨の突起(骨棘)、骨髄炎や骨腫瘍の可能性などがわかります。また、肘の関節の隙間の狭まりや、関節の変形、骨の亀裂なども分かります。特に骨折、骨の出っ張り、石灰化などの所見、初期診断や治療方針の決定に役立ちます。
靭帯や腱、軟骨などの軟部組織の状態は直接わかりませんが、骨の変化から間接的な診断に役立つこともあるでしょう。骨に異常がない場合、MRI、超音波検査、神経伝導検査、筋電図検査などで他の部位の異常を調べます。
参考文献
SHAWN F. KANE et al.“Evaluation of Elbow Pain in Adults”..https://www.aafp.org/pubs/afp/issues/2014/0415/p649.html,(参照 2025-11-04).
日本整形外科学会.“「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」”..https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html,(参照 2025-11-04).
日本手外科学会.“代表的な手外科疾患(手外科シリーズ)”..https://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/index.html,(参照 2025-11-04).
肘が痛い場合、どのような検査を行いますか?
問診、徒手検査、画像検査などが行われます。
肘が痛む原因や痛み方はさまざまなものが考えられますが、最初に問診で痛みの起こった状況や痛む動作などを聞き取り、身体診察で確認します。レントゲン(X線検査)で骨の異常を調べ、必要に応じてMRIや超音波検査で腱や靭帯の状態、軟部組織の炎症や損傷を詳細に評価することがあります。
神経症状が疑われる場合は神経伝導検査や筋電図検査を行い、末梢神経障害の有無を確認します。もしテニス肘(上腕骨外側上顆炎)が疑われた場合は、手首や指を動かす特定の筋肉に抵抗をかけて痛みを誘発するThomsenテストやChairテスト、中指伸展テストといった徒手検査も行われることがあるでしょう。
参考文献
SHAWN F. KANE et al.“Evaluation of Elbow Pain in Adults”..https://www.aafp.org/pubs/afp/issues/2014/0415/p649.html,(参照 2025-11-04).
日本整形外科学会.“「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」”..https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html,(参照 2025-11-04).
日本手外科学会.“代表的な手外科疾患(手外科シリーズ)”..https://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/index.html,(参照 2025-11-04).
肘が痛いの治療
肘が痛い場合の治療や予防方法には何がありますか?
原因によって異なります。例えば、肘の酷使が原因で痛みが生じている場合は、安静・ストレッチ・サポーターの使用により、症状の改善や再発防止ができます。
肘の痛みにはいくつかの原因が考えられます。
強い痛みがある場合や腫れがある場合には、まずは病院を受診して原因をはっきりさせる必要があります。
痛みがそれほど強くなく、腫れもほとんど無い場合には肘の酷使が原因の可能性があります。代表的な病気に上腕骨外側上顆炎(テニス肘)があります。
肘の酷使が原因の場合は、安静および適度なストレッチで症状が改善する場合があり、ストレッチでは、肘を伸ばして手首を手前や奥に倒すストレッチが有効なことが多いです。
市販のものでもよいので、肘のサポーターの使用も有効な場合があります。
症状が改善したあとも、過度なスポーツや重量物の扱いでは肘の痛みが再発することがあるため、すぐに負荷をかけすぎないよう注意が必要です。
肘が痛いについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「肘に症状がある」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 肘を曲げのばしすると痛みは悪化しますか?
- 肘の痛みは夜寝ているときもありますか?
- 肘の痛みはドアノブを回す時に悪化しますか?
- 肘の痛みはタオルを絞るような動作で悪化しますか?
肘が痛いに関連する病気・症状
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この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2021/01/18