鵞足炎
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2024/03/28
- 公開日
- 2020/09/03
鵞足炎とは
鵞足炎とはどのような病気ですか?
膝の内側下方の「鵞足」と呼ばれる部位に慢性的な炎症が起こる病気です。
「鵞足」とは
鵞足(がそく)とは、膝の内側の関節すぐ下につながっている3本の腱です。鵞鳥(がちょう)の足のように見えることから、このように呼ばれます。
「鵞足炎」とは
ランニングやジャンプなどで膝を頻繁に力強く曲げ伸ばししていると、鵞足の周りの構造物に傷がつき、炎症を起こします。鵞足炎は、長期間にわたるスポーツにより徐々に傷がつき慢性的に炎症を起こす病気であり、オーバーユース(使い過ぎ)症候群に分類されます。
鵞足炎の症状
鵞足炎の症状にはどんなものがありますか?
ランニングやジャンプ、階段の昇り降りで膝の内側に痛みを感じます。
膝を動かした際に膝の内側に痛みを感じます。具体的には以下のようなタイミングで痛みを感じることが多いです。
- ランニングやジャンプなどの運動時
- 階段の昇り降りや立ち上がりといった動きの時
- あぐらをかいている時
また、鵞足は膝の内側の関節すぐ下にあり、ここをピンポイントに押すと痛みを感じます。
軽症のうちはスポーツ中でも特に痛みが気にならない程度ですが、悪化するにつれて痛みを感じる時間が長くなり、スポーツや日常生活に支障が出てきます。
鵞足炎の原因
鵞足炎の原因には何がありますか?
ランニングやサッカーでの膝の使い過ぎが原因となります。柔軟性の低さや脚の形などの特徴によって発症しやすくなります。
膝の内側の鵞足という部分の周りで摩擦が繰り返されることが、鵞足炎の原因と考えられています。この摩擦は膝を曲げ伸ばしする運動の反復によって生じるため、ランニングやサッカーといったスポーツが原因になります。特に以下に当てはまる人は鵞足炎になりやすいと言えます。
鵞足炎の治療・対処法
受診の目安・何科を受診するべきか
鵞足炎の場合、何科を受診したらよいですか?
整形外科を受診しましょう。
鵞足炎が疑われる場合には整形外科を受診しましょう。スポーツに関連して痛みを感じている場合には、整形外科の中でもスポーツ整形外科を専門としている医師の診察を受けられるとよりよいでしょう。
また、膝の痛みを感じているものの原因についてはっきりとした心当たりがない場合には、膝の他の病気や、股関節や腰の病気の可能性もあります。この場合も整形外科を受診して診療を受けましょう。
鵞足炎が疑われる場合、医療機関を受診する目安はありますか?
鵞足炎は放置すると症状が違和感から痛み、激痛へと進行してしまうため、膝に痛みを感じたら早めに受診しましょう。
鵞足炎は長期間のスポーツによる繰り返しの負担が原因となります。軽症のうちはスポーツ中でも特に痛みが気にならない程度であるため、何も対処せずに漫然とスポーツを続けてしまううちに重症化していく場合があります。重症化するほどスポーツの休養期間が長くなるため、スポーツ後に強まる膝の痛みや違和感に気がついたら、一度整形外科を受診しましょう。
鵞足炎の専門医がいる近くの病院はありますか?
鵞足炎の専門医がいる病院を見る鵞足炎の予防
鵞足炎の予防のためにできることはありますか?
スポーツに取り組む選手自身の心がけはもちろん、練習や環境を適切に調整することも大切です。
鵞足炎は主にスポーツにおけるオーバートレーニングにより生じるため、使い過ぎ症候群の1つに分類されます。予防のためには、①運動の際に気をつける点と②練習や環境の調整点の2点に注意することが大切です。
運動の際に気をつける点
- スポーツの前に十分なストレッチを行う
- スポーツの後に15分ほどのアイシングを行う
- 膝周囲の筋力トレーニングに取り組む
練習や環境の調整点
- オーバートレーニングを防止する
- 適切な靴を使用する
- 走りやすい練習場で練習する
鵞足炎に関連するその他の質問
鵞足炎に効果があるストレッチは何ですか?
膝の後ろ側を伸ばすストレッチや、膝の内側の筋肉のストレッチが有効です。
膝の後ろ側や内側を伸ばすストレッチが効果的です。過度に痛みが出ないように気をつけて行いましょう。
膝の後ろ側を伸ばすストレッチ
痛い方の足を伸ばして座ります。膝の裏が伸びているのを意識しながら、足先に向かって体を倒します。
また痛い方と逆の足を下ろすように椅子に座るとより効果的です。難しければ、逆の足はあぐらで行いましょう。
膝の内側を伸ばすストレッチ
痛い方の足を開きながら椅子の上に乗せます。足先は前を向かせます。膝の内側がのびるのを意識しながら、骨盤を足のほうへ傾けます。
膝の内側が痛くなる原因には、鵞足炎以外に何がありますか?
代表的な膝痛の原因としては変形性膝関節症が挙げられます。特に40代以降の中高年に多く見られるのが特徴です。
鵞足炎以外の病気やケガによって膝の内側が痛くなる場合もあります。
骨折
高齢で骨粗鬆症がある方は、少しのきっかけでも骨折してしまうことがあります。若い方でも、長時間走る習慣があれば疲労骨折によって膝を痛めてしまう可能性があります。
変形性膝関節症
膝の軟骨が擦り減ることで痛みを感じます。膝の内側に痛みを感じることが多いです。
半月板損傷
スポーツなどで膝をひねると、内側の半月板を痛めることがあります。
内側側副靭帯損傷
スポーツなどで膝に外向きの力がかかり、靭帯を痛めることがあります。
関節リウマチ
多関節の痛み・こわばりや腫れがある場合、膝の内側の痛みも関節リウマチの症状である可能性があります。
骨腫瘍
膝に腫瘍ができると、良性か悪性かにかかわらず痛みが出ることがあります。悪性である頻度は高くはありません。
腰の病気
痛み以外にしびれも感じる場合、腰の病気の可能性があります。
股関節の病気
股関節を動かした際に膝に痛みを感じる場合、股関節の病気の可能性があります。
膝の内側が痛い場合、どれくらいの休養が必要ですか?
重症度が高ければ、1ヶ月から3ヶ月ほどのスポーツ休止期間が必要となります。
鵞足炎の重症度は症状によって評価されます。重症度によって、どれくらいの休養を取るべきかなどの対応も変わってきます。
軽症〜中等症の場合
スポーツのプレーそのものには支障をきたしていない場合、軽症〜中等症に分類されます。この段階では、ストレッチやアイシング、筋力トレーニング、オーバートレーニングの防止などを心がけて悪化させないように気をつければ、スポーツを続けられることが多いです。
重症の場合
痛みの影響でスポーツのプレーに支障をきたしているようであれば、重症と見なされます。この場合、スポーツを続けてしまうと症状が悪化しやすいため、きちんと休養を取ることが大切です。個人差があるので一概には言えませんが、1ヶ月から3ヶ月程度のスポーツ休止期間が必要となることが多いです。また、復帰後も急激に負荷をかけることは避け、ストレッチやアイシングを行いながら徐々に膝への負荷を高めていくことが重要です。
鵞足炎について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「鵞足炎」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 膝(ひざ)が痛みますか?
- 安静にしていると痛みを感じないが、立ち上がる、歩く、階段をのぼる等の動作をすることで痛みが出て来ますか?
- これまでに【変形性関節症】と診断されたことはありますか?
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この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
- 更新日
- 2024/03/28
- 公開日
- 2020/09/03