ヘリコバクター・ピロリ感染症
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ヘリコバクター・ピロリ菌は、主に人から人へと唾液を介して感染し、この細菌が胃に定着することで、将来胃がんになる可能性が高まるといわれています。
主な感染時期は乳幼児期で、小さい子供が親からの口移しで感染することが多いです。
また、幼少期の衛生環境とも関連するといわれており、水道水の整備などがされていない環境では感染の危険性が高まります。日本では上下水道の整備によって感染率は大きく低下しています。

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると、胃粘膜に長期にわたる炎症が起こり、慢性胃炎を引き起こします。
また、胃や十二指腸に潰瘍ができることもあり、これらの症状は胃のあたり（上腹部）に痛みや違和感を生じる原因になります。具体的には、みぞおちの近くが痛んだり、吐き気を感じたりすることがあります。
しかし、感染しても特に症状の現れないこともあり、症状が現れたとしても軽微で見過ごされる場合もあります。
このため、健康診断の胃カメラや血液検査で、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している恐れが無いか調べることが重要です。

ヘリコバクター・ピロリ菌による感染は、多くの場合、乳幼児期に起こり、初期症状がほとんど無いか、全く気付かれないことが一般的です。
しかし、成人においては、まれに急性感染を起こし、強いみぞおちの痛みを感じることがあります。これは急性の胃炎が起こっており、強い症状を引き起こしますが、症状は数日で速やかに改善します。
その後に慢性胃炎となった場合には、除菌治療が必要となります。除菌治療は、胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を組み合わせた飲み薬を使用します。

以下に当てはまる方は、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している可能性があります。
ただし、以下はあくまで感染を疑うときの目安です。正確に判断するためには、ヘリコバクター・ピロリ菌感染検査を受ける必要があります。気になる方は内科、消化器科を受診しましょう。

• 家族でヘリコバクター・ピロリ菌陽性の方がいる
• 胃潰瘍、十二指腸潰瘍に複数回なったことがある
• みぞおちの周囲の痛みや、胃のムカつきといった症状がある