ハンセン病

監修医師髙岡 真梨子平塚市民病院 皮膚科

更新日
2026/06/16
公開日
2020/09/03

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ハンセン病とは

らい病とはどのような病気ですか?

現在は「ハンセン病」と呼ばれる慢性の感染症です。

らい病とは、現在は「ハンセン病」と呼ばれる慢性の感染症です。

以前は、らい菌という抗酸菌の一種によって引き起こされるため「らい病」と呼ばれていましたが、偏見や差別を助長することから現在は使われない名称です。

主に皮膚と末梢神経に影響を及ぼし、特徴的な症状として、知覚障害を伴う皮疹や末梢神経の肥厚、運動障害などが現れます。

診断は、臨床症状の観察、抗酸菌の検出、病原体のDNAを増幅して検出するPCR検査、病理組織検査などを組み合わせて行います。

かつては不治の病として恐れられていましたが、現在は非常に効果的な治療法が確立されている病気です。

さらに詳しく:らい病とはどのような病気ですか?監修医師武井 悠香子やよい在宅クリニック 脳神経内科

「ハンセン病」とはどのような病気ですか?

主に皮膚と末梢神経に影響を及ぼす、慢性の感染症です。

ハンセン病は、らい菌という抗酸菌の一種によって引き起こされる慢性の感染症です。

主に皮膚と末梢神経に影響を及ぼし、特徴的な症状として、知覚障害を伴う皮疹や末梢神経の肥厚、運動障害などが現れます。

診断は、臨床症状の観察、抗酸菌の検出、病原体のDNAを増幅して検出するPCR検査、病理組織検査などを組み合わせて行います。

かつては不治の病として恐れられていましたが、現在は非常に効果的な治療法が確立されている病気です。通院で治療可能で、完治が見込める病気になりました。

病型によって治療期間は異なるほか、神経障害による後遺症を予防するためのケアも重要な治療の一環となっています。

現在、日本国内でハンセン病にかかる人は極めて少なくなっていますが、世界的にはいまだに患者さんが存在しています。

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ハンセン病の症状

ハンセン病には初期症状はありますか?

特徴的な皮疹と、皮疹に一致した知覚障害が起こることが多いです。

ハンセン病の最も一般的な初期症状は、特徴的な皮疹です。

顔面や手足などの露出している部位、特に伸側などの比較的低体温になる部位の皮疹と、末梢神経の炎症による知覚障害が多いとされています。

ハンセン病には「病型」と呼ばれる病気の型があり、病型によって症状は多様です。

多菌型と呼ばれるタイプでは、初期の知覚症状を伴わないことが一般的とされ、鼻づまり、鼻血、下腿のむくみ、眉毛が抜ける、発汗障害などがみられることがあります。

さらに、日本ではまれですが、皮疹を伴わない「純神経型」と呼ばれるものがあります。

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ハンセン病ではどのような症状がありますか?

皮疹や感覚障害など、主に皮膚と末梢神経の症状が現れます。

主に皮膚と末梢神経の症状が現れますが、症状の程度や進行は、患者さんの免疫状態や病型によって異なります。

具体的には、以下のような症状が現れるとされています。

皮膚症状

  • 白斑、紅斑、環状紅斑、結節などの特徴的な皮疹が現れ、色素脱失や色素沈着を伴うことがあります。かゆみや痛みなどの自覚症状はなく、治りにくいと言われています。

神経症状

  • 末梢神経の肥厚が起こり、触診で確認できることがあります。
  • 皮疹に一致して手足の感覚障害や運動障害が現れる場合があり、特に熱さや冷たさ、痛みを感じにくくなります。
  • 顔面神経が十分に機能せず、まぶたが閉じにくくなったり、表情が乏しくなったりすることがあります。

その他の症状

  • 目の症状として角膜の感覚低下や虹彩炎などが、鼻粘膜の障害によって鼻閉や鼻出血が生じることがあります。

また、患者さんの6割程度で治療中や治療後に「らい反応」と呼ばれる急性症状が現れます。

この際に皮疹の悪化や神経痛、発熱などが起こる可能性があり、後遺症を残すことがあります。らい反応による後遺症を残さずに治療することが目標となります。

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ハンセン病の症状として、どのような見た目になるのですか?

初期の場合は顔や手足、体幹に白斑、紅斑、環状紅斑と呼ばれるさまざまな様子の皮疹ができます。

初期の場合は顔や手足、体幹に白斑、紅斑、環状紅斑と呼ばれるさまざまな様子の皮疹ができます。
ハンセン病を説明する図です
さらに、末梢神経障害から起こる運動障害で手や足の指の変形や筋萎縮、自律神経障害から生じる発汗障害による皮膚の乾燥などが見た目に現れることがあります。

症状が進行すると、皮疹に加えて鼻の軟骨が壊死して起こる鞍鼻(鼻の形状が馬の鞍のように中央部分が凹んだ状態)、眉毛が抜けるなどの顔面の変形や爪の変形、指の短縮などの四肢の変形が起こることもあります。

ハンセン病は早めに治療を受けることで進行を防ぐことができます。治療が遅れると、上記のような症状が進行する可能性があります。

疑わしいと思ったら、早期受診を心がけましょう。

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ハンセン病の原因

ハンセン病の原因は何がありますか?

らい菌への感染です。

ハンセン病の原因は、らい菌への感染です。

病気の進行の仕方や症状の程度は病型によって異なっていますが、主に皮膚症状や神経症状が現れます。

病型とは、症状の現れ方や菌の量、免疫反応の違いによって分類された病気の型です。

また、治療中や治療後に症状の悪化を引き起こす「らい反応」と呼ばれる、発熱や神経痛、皮疹の悪化などの急性症状を起こす可能性もあります。

これは急激な免疫反応や炎症反応が起こるのが原因です。

多くの症状は早期発見と適切な治療によって予防可能です。

しかし、診断が遅れると神経障害による後遺症が残る可能性があるため、早めに診断を受け、対処することが大切です。

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ハンセン病の検査・診断

ハンセン病のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

ハンセン病のセルフチェックは難しいですが、以下のような症状が現れた場合は皮膚科を受診しましょう。もしハンセン病であれば、早期発見・早期治療が大切です。

  • 皮膚の一部に痛みや熱さ、冷たさなどの感覚が鈍い場所がある
  • 手足の末端に無感覚な部分がある
  • 手足の筋力の低下や変形を感じる

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、ハンセン病かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

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ハンセン病の治療・対処法

ハンセン病の場合、主にどのような治療をしますか?

多剤併用療法(MDT)と呼ばれる薬物療法を行います。

ハンセン病の治療では、抗菌薬を組み合わせた多剤併用療法(MDT)を行います。

2024年の日本ハンセン病学会の治療指針によると、標準的な治療法は以下の通りです。

少菌型ハンセン病

リファンピシン、ジアフェニルスルホン、クロファジミンの3剤を6ヶ月間併用します。

多菌型ハンセン病

同様の3剤を使用しますが、治療期間は菌量を表す菌指数(BI)によって異なります。

  • BI(3+)以上の場合:原則として2年間継続
  • BI(3+)未満の場合:原則として1年間継続

治療中は定期的な経過観察が必要で、菌の状態や臨床所見に応じて治療期間を調整します。

治療の目的として、らい菌の除去以外に神経障害による後遺症の予防も重要です。

現在のハンセン病は適切な治療で完治可能であり、通院で治療できます。

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受診の目安・何科を受診するべきか

ハンセン病が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

触ったときに感覚が鈍い皮疹が現れたら、皮膚科を受診しましょう。

ハンセン病が疑われる場合、最初は皮膚と末梢神経に症状が現れます。

以下のような症状が出現し、長期間続いている場合はできるだけ早く皮膚科で診察を受けましょう。早期発見・早期治療によって後遺症のリスクを大幅に減らせます。

  • 白斑、紅斑、環状紅斑、結節などの特徴的な皮疹
  • 皮疹のある場所に感覚がない
  • 手足の感覚が鈍い、筋力が低下していると感じる
  • 皮膚に色素沈着や脱色した斑点が現れる

ハンセン病の診断には、皮膚生検やPCR検査など他の検査も必要です。心配な場合は迷わず医療機関を受診しましょう。

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ハンセン病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

まず皮膚科を受診するといいでしょう。

ハンセン病が疑われる場合、最初に皮膚科を受診することをおすすめします。

初期に皮膚と末梢神経に症状が現れることが多く、皮疹が発症することも多いためです。

医療機関では、特徴的な皮疹や知覚障害の有無などの症状の確認、皮膚生検やスメア検査、病原体のDNAを増幅して検出するPCR検査によるらい菌の存在確認、触覚や知覚などの感覚障害の程度、神経の肥厚や運動障害の有無から総合的に診断します。

必要な場合は皮膚科だけでなく、症状に応じて神経内科や感染症専門外来などの複数科で、連携した治療が行われる可能性があります。

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ハンセン病の専門医がいる近くの病院はありますか?

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ハンセン病の薬

ハンセン病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

主にリファンピシン、ジアフェニルスルホン、クロファジミンの多剤併用で治療され、副作用があります。

ハンセン病の治療には、主に多剤併用療法(MDT)が用いられます。

標準的なMDTでは、リファンピシン、ジアフェニルスルホン(DDS)、クロファジミンの3剤が組み合わされており、それぞれ以下のような副作用が報告されています。

  • リファンピシン:肝障害、腎障害、貧血、併用薬の減弱など
  • ジアフェニルスルホン:溶血性貧血、食欲不振、頭痛、肝障害など
  • クロファジミン:皮膚や尿の赤褐色化、腸閉塞、下痢、皮膚の乾燥など

また、治療中に起こる「らい反応」と呼ばれる免疫反応に対しては、患者さんの状況に応じてステロイドや非テロイド性抗炎薬、鎮静薬などを使用します。

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対処法・セルフケア

ハンセン病の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

特別に制限はありませんが、適切な治療ができるよう医師の指示に従いましょう。

ハンセン病に罹った場合、日常生活における特別な制限はありません。ハンセン病の治療開始後は感染力が速やかに低下し、通常の生活を送れるようになります。

適切な治療ができるように、以下のことを心に留めておきましょう。

  • 定期的な通院と服薬を継続し、医師の指示に従う
  • 皮膚や末梢神経の症状に注意を払い、変化があれば速やかに医師に相談する
  • 手足の感覚低下がある場合、怪我や火傷に注意し、セルフケアをを行う
  • 治療中や治療後に起こる可能性がある「らい反応」の症状(発熱、皮疹の悪化、神経痛など)に注意し、発症時は速やかに医療機関を受診する
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ハンセン病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

担当医に相談しましょう。

症状が改善せず、薬の効き目に疑問を持った場合、担当医に相談しましょう。

ハンセン病は、現在効果的な治療法が確立されています。WHOが提唱しているMTDとよばれる多剤併用療法は1981年から導入され、ハンセン病を効率よく治療して、感染源を抑えるとして世界中で成果をあげています。

よって薬が効かないケースは珍しいと考えられますが、原因菌であるらい菌に薬剤耐性菌が存在するとわかっています。

もし担当医が「薬の効果がない」と判断した場合、治療法の見直しが行われるでしょう。

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ハンセン病に関連するその他の質問

ハンセン病はうつりますか?

非常に感染力が低いため、日常生活で感染することはほとんどありません。

ハンセン病は非常に感染力の弱い病気で、現在の日本において、日常生活で感染することはほとんどありません。

感染には長期間の濃厚接触が必要ですが、99%以上の人は自然免疫によって感染しないとされています。

ハンセン病が多発する地域では、WHOが接触者健診や予防薬の内服を推奨しています。

また、現在ハンセン病には非常に効果的な治療法が確立されており、外来通院で完治する病気です。

早期発見と適切な治療によって感染力はさらに低下し、後遺症のリスクも大幅に減少するでしょう。

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ハンセン病になると、顔が崩れるのですか?

症状で顔が変形する可能性がありますが、崩れるわけではありません。

ハンセン病が、顔の変形を引き起こすという誤解は広く存在しますが、実際に病気そのものが「顔を崩す」わけではありません。

主に皮膚と末梢神経に症状が現れるため、その影響を受けることがあります。

顔が変形する可能性としては、以下のような症状が考えられます。

  • 神経障害:末梢神経を損傷し、顔の筋肉の麻痺がおこるために、表情が制限されて外観が変化する可能性があります
  • 皮膚病変:症状が進行すると、顔に結節や浸潤性の病変が現れ、輪郭が変形する可能性があります

早期発見・早期治療で外見の変化も予防できます。

偏見や誤解をなくすため、1人ひとりが正しい知識を持ちましょう。

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ハンセン病について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「ハンセン病」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 全身の痛みがありますか?
  • 皮ふが硬くなっている場所がありますか?
  • 皮ふに赤いブツブツがありますか?あるいは皮ふが赤くなっていますか?
  • 最近顔つきが変わったと感じていますか?

最新のガイドライン・医療水準を取り込んだデータベースを元に関連する病気・症状を表示しています。

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この記事の監修医師

監修医師 髙岡 真梨子

髙岡 真梨子 先生

平塚市民病院 皮膚科

【経歴】 東京大学医学部医学科 卒業 平塚市民病院 臨床研修 東京大学医学部附属病院 国際医療福祉大学三田病院 東京大学医学部附属病院 国立病院機構相模原病院

更新日
2026/06/16
公開日
2020/09/03