首に症状がある
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2021/01/18
概要
「首に症状がある」に関連する主の病気には、骨粗しょう症、慢性疼痛、緊張型頭痛などがあります。
首の痛みとは
「首の痛み」とはどのような症状ですか?
首やその周辺に痛みが出る症状です。
頭と胴体の間の部位を首(医学用語としては頚部)と呼び、首の周りに痛みを感じることを「首の痛み」と言います。成人の10~20%が首の痛みを経験しているとされており、腰痛と並んで頻度の高い症状となります。痛みの感じ方は鋭い痛みや鈍い痛み、ズキズキする痛みなど、さまざまな表現がされます。怪我やスポーツなど痛みの始まりに覚えがある場合と、特にきっかけに覚えがない場合があります。
また、首の痛みに伴い、手足の痺れ(※足のしびれ、※手の指のしびれ)や動かしづらいといった症状や排尿や排便の障害も伴う場合があります。
首の痛みの原因
首の痛みの原因として、何が考えられますか?
首の周囲の筋や骨・関節の炎症、神経の圧迫などが原因として考えられます。
首は以下の部位で構成され、これらの部位に損傷があると首の痛みが生じます。
- 中枢神経に属する「頚髄」
- 頚髄を守る骨である「頚椎」
- 周囲の筋肉や皮膚など
首の痛みの原因となる代表的な疾患として、下記のものが挙げられます。
頚髄や頚椎が原因となる疾患
- 怪我や運動に伴う骨折や脱臼
- 老化や変形などでの神経の狭窄:変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚部脊柱管狭窄症など
首の周囲の筋肉が原因となる疾患
- 寝違え
- 姿勢の悪さなどにより生じる筋の緊張
- むちうちにより生じる頚椎の捻挫など
その他
- 関節に結晶ができる関節炎:頚椎の偽痛風
- 自己免疫疾患(自身の免疫が自身の組織を攻撃してしまう病気) :リウマチ性多発筋痛症など
- 血管が破れる病気:椎骨動脈解離など
- 細菌の感染:化膿性椎間板炎など
首筋が痛いときの原因は何が考えられますか?
寝違えや姿勢に伴う筋の緊張、むちうちなどが主な原因となります。
首筋が痛む原因には、主に首の周囲の筋肉で起こる異常があります。
具体的には、以下のような原因が考えられます。
寝違え
睡眠中に首の不自然な姿勢が長時間保持されることで、筋肉が緊張し、起きた時に首筋の痛みを感じます。
姿勢の悪さなどにより生じる筋の緊張
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、特に前屈みの姿勢を続けることで首周りの筋肉が緊張し、痛みが出ることがあります。
むちうち
車の追突事故などで頭が前後に揺れることにより、頚椎の周囲の筋肉がダメージをうけることがあります。これにより、首筋の痛みだけでなく、頭痛やめまいなどの症状も伴うことがあります。
首の右側のみ、あるいは首の左側のみが痛いときどのような原因が考えられますか?
寝違え、むちうち、神経痛などが考えられます。
首筋が片側だけが痛む場合、主に首の周囲の筋肉や神経で起こる異常があります。
具体的には、以下のような原因が考えられます。
寝違え
睡眠中に首の不自然な姿勢が長時間保持されることで、筋肉が緊張し、起きた時に片側の首筋の痛みを感じることがあります。
むちうち
車の追突事故などで頭が前後に揺れることにより、頚椎の周囲の筋肉がダメージをうけることがあります。衝撃が左右どちらかに偏っていた場合、片側に痛みを強く引き起こすことが考えられます。
神経痛
頚椎や椎間板の変形によって首の神経が圧迫され、片側の首の痛みを生じることがあります。首だけでなく、肩や背中、腕などへ痛みが及ぶことも多いです。
首の後ろが痛いときの原因は何が考えられますか?
首の周囲の筋や骨・関節の炎症、神経の圧迫などの異常が原因として考えられます。
首の後ろが痛む原因には、主に神経(頚髄)、骨(頚椎)、周囲の筋や皮膚などで起こる異常があり、以下のような病気を引き起こします。
頚髄や頚椎が原因となる病気
怪我や運動に伴うもの
- 骨折
- 脱臼
など
老化や変形などが原因となる神経の狭窄
- 変形性頚椎症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頚部脊柱管狭窄症
など
首の周囲の筋肉が原因となる病気
- 寝違え
- 姿勢の悪さなどにより生じる筋の緊張
- むちうちにより生じる頚椎の捻挫
など
その他の病気
など
首の痛みがある場合、どのような病気が考えられますか?
怪我による筋肉・靭帯の炎症や変形性関節症、頚椎椎間板ヘルニアなど、さまざまな病気が考えられます。
発症したきっかけや、首以外の症状の有無で考えられる病気は異なります。主に怪我による筋肉・靭帯の炎症や変形性関節症、頚椎椎間板ヘルニアなどが考えられます。
スポーツや怪我などが理由で発症した場合
頚椎捻挫(むちうち)や骨折・脱臼などが強く疑われます。
特に原因がなく、症状が首の痛みに限定している場合
首周囲の筋や骨の炎症などが考えられ、いわゆる寝違えや猫背に伴う筋の慢性の痛みのことが多いです。
背景にストレートネック(本来弯曲している頸椎がまっすぐに並んでいる状態)が存在することがあります。
特に原因がなく、手足や背中の麻痺やしびれを伴う首の痛みの場合
頚椎椎間板ヘルニアや頚部脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症などが考えられます。
受診の目安・何科を受診するべきか
首の痛みがある場合、どの診療科を受診したらよいですか?
首を動かした際に痛みが生じる場合や、腕などに痺れを伴う場合はまず整形外科を受診しましょう。
突然首や後頭部、胸部などに強い痛みなどが生じた場合には動脈解離などの緊急を要する疾患の可能性もあります。救急外来を受診しましょう。
またかかりつけの内科がある場合にはまずは主治医に相談してみましょう。
上記以外の場合には整形外科を受診するとよいでしょう。
首の痛みが続く場合、病院に行くべきですか?
首の痛みが続く場合、病院の受診をすることをおすすめします。
首の痛みが長期間続く場合、何らかの病気が隠れている可能性があります。
特に、次の場合は専門医の診察を受けることが推奨されます。
- 痛みが徐々に強くなる
- しびれや感覚の異常が伴う
- 動きに制限が生じる
これらの症状は、頚椎の神経の圧迫、筋肉や関節の炎症などさまざまな原因が考えられ、早めに適切な診断と治療が必要です。早めに医療機関を受診することで、症状の悪化を防ぎ、効果的な治療を受けることができます。
病院を受診した場合、問診や身体診察後に必要に応じて画像検査が行われます。早期の適切な治療により、回復が早まる可能性があります。
検査・診断
病院でストレートネックと診断されました。どのような治療があるでしょうか?
ストレートネックの治療には、よい姿勢を保つことが重要であり、そのためにはスマホの制限が効果的です。また、ストレッチなどが有効な場合もあります。
頚椎は本来、前側に凸となるように穏やかに弯曲していますが、頚椎がま真っすぐに並んでいる状態を「ストレートネック」と表現します。
生まれつきストレートネックの方もいますし、スマートフォンの長時間使用やデスクワークの増加により後天的にストレートネックになる方もいます。
ストレートネックでは頭が前に傾いた状態となるため、首の筋への慢性的なストレスを受けやすく、首や背中などの痛み、肩こり、頭痛などが生じやすくなります。
ストレートネックの治療としては下記のものがあります。
姿勢の改善
まずは正しい姿勢を維持することが重要です。具体的には、前かがみになることを避け、肩を後ろにして胸を張るようにして座ってください。長期間のスマートフォンやデスクワークを控えることも重要です。
ストレッチ
首や肩のストレッチを行うことで首回りの筋肉の緊張が緩和され、痛みが軽くなることがあります。
参考文献
Kelani TD, Lee A, Walker M, et al. The Influence of Cervical Spine Angulation on Symptoms Associated With Wearing a Rigid Neck Collar. Geriatr Orthop Surg Rehabil. 2021;12:21514593211012391.
Oh SH, Yoo KT. The effects of stabilization exercises using a sling and stretching on the range of motion and cervical alignment of straight neck patients. J Phys Ther Sci. 2016;28:372-377.
首の痛みに関連するその他の質問
首の痛みに効くストレッチを教えてください。
首周囲の筋肉が原因での痛みの場合にはストレッチで改善する可能性があります。 解説に簡単に取り組めるストレッチの方法をご紹介します。
首周囲の筋肉が原因での痛みの場合にはストレッチで改善する可能性があります。
椅子に座りながら無理のない範囲でゆっくりと行ってみてください。
外傷に伴う首の痛みや、痺れを伴うような首の痛みがある場合など、痛みがかえって悪化する恐れがあるため医師に相談のうえ行うようにしてください。
1. 首の左右へのストレッチ
頭を右に傾け、右手で頭を押さえながら右肩に向かってゆっくり伸ばします。 15 ~ 30 秒間保持してから、反対側も同様に繰り返します。(各2セット)
2. 首の前側のストレッチ
あごを両手の親指で押しながら頭を後ろへ倒し、首の前側を伸ばします。 15秒間伸ばしてから放し、 これを2回ほど繰り返します。
3. 首の後ろ側のストレッチ
頭の後ろに手を置き、 あごを胸に引き寄せながら、頭をゆっくり前に倒します。 15〜30秒間保持し、2回ほど繰り返します。
首を寝違えたような痛みが突然出た場合、どのように対応すればよいですか?
まずは痛む動作を避け、安静を保ってください。湿布や鎮痛剤が有効な場合があります。我慢できないほどの痛みであれば、早めに整形外科の受診をおすすめします。
睡眠の後、目が覚めた時に首の後ろや肩にかけての痛みが出ることがあり、これを「寝違え」と言います。寝違えの原因ははっきりとは分かっていません。整形外科での診察や検査で他の病気を除外することで診断します。
寝違えの治療としては下記のものがあります。
安静
無理に動かすと痛くなるため、安静を保ちましょう。
薬物治療
湿布や鎮痛剤、筋弛緩薬が有効な場合があります。
マッサージやストレッチ
有効な場合もありますが、更に痛みが増す場合もありますので医師に相談のうえ行いましょう。
首の寝違えはどのように治しますか?
まずは安静を保つことが大切です。痛み止めや湿布、ストレッチなども有効です。
首の寝違えは、睡眠中に首が不自然な姿勢をとっていることにより、首の筋肉に過度の緊張が生じることで発生します。
首の寝違えの対処法は以下の通りです。
安静
痛みがある場合は、首に負担をかけないようにしましょう。激しい運動や仕事は控えた方が良いでしょう。
痛み止めと湿布の使用
鎮痛剤や湿布を使用することで痛みの軽減が期待できます。
ストレッチ
痛みが和らいできたら、首の軽いストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性を取り戻せます。ただし、無理は禁物で、痛みのない範囲で行ってください。
通常、首の寝違えは数日で改善しますが、痛みが激しい場合や症状が長引く場合には、早めに病院を受診しましょう。
首の痛みについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「首に症状がある」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 首の痛みやこわばりがありますか?
- 朝方に、手や指が1時間くらいこわばることがありますか?
- 運動で痛みが和らぎますか?
- 首の痛みはうつむいたときに悪化しますか?
- 首の痛みは見上げた時に悪化しますか?
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この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2021/01/18