変形性関節症のセルフチェックはできる?変形性関節症
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
変形性関節症と診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「変形性関節症」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2021年1月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
※回答が1,000人以上ある症状・病名のデータに限って掲載しています。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「変形性関節症」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、膝の痛み(32%)、股関節の痛み(9%)、鼠径部痛(5%)などでした。
受診した診療科は、整形外科(90%)、内科(3%)、リハビリテーション科(2%)の順でした。
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変形性関節症とは
膝や肩、股関節などで骨を守る軟骨が傷つき、関節を動かした際に痛みを生じたり、動かしにくくなります。多くの人が年齢とともに変形の進行を認めます。
「変形性関節症」とはどのような病気ですか?
関節の軟骨がすり減り、骨が変形して痛みや動きの制限が生じる病気です。
関節の表面を覆い、クッションの役割や滑りを良くする働きを持つ関節軟骨が、加齢や長年の負担によって徐々にすり減っていく病気です。
軟骨が摩耗し薄くなると、関節を構成する骨同士が直接こすれ合うようになり、その結果、痛みや炎症の原因となります。
病状が進むと、軟骨の下の骨が厚く硬くなったり(骨硬化)、関節の縁に骨の突起(骨棘:こつきょく)ができるなどして、関節全体の形が変形していきます。
また、関節を包む袋(関節包)や、周囲の靭帯・筋肉などの組織にも、軟骨の変性や関節の不安定化に伴って、二次的な炎症や変化が生じることがあります。
これらの変化により、関節の動きが悪くなり(可動域制限)、日常生活に支障をきたすようになります。
主に体重のかかる膝や股関節、また指の関節などに多く見られます。
変形性関節症の症状
変形性関節症が指にも起こる場合、どのような症状が出ますか?
指の関節の痛み、腫れ、変形、動きの制限などの症状が出ます。
指の変形性関節症は、特に指の第一関節(DIP関節)や第二関節(PIP関節)に多く見られます。
症状としては、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどがあります。
特徴的なのは、関節の背側に骨のコブのような変形ができることで、第一関節にできるものをヘバーデン結節、第二関節にできるものをブシャール結節と呼びます。
これらの結節ができると、指が曲がったり、指先に力が入りにくくなったりすることがあります。
時間の経過とともに痛みは軽減することが多いですが、変形は残ることが多いです。
変形性関節症には初期症状はありますか?
初期には動き始めの軽い痛みやこわばり、違和感などが現れることがあります。
変形性関節症は、初期の段階では自覚症状がほとんどないこともありますが、病気が始まっているサインが現れることがあります。
この時期は、関節のクッションである軟骨がわずかにすり減り始めた段階で、まだ骨の大きな変形は見られません。
初期症状として最も多いのは、朝起きたときや、椅子から立ち上がる際など、しばらく同じ姿勢でいた後に動き出すときに感じる、関節の軽い痛みや動かしにくさです。
これらの症状は、少し体を動かしているうちに自然と和らぐことが多いのが特徴です。
また、関節に何となく違和感があったり、不安定に感じたりすることもあります。
これらの初期症状は比較的軽いため、単なる疲れや年齢のせいだと思って見過ごされがちですが、早期に気づいて適切な対策をとることが、病気の進行を遅らせ、将来的な痛みを軽減するために非常に重要です。
変形性関節症ではどのような症状がありますか?
関節の痛みやこわばり、可動域の制限、関節の腫れや変形などがあります。
変形性関節症の最も一般的な症状は、関節を動かしたときに感じる痛みです。
特に、朝起きたときや、長時間座っていた後など、しばらく休んだ後に動き出す際に痛むのが特徴です。
この痛みは、しばらく体を動かしていると和らぐことが多いです。
しかし、病状が進行すると、動かしている間だけでなく、安静にしているときや夜間にも痛みが続くようになり、日常生活や睡眠に支障をきたすことがあります。
また、関節の動きが悪くなり、曲げ伸ばしが困難になることがあります。
関節に炎症が起こると、腫れや熱感を伴うこともあります。
さらに、関節を動かす際にゴリゴリ、ギシギシといった音がしたり、骨の変形などにより関節の形が変わったりといった症状も見られます。
これらの症状は、病気の進行とともに悪化する傾向があります。
変形性関節症の原因
変形性関節症の原因は何がありますか?
加齢、肥満、遺伝、過去の怪我、関節への過度な負担などが主な原因です。
変形性関節症の主な原因は複数ありますが、最も大きな要因は加齢です。
長年にわたる関節の使用により、関節軟骨は徐々に摩耗し、その修復能力も低下していきます。
また、肥満は膝や股関節などの体重を支える関節に過剰な負担をかけ、軟骨のすり減りを加速させます。
遺伝的な体質も発症に関与すると考えられており、家族に変形性関節症の方がいる場合はリスクが高まる傾向があります。
過去の骨折や靭帯損傷などの関節の外傷、あるいは特定のスポーツや職業による関節への繰り返しの過度な負担(オーバーユース)も、軟骨を傷つけ、変形性関節症の原因となります。
これらの要因が単独または複合的に作用して、病気が発症・進行すると考えられています。
変形性関節症の検査・診断
変形性関節症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
変形性関節症の可能性を示唆する症状として、以下のような項目をチェックすることができます。
- 朝起きたときや、しばらく休んだ後に動き始めると関節が痛んだり、こわばったりする。
- しばらく動かしていると痛みやこわばりが和らぐ。
- 関節を動かすとゴリゴリ、ギシギシといった音がする。
- 関節が腫れていたり、熱を持っていたりする。
- 関節の動きが悪くなり、正座やしゃがむのがつらい。
- 関節が変形してきたように見える。
これらの症状が複数当てはまる場合は変形性関節症の可能性がありますが、他の病気の可能性もあるため、必ず整形外科を受診して医師の診断を受けてください。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、変形性関節症かどうかをセルフチェックできます。ぜひご活用ください。
変形性関節症の治療・対処法
変形性関節症への対処法は?
関節への負荷を減らすためには運動量の調整や重労働を避ける必要があります。体重の減量も有効です。状況によってはサポーターや杖の使用も有用な選択肢となります。
変形性関節症の場合、主にどのような治療をしますか?
保存療法が中心で、薬物療法、運動療法、装具療法などがあり、進行度により手術も検討されます。
変形性関節症の治療は、病状の進行度や痛みの程度に応じて選択されます。
初期や軽症の場合は、手術を行わない保存療法が基本です。
痛みや炎症を抑えるための薬物療法(内服薬、外用薬、関節内注射)、関節の機能維持・改善を目指す運動療法やリハビリテーション、関節への負担を軽減するための装具療法(サポーター、杖、足底板など)が行われます。
これらの保存療法で十分な効果が得られない場合や、病状が進行して日常生活に大きな支障が出ている場合は、人工関節置換術などの手術療法が検討されます。
受診の目安・何科を受診するべきか
変形性関節症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
関節の痛みが続く、動きが悪くなる、日常生活に支障が出始めたら受診を検討しましょう。
関節の痛みが数日以上続いたり、徐々に強くなったりする場合、関節の動きが悪くなって正座や階段の昇り降り、歩行などが困難になってきた場合、また関節が腫れたり熱を持ったりする場合などは、医療機関を受診する目安となります。
特に、痛みにより仕事や家事、趣味など、普段の生活に支障が出始めたら、我慢せずに早めに整形外科を受診することをお勧めします。
早期に診断を受け、適切な治療や生活指導を受けることで、病気の進行を遅らせ、症状を和らげることが期待できます。
変形性関節症の専門医がいる近くの病院はありますか?
変形性関節症の専門医がいる病院を見る変形性関節症の薬
変形性関節症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
痛み止め(NSAIDsなど)や湿布、注射などの薬が使用されます。
変形性関節症の薬物療法では、主に痛みを和らげる目的で薬が使用されます。
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の内服薬や外用薬(湿布、塗り薬)が一般的です。
NSAIDsの内服薬は、胃の不快感、胃潰瘍、腎機能障害などの副作用が出ることがあります。
また、関節の滑りを良くし、軟骨の保護を期待してヒアルロン酸の関節内注射が行われることもあります。
注射部位の痛みや腫れ、まれにアレルギー反応などの副作用が起こり得ます。
これらの薬は症状を抑える対症療法であり、病気の進行そのものを止める効果は限定的です。
使用にあたっては医師の指示に従い、副作用に注意が必要です。
対処法・セルフケア
変形性関節症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
薬以外の治療法(運動療法、装具)を試したり、手術療法を検討したりします。
薬物療法で痛みが十分に改善しない場合でも、変形性関節症には他の有効な治療法が複数あります。
保存療法としては、まず関節周囲の筋力を強化し、関節への負担を軽減する運動療法やリハビリテーションが非常に重要です。
これにより、痛みの軽減や関節機能の維持・改善が期待できます。
また、杖やサポーター、足底板などの装具を用いて、痛む関節への負担を物理的に減らすことも有効な手段です。
さらに、近年では、自己の血液や脂肪組織などから抽出した成分を関節に注射する再生医療も、一部の医療機関で治療選択肢の一つとして行われる場合があります。
これらの保存療法を十分に行っても痛みが強く、日常生活に大きな支障が出ている場合は、人工関節置換術や骨切り術といった手術療法が検討されます。
ご自身の病状や希望を主治医とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。
変形性関節症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
関節への負担軽減、適度な運動、体重管理などが有効です。
変形性関節症の進行を抑え、症状を和らげるためには、日常生活での工夫が非常に重要です。
まず、痛む関節への負担をできるだけ減らすことが大切です。
例えば、重い物を持つことを避けたり、立ち座りの際に手すりを使ったり、和式トイレや正座を避けて椅子や洋式トイレを使ったり、必要に応じて杖を使ったりすることが有効です。
また、関節周囲の筋力を維持・強化するための適度な運動は、関節を安定させ、痛みの軽減や機能維持に役立ちます。
水中ウォーキングや自転車など、関節に負担の少ない運動がおすすめです。
肥満は関節への負担を増やすため、適正な体重を維持することも重要です。
さらに、関節を冷やさず、温めることも痛みの緩和につながることがあります。
これらの生活習慣の見直しを無理のない範囲で続けることが、症状の管理につながります。
変形性関節症に関連するその他の質問
変形性関節症の発症が多い部位を教えてください。
体重のかかる膝関節や股関節、指の関節、脊椎(首や腰)などに多く見られます。
変形性関節症は、日常的に繰り返し負担がかかる関節に多く発生する傾向にあります。
最も頻繁にみられるのは膝関節です。膝は歩行や立ち上がりなど、常に体重を支えるため負担が大きい部位です。
次に多いのは股関節で、こちらも体重を支える重要な関節であり、加齢や負担によって変形が進みやすい傾向にあります。
また、指の関節、特に指先に近い第一関節(DIP関節)やその隣の第二関節(PIP関節)にも多く見られ、遺伝的な要素や細かい手作業などの負荷が影響すると考えられています。
さらに、首の骨である頸椎や腰の骨である腰椎といった脊椎にも発生し、神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こすことがあります。
これらの関節以外にも、足関節や肘関節、肩関節など、他の関節にも発生する可能性はありますが、膝や股関節、指に比べると頻度は低いとされています。
変形性関節症はどのような人に多い病気ですか?
高齢者、肥満の方、過去の外傷歴のある方、スポーツ活動や重労働などをする方に多いです。
変形性関節症は、いくつかの要因が組み合わさることで発症リスクが高まります。
最も大きな要因は加齢であり、特に50歳を過ぎた頃から発症する人が増え、高齢になるほど有病率が高くなる傾向があります。
これは、長年の関節の使用による軟骨の摩耗や、自己修復機能の低下が関係しています。
また、肥満は膝や股関節などの体重を支える関節に過剰な負荷をかけるため、軟骨のすり減りを早め、発症の重要なリスク因子となります。
過去に骨折や靭帯損傷などの関節の外傷を負ったことがある場合や、特定の関節に繰り返し強い負担がかかるような仕事(重労働)やスポーツ(長距離走、サッカーなど)を長年続けている方も、関節軟骨が傷つきやすく、発症しやすいと考えられています。
さらに、遺伝的な体質も関与するとされており、家族に変形性関節症の方がいる場合は注意が必要です。
これらの要因が複合的に影響し、変形性関節症の発症につながります。
参考文献
S Glyn-Jones DPhil et al.“Osteoarthritis”.ScienceDirect.https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0140673614608023?via%3Dihub,(参照 2025-04-30).
Dahai Yu et al.“Annual consultation incidence of osteoarthritis estimated from population-based health care data in England”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26163287/,(参照 2025-04-30).
Hunter CW, et al. J Pain Res. 2022; 15: 2683-2745.
中村 利孝ほか. 標準整形外科学 第13版. 医学書院. 2017
リウマチではない関節痛は、変形性関節症の可能性がありますか?
リウマチ以外の関節痛の原因として変形性関節症は非常に多いです。
関節痛の原因は多岐にわたりますが、関節リウマチと変形性関節症は代表的なものです。
関節リウマチは自己免疫疾患で、関節の滑膜に炎症が起こり、複数の関節が対称的に腫れて痛むことが多いです。
一方、変形性関節症は関節軟骨の摩耗や変形が原因で、特定の関節に起こることが多いです。
リウマチのような全身性の炎症症状や、朝の強いこわばりがない場合でも、関節の痛みや動きの制限があれば、変形性関節症の可能性は十分に考えられます。
正確な診断のためには医療機関の受診が必要です。
変形性関節症について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「変形性関節症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 安静にしていると痛みを感じないが、立ち上がる、歩く、階段をのぼる等の動作をすることで痛みが出て来ますか?
- 関節が動かしにくいですか?
- 膝(ひざ)が痛みますか?
- 椅子から立ち上がるときに膝は痛みますか?
- 膝のまわりを押した時に痛みを感じますか?
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この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03