五十肩はどのくらいで治る?肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
肩関節周囲炎(五十肩)とは
いわゆる「五十肩」です。肩の周りの骨や靭帯、腱などが老化して炎症を起こすことが主な原因とされます。髪を整えたり、着替える際の痛みや、夜寝ているときに強い痛み生じることがあります。
コッドマン体操とは何ですか?
肩周りの筋肉をほぐし、こわばりを改善するための体操です。
コッドマン体操とは、肩周りの筋肉をほぐすことで、こわばりを改善するための体操です。
以下、コッドマン体操の手順です。
①腰を曲げ、患部側の腕を下ろします。
②反対側の手は机や椅子などに置いてバランスをとります。
③患部側の腕をゆっくりと前後左右に振り、振り子のようにブラブラと回します。この時、肩の筋肉はリラックスさせ、腕が自重で自然に揺れるようにします。
④慣れてきたら、徐々に揺らす範囲を広くしていきます。
「肩関節周囲炎(五十肩)」とはどのような病気ですか?
肩の周りの炎症によって痛みや動きの制限が起こる病気です。40〜50歳代に多く見られます。
肩関節周囲炎(五十肩)は40〜50歳代で多く見られる病気です。肩関節の周囲の組織に炎症が起こることが原因で発症します。
特に、肩関節の動きを良くするための袋(肩峰下滑液包)や肩の関節を包む袋(関節包)などで癒着が起こると、肩の動きが悪くなり、強い痛みが生じます(拘縮または凍結肩)。
放置すると肩の拘縮が進行し、肩が上がらない、背中や腰に手を回せないなどの症状が出ます。
肩関節周囲炎(五十肩)の症状
肩関節周囲炎(五十肩)には初期症状はありますか?
肩を動かす時や寝る時などにズキズキと肩が痛みます。
多くの場合、初めに片方の肩に痛みが出ることが多いです。症状の程度はさまざまで、症状が強いと日常生活に支障をきたす場合もあります。痛みがしばらく続いた後に、動きの制限が生じます。
肩関節周囲炎(五十肩)ではどのような症状が見られますか?
肩の痛みが生じ、関節の動きが制限されます。
肩関節周囲炎(五十肩)では初めに肩の痛みが起こります。動かした時の痛みが多く、症状が強いと寝ている時に痛む場合もあります。
痛みが強くなると肩の動きに制限が生じ、棚の上のものを取る動作(肩の挙上)や服を着替える動作に制限が出ます。
痛みは数ヶ月で徐々に和らぎます。関節の硬さ(拘縮)が残りますが、これも数ヶ月の経過で徐々に改善することが多いです。
肩関節周囲炎(五十肩)の原因
肩関節周囲炎(五十肩)の原因は何ですか?
肩の周囲の組織で炎症が起こることが原因です。
肩の関節は骨や周囲の靱帯、関節包(関節を包む袋)、腱などで構成されています。
これらの組織の一部が傷んできたり、炎症が生じたりすることで、痛みや動きの制限が出てきます。また、関節の中で全体的に炎症が起こり、痛みや動きの制限が起こることもあります。運動のしすぎなどの原因がある場合もあれば、特にきっかけがなく発症する場合もあります。
なお、糖尿病や甲状腺疾患、自己免疫性疾患などの持病があると、肩関節周囲炎を発症しやすいとされています。
肩関節周囲炎(五十肩)の検査・診断
肩関節周囲炎(五十肩)のセルフチェックはできますか?
肩関節周囲炎(五十肩)の起こりやすい人の特徴を解説欄に記載します。また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に回答することでセルフチェックもできます。
肩関節周囲炎(五十肩)になりやすい人の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- 40〜50歳代
- 肩に負担のかかる仕事をしている
- 糖尿病や甲状腺疾患、自己免疫性疾患などの持病がある
なお、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めると、肩関節周囲炎(五十肩)の緊急度や関連する病気を無料でチェックできます。ぜひご活用ください。
参考文献
Hunter CW, et al. J Pain Res. 2022; 15: 2683-2745.
神野哲也ほかビジュアル実践リハ 整形外科リハビリテーション カラー写真でわかるリハの根拠と手技のコツ. 羊土社2012
公益社団法人 日本整形外科学会.“「五十肩(肩関節周囲炎)」”..https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html,(参照 2023-12-18).
Catherine H Linakerほか. Shoulder disorders and occupation. Best Pract Res Clin Rheumatol. 2015, 29, p.405-423.
肩関節周囲炎(五十肩)の治療・対処法
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)への対処法は?
痛みが始まったばかりの急性期では安静にし炎症を抑えます。急性期をすぎたら温めたりストレッチなどを開始し、肩関節の動きが固くならないように注意します。肩関節が固くなってしまうと症状が長引く傾向があります。
肩関節周囲炎(五十肩)はどのくらいで治りますか?
個人差がありますが、数ヶ月〜2年程度かかります。
肩関節周囲炎(五十肩)が治っていく経過には個人差がありますが、通常は3つの時期(凍結期、拘縮期、寛解期)に分類されます。
凍結期
痛みが強く、肩の動きが徐々に制限されます。およそ2ヶ月〜半年程度続きます。
拘縮期
徐々に痛みは和らぎますが、肩の動きの制限は続く時期です。長さの個人差が大きく、短い人で1ヶ月、長い人で1年ほど続くことがあります。
寛解期
肩の動きが徐々に戻り、痛みもほとんどなくなります。こちらも個人差は大きく、5ヶ月から2年ほどの期間をかけて症状が和らいでいきます。
このように、それぞれの時期を経て完治に至ります。トータルで早くて半年程度、長いと2年程度かかります。
肩関節周囲炎(五十肩)のリハビリでは何をしますか?
可動域訓練や筋力訓練などの運動療法を行います。また、超音波や温熱療法などの物理療法も併せて行います。
運動療法では、肩の可動域を広げるためのコッドマン体操やストレッチ、関節の安定性を高めるための筋力トレーニングなどが行われます。
また、アイスパックを用いて炎症を抑える冷却療法や、温かいタオルなどで筋肉を温めて血流を改善させる温熱療法も行います。超音波を用いた物理療法も有効です。
詳しくは「コッドマン体操とは何ですか?」もご参照ください。
肩関節周囲炎(五十肩)の場合、主にどのような治療をしますか?
痛みが強い時期はまず安静を心がけ、鎮痛剤や注射を使用します。痛みが落ち着いてきたら運動療法などを行います。
痛みが強い時期は肩を動かさないことが重要で、鎮痛剤の内服や注射を併用して炎症を軽減していきます。肩の動きの制限が起こることが多いため、痛みが落ち着いてきたら運動療法を行い、関節が硬くなること(拘縮)の予防や筋力の強化を図ります。
拘縮が強く運動療法だけでは改善しない場合には、手術を行う場合もあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
肩関節周囲炎(五十肩)が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、病院を受診する目安はありますか?
肩の痛みや動きの制限があれば整形外科を受診しましょう。
肩の痛みや動きの制限で日常生活に支障が出ている、痛みが数週間以上続いているといった場合には、早めにお近くの病院やクリニックの整形外科を受診しましょう。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の専門医がいる近くの病院はありますか?
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の専門医がいる病院を見る肩関節周囲炎(五十肩)の予防
肩関節周囲炎(五十肩)の予防法はありますか?
ストレッチや肩周りの運動をしましょう。
定期的に肩や首周りのストレッチを行い、筋肉の硬さを和らげることで肩関節への負担を軽減しましょう。また、適度に肩周りの筋肉や関節を動かして筋力を維持することも重要です。
肩関節周囲炎(五十肩)に関連するその他の質問
肩関節周囲炎(五十肩)に手のしびれはありますか?
しびれは肩関節周囲炎(五十肩)の一般的な症状ではなく、他の病気の可能性もあります。
肩関節周囲炎(五十肩)の一般的な症状は、痛みと運動制限です。手にしびれがある場合には、例えば胸郭出口症候群や頚椎症性神経根症などの他の病気の可能性が考えられます。
手のしびれを伴う場合には、整形外科の診察の際にお伝えください。
肩関節周囲炎(五十肩)の場合、注射をしますか?
炎症を抑えるために、ステロイドを注射する場合があります。
ステロイドという炎症を抑える薬を関節内に注射することで、痛みの改善や可動域の改善を図ることがあります。
ただし、ステロイドの注射は病気になってまもない時期に強い痛みを緩和するためや、運動療法を始める時期に痛みで肩が動かしにくい場合などの一時的な手段として用いられます。
肩関節周囲炎(五十肩)にストレッチは効きますか?
ストレッチなどの運動療法は有効です。
肩関節周囲炎では、肩を包む袋(関節包)で炎症が起こって関節が硬くなる(拘縮)ことが多いです。これによって、動きが制限されて痛みが生じます。ストレッチなどの運動療法は、関節の柔軟性を高め、拘縮を改善する効果が期待できます。
ただし、痛みが強い時期にストレッチをしすぎると、かえって炎症が強くなってしまう場合があるため、痛みがある程度落ち着いてきたら徐々に行うことが重要です。
肩関節周囲炎(五十肩)について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 肩が痛みますか?
- 腕・肩を動かしたときに痛みが悪化しますか?
- 筋肉痛はありますか?
- 関節が痛みますか?
- 関節が動かしにくいですか?
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この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03