脊髄腫瘍

監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科

更新日
2024/04/05
公開日
2020/09/03

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脊髄腫瘍とは

背骨や脊髄に生じた腫瘍のことで、その場所で生じた場合と他の場所から転移してきた場合があります。腫瘍が出来た場所によって痛みやしびれの範囲といった症状がことなります。

「脊髄腫瘍」とはどのような病気ですか?

脊髄腫瘍とは、脊髄と呼ばれる脳から腰へつながる太い神経の束のまわりにできた腫瘍のことで、比較的まれな病気です。

腫瘍とは、遺伝子の変異などによって増え続ける細胞の塊です。増え方や広がり方で悪性や良性に分類されます。
脊髄腫瘍とは、脊髄と呼ばれる脳から腰へつながる太い神経の束のまわりにできた腫瘍のことです。脊髄は脳と同様に中枢神経に分類され、傷がつくと再生しにくいという特徴があります。
脊髄は硬膜という膜に外側を囲まれ、髄液に浸っています。
腫瘍ができた部位により硬膜外腫瘍(硬膜の外にできた腫瘍)、硬膜内髄外腫瘍(硬膜と脊髄の間にできた腫瘍)、髄内腫瘍(脊髄の中にできた腫瘍)と区別されます。場所によってどのような腫瘍が出来やすいか、良性か悪性かどちらの可能性が高いかなどが分かります。
腫瘍により神経が圧迫されると、手足のしびれや筋力低下、手を使った細かい作業がしにくい、歩きにくい、尿や便が出にくいといった症状がみられることがあります。腫瘍の種類や大きさ、症状によって治療の方針を検討し、手術や放射線療法、化学療法が必要となる場合があります。
脊髄腫瘍とはどんな病気かを説明する図です

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脊髄腫瘍の症状

脊髄腫瘍には初期症状はありますか?

患者さんの多くは背中や腰の痛みと、足のしびれを感じることが多いです。

この病気では、腫瘍ができる位置によって症状が異なります。 初期症状として多くは痛みと痺れを訴える方が多いです。 一般的には、以下のような症状があらわれます。

首、背中、腰の痛み

腫瘍ができた部位のまわりに痛みを感じることがあります。

手足のしびれや痛み

手足につながる神経が傷つき、しびれや痛みを感じます。手の症状が見られる場合には首の腫瘍の可能性が高いです。

運動障害である動かしにくさや麻痺

手足の筋力が部分的に低下することから始まる場合が多いです。広い範囲で神経が圧迫を受けると、指先を用いた細かい作業がしにくくなる、スムーズに歩けない・つまずきやすいなどの歩行障害が見られることもあります。

脊髄腫瘍はゆっくり大きくなる場合も多く、これらの症状が出にくい、気が付きにくい場合もあります。

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脊髄腫瘍ではどのような症状がありますか?

首、腰など背骨のまわりの痛みや、手足の痛みやしびれ、動かしにくさといった症状があります。

腫瘍により脊髄が圧迫されると、圧迫される神経の部位や大きさによってさまざまな症状があらわれます。病気の進行は基本的にはゆっくりです。しかし、腫瘍やその周囲に出血を伴う場合は神経の圧迫が急速に進みます。あらわれる可能性のある症状は以下の通りです。

痛み

首や背中、腰といった背骨のまわりの痛み、手足の痛みなどがあります。背骨にも腫瘍が転移している場合には、骨折を起こし急激に痛みが強まることがあります。

感覚の障害

手足のしびれ、冷たさや温かさを感じにくいなどがあります。

運動の障害

手足の筋力低下、脱力など。指先を用いた細かい作業がしにくくなる、スムーズに歩けない・つまずきやすいなどの歩行障害が見られることもあります。

排尿や排便の障害、勃起障害など

腫瘍がかなり大きくなるとあらわれる場合があります。

上記の症状のうち、手や腕の症状がある場合には首の腫瘍の可能性が高くなります。

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脊髄腫瘍の原因

脊髄腫瘍の原因は何がありますか?

脊髄腫瘍の多くで原因ははっきりとは分かっていません。

脊髄腫瘍の詳しい発症原因は分かっていません。
脊髄腫瘍は良性のものと、悪性のものがありますが、どちらも原因がはっきりとわかっているわけではありません。転移してきた腫瘍をのぞけば、発生頻度が1万〜10万人に1人程度のまれな病気であり、発症の明確な要因など詳しくはわかっていないことが多い病気です。
一方で、脊髄のまわりのどこに出来たかによって、どのような腫瘍で良性か悪性かどちらの可能性が高いかなどが分かります。

硬膜外腫瘍

硬膜の外に出来た腫瘍です。ほかの臓器から転移してきた悪性の腫瘍である場合が多いです。

硬膜内髄外腫瘍

硬膜と脊髄の間にできた腫瘍です。脊髄そのものから発生した腫瘍としては、一番頻度が高いものです。良性の腫瘍が多く、神経鞘腫(神経が分岐する根本から発生した腫瘍)や髄膜種(脊髄のまわりの膜から発生した腫瘍)などが代表的です。

髄内腫瘍

脊髄の中にできた腫瘍です。頻度は高くはありませんが、出来てしまうと脊髄の障害による症状が起こりやすく、手術が必要になる場合も多いという特徴があります。

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脊髄腫瘍の検査・診断

脊髄腫瘍のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

脊髄腫瘍と似ている症状を起こす病気は多くあります。まずは診断を受けることが重要です。
また、この病気は発生部位や腫瘍の種類によって症状が分かりにくいこともあります。
以下のチェック項目を参考にして、疑わしいようであれば整形外科または脳神経外科を受診しましょう。

  • 首や背中、腰の痛みが長期間続いている
  • 手や足がしびれている
  • 手や足で、冷たいものや熱いものを触れても分からない
  • 片側だけ手や足の力が入りにくい、上手く持ち上げることができない
  • 指先を用いた細かい作業がしにくい(書字、ボタン掛け、箸の使用などで)
  • 長時間歩くと休みたくなる
  • 足がつっぱってしまい上手く歩くことができない
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脊髄腫瘍の治療・対処法

脊髄腫瘍への対処法は?

腫瘍の種類や症状の深刻度によって早急な手術を要する場合もあります。整形外科での診察を要します。

脊髄腫瘍の場合、主にどのような治療をしますか?

手術による腫瘍の摘出や、放射線治療、化学療法を行います。腫瘍の大きさや場所によって治療を選択します。

腫瘍がある部位や大きさ、浸潤(周囲に染み込んでいるか)の程度によって治療方法を検討します。
多くの場合は、手術によって摘出が可能であれば摘出手術を行います。腫瘍を取り除くことで神経の損傷を防ぎ、神経の機能を回復させるだけではなく、摘出した腫瘍を検査することで初めて最終的な診断が得られるためです。ただし、脊髄を損傷すると重大な神経損傷をおこす場合もあるため、腫瘍と脊髄の境界がわかりにくくなっている場合は、完全な摘出が困難になります。
完全な摘出が困難であった場合、腫瘍の種類によっては追加で放射線治療や化学療法(薬による治療)を選択します。また、高齢であったり他の持病により手術に耐えられない可能性がある場合には放射線治療、化学療法のみを行う場合もあります。
神経の損傷の程度によっては、手術後もすぐには神経の機能が回復しない場合もあります。この場合は、手術後のリハビリが重要となります。

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受診の目安・何科を受診するべきか

脊髄腫瘍が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?

続く首腰の痛み、手足のしびれがあれば整形外科や脳外科を受診しましょう。専門治療は脊椎外科で行います。

整形外科や脳神経外科を受診してください。
脊髄腫瘍は比較的まれな病気であること、手術には高度な専門性を要することから、整形外科や脳外科のなかでも脊椎外科の専門医に紹介を受ける場合が多いです。ただし、他の病気の可能性も多くあるため、まずは正確な診断をうけることが重要です。以下のような症状があれば受診を検討しましょう。

  • 長く続く首や腰、背中の痛み
  • 手足のしびれ
  • 感覚障害(触れている感じがわからない、冷たい、温かいがわからない、感じにくい)
  • 運動障害(手の動かしにくさ、歩きにくさ)
  • 上記に加わった尿や便の失禁、勃起不全など
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脊髄腫瘍の専門医がいる近くの病院はありますか?

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脊髄腫瘍の経過・予後

脊髄腫瘍の余命はどのくらいですか?

一概には言えませんが、一般に良性か悪性かで余命は異なります。脊髄腫瘍の約70%は良性腫瘍です。

脊髄腫瘍の余命については、一概には言えません。
脊髄腫瘍にはさまざまな種類があり、それぞれの腫瘍の性質(良性か悪性か)、大きさ、位置、成長の速さ、患者さんの年齢や全体的な健康状態など、多くの要因によって予後(病気や治療の経過・結末についての見通し)が大きく異なります。
一般に良性の脊髄腫瘍の場合、適切な治療を受けることで、長期間にわたって生存することが可能です。手術によって完全に腫瘍を取り除くことができれば、再発のリスクを減らし、機能の回復も期待できます。
一方、悪性の脊髄腫瘍の場合、予後は一般的に良性の腫瘍よりも不良です。それでも悪性脊髄腫瘍の余命は数ヶ月から数年と幅があり、患者さんの状況によって異なります。ここで、寿命が短くなる場合と寿命が長くなる場合では、以下のような要因が考えられます。

寿命が短くなる場合

  • 手術適応がない(とくに浸潤している腫瘍)
  • 進行の早いタイプの腫瘍
  • 全身状態が悪い場合
  • この病気が原発ではなく他の臓器から転移した場合

寿命が長くなる場合

  • 進行が遅い腫瘍
  • 手術で腫瘍を取り切ることができた場合
  • 放射線治療や化学治療も合わせ、治療が成功した場合
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脊髄腫瘍に関連するその他の質問

脊髄腫瘍になると歩けなくなりますか?

腫瘍で神経が広範囲に圧迫されると歩けなくなる場合があります。

はい、脊髄腫瘍により神経が圧迫されると歩けなくなる可能性があります。ただし、一般的には広い範囲で圧迫されなければ全く歩けなくなることはありません。
全く歩けなくなるほどの神経への圧迫が急に起こった場合には、腫瘍からの出血や腫瘍による背骨の骨折の可能性を考える必要があります。この場合、血の塊(=血種)や骨の変形による神経の圧迫が原因となるため、血種の除去や骨折部の手術を行う必要があります。脊髄は、一度損傷されると回復がほとんど期待できない場合もあり、特に早く対応することが重要です。
腫瘍によっては段々と大きくなり続けるため、最初は手足のしびれや痛みが軽いものであっても、月日とともに歩きづらさが悪化していく場合があります。長時間歩くと休みたくなる、足がつっぱってしまい歩きにくい、よくつまずいてしまうなどの症状があれば治療が必要な場合があります。
脊髄は圧迫されている期間が長いほど、回復に時間がかかるため、早めに受診するようにしましょう。

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脊髄腫瘍について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「脊髄腫瘍」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 背中が痛みますか?
  • 1年以内に何らかのがんと診断されていますか?
  • 何らかのがんと診断されてから5年以上経過していますか?
  • 手足以外の部位にしびれがありますか?
  • これまでに【悪性腫瘍(がん)】と診断されたことはありますか?

脊髄腫瘍に関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

全身が痛む
症状の程度
違和感がある
症状の頻度
ほぼ毎日同じような症状がある
自覚した時期
1日以内
胴体にしびれがある
症状の頻度
初めてのことである
ゼーゼー・ヒューヒューする呼吸音がある
症状の頻度
初めての症状である
自覚した時期
3週間以上前から
症状の経過
悪化している

最新のガイドライン・医療水準を取り込んだデータベースを元に関連する病気・症状を表示しています。

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この記事の監修医師

監修医師 濱畑 智弘

濱畑 智弘 先生

山田記念病院 整形外科

慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。

更新日
2024/04/05
公開日
2020/09/03