低身長症ではどのような症状がありますか？

低身長症の定義は、身長が同性同年齢の平均身長の-2SDを下回ることです。
ご家庭での判断の目安は以下のとおりです。

• ①身長が低い：母子手帳の成長曲線の標準範囲を大きく下回る
• ②成長速度が遅れる：特定の時期から身長の伸びが母子手帳の成長曲線から下方に外れる

原因は多岐にわたるため、背景にある病気によって併存する症状はさまざまです。

【内分泌の病気】

成長ホルモン分泌不全症

乳児期の低血糖、遷延する黄疸、新生児仮死

甲状腺機能低下症

詳しくは「甲状腺機能低下症」ページをご参照ください。

思春期早発症

• ＜男児＞10歳未満で陰毛発生、11歳未満で腋毛や髭の発生、声変わり
• ＜女児＞7歳半未満で乳房発育、8歳未満で陰毛発生、10歳半未満で初経

クッシング症候群（Cushing症候群）

満月様顔貌、体幹を中心とした肥満、筋力低下
詳しくは「クッシング症候群」ページもご参照ください。

これら内分泌疾患の原因の5〜10%に脳腫瘍による下垂体機能低下症が存在することがあります。その場合、頭痛や嘔吐、視覚障害などを伴うことがあります。
また、頭蓋内への放射線照射、頭部外傷や中枢神経感染症もリスク因子です。

【骨・軟骨の異常】

軟骨無形成症・軟骨低形成症など

頭が相対的に大きい、前額部や下顎の突出、鼻根部の陥没、手足のバランスの異常（手足が短いなど）

【低出生体重児に関連したもの】

SGA（Small-for-gestational age）性低身長症

子宮内発育不全のため、生まれた時から小さい

染色体異常や奇形症候群、慢性疾患（慢性腎不全、消化器疾患、先天性心疾患、アトピー性皮膚炎）が背景にある場合、それぞれの病気に特徴的な症状が出ます。