単純型熱性けいれんと複雑型熱性けいれんの違いを教えてください。
単純型は短時間で全身性、複雑型は長時間・反復・片側性のけいれんです。
単純型と複雑型の違いは、けいれんの持続時間・回数・左右対称性の有無にあります。
熱性けいれんは臨床的特徴により単純型と複雑型に分類され、この分類は今後の再発率やてんかんへの移行リスクの評価に重要です。
単純型は、
- 15分以内の持続時間
- 24時間以内に1回のみ
- 全身性かつ左右対称のけいれん
の3項目すべてを満たすものを指します。
熱性けいれん全体の約8割を占め、後遺症や神経学的異常はなく、予後は極めて良好です。てんかんへの移行リスクも2〜4%と非常に低いとされています。
一方複雑型は、
- 15分以上続く
- 24時間以内に2回以上繰り返す
- 片側性・部分的なけいれん
のいずれかを満たすものを指します。
頻度は少ないものの、てんかんの発症リスクは高く、発作の特徴が1つあれば約6〜8%、2つあれば約17〜22%、3つあれば最大で約50%に達すると報告されています。
複雑型であっても予後はほとんどが良好で、長期的な神経・認知機能の発達に有意な障害は認められていません。
ただし、持続性の意識障害や局所神経所見を伴う場合には、細菌性髄膜炎や急性脳症などの重篤な疾患を鑑別するため、より慎重な評価が必要です。
発作後の死亡リスクは一般集団と比べてわずかに高いとされていますが、多くは基礎に神経疾患を有している症例に限られます。
再発率は単純型と同程度で、約3分の1の小児が再度熱性けいれんを経験します。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
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