熱性けいれんを起こしやすい子の特徴は?熱性けいれん
監修医師村橋 睦了東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 血液内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
熱性けいれんとは
6ヶ月から5歳頃の小児で、急な発熱とともに意識を失ってけいれん(ひきつけ)を引き起こす病気です。繰り返すこともありますが、成長に伴い頻度は減っていきます。ほとんどの場合に経過は良好ですが、一部がてんかんに移行するとも言われています。
けいれん熱とはなんですか?
熱性けいれんは、主に6ヶ月~6歳の子どもに発熱で起こる一時的なけいれん発作で、多くは予後良好です。
熱性けいれんは、主に生後6ヶ月から6歳までの子どもにみられる、発熱に伴うけいれん発作のことです。
髄膜炎などの感染症や代謝異常、てんかんの既往など、脳や神経に発作の原因となる異常がないものを指します。
熱性けいれんは、小児のけいれん発作の中で最も頻度が高く、日本では約3~9%の子どもで起こるとされています。
生涯を通じて一度きりのこともあれば、繰り返すこともあり、再発率は約30%ですが、通常は年齢を重ねるにつれて頻度は減っていきます。
熱性けいれんは一般的に以下の2種類に分類され、特に単純型の場合には一般的に予後良好です。
1.単純型熱性けいれん
- 1回の発作が15分未満で収まる
- 24時間以内に繰り返さない
- 全身性(全身がけいれんする)
2.複雑型熱性けいれん
- 発作が15分以上続く
- 24時間以内に複数回発生する
- 部分的なけいれん(例:片側の手や足だけがけいれんする)
「熱性けいれん」とはどのような病気ですか?
熱性けいれんは、主に6ヶ月~6歳の子どもに発熱で起こる一時的なけいれん発作で、多くは予後良好です。
熱性けいれんは、主に生後6ヶ月から6歳までの子どもにみられる、発熱に伴うけいれん発作のことです。
髄膜炎などの感染症や代謝異常、てんかんの既往など、脳や神経に発作の原因となる異常がないものを指します。
熱性けいれんは、小児のけいれん発作の中で最も頻度が高く、日本では約3~9%の子どもで起こるとされています。
生涯を通じて一度きりのこともあれば、繰り返すこともあり、再発率は約30%ですが、通常は年齢を重ねるにつれて頻度は減っていきます。
熱性けいれんは一般的に以下の2種類に分類され、特に単純型の場合には一般的に予後良好です。
1.単純型熱性けいれん
- 1回の発作が15分未満で収まる
- 24時間以内に繰り返さない
- 全身性(全身がけいれんする)
2.複雑型熱性けいれん
- 発作が15分以上続く
- 24時間以内に複数回発生する
- 部分的なけいれん(例:片側の手や足だけがけいれんする)
熱性けいれんの症状
熱性けいれんには初期症状はありますか?
熱性けいれんには特異的な初期症状はありません。
熱性けいれんには、特異的な初期症状はありません。
熱性けいれんは、通常は熱が出始めてから24時間以内(発熱初日)、39℃以上の高熱時に起こり、特に熱の上がり際に多く見られます。
したがって、急激な体温上昇時、高熱が出て24時間以内には注意が必要ですが、けいれんして初めて発熱に気がづかれる場合も少なくありません。
熱性けいれんではどのような症状がありますか?
熱性けいれんは、発熱中に全身や手足のけいれんや意識消失を伴い、多くは5分以内で収まります。
熱性けいれんは、通常は熱が出始めてから24時間以内(発熱初日)、特に熱の上がり際に多くみられます。
主に以下のような症状が現れます。
- 手足や全身のけいれん
- 意識消失(気絶)
- 不規則な呼吸
- 顔面や唇の色が蒼白になる(チアノーゼ)
- 口から泡を吹く
- 眼球が上を向いたり、一点を凝視したりする
- 体が硬直したり、脱力したりする
- 失禁
けいれんの多くは5分以内に自然に治まります。発作終了後、通常は意識が回復しますが、眠気、不機嫌、混乱した状態が続くことがあります。
また、発作後に一時的な麻痺 (トッド麻痺)が生じることがあります。
熱性けいれんの原因
熱性けいれんの原因は何がありますか?
熱性けいれんの原因は、ウイルス感染による発熱や体温の急上昇、遺伝的要因などが挙げられます。
熱性けいれんは主に体温の急激な上昇や、通常38℃を超える高熱によって引き起こされます。正確なメカニズムは完全には解明されていません。
熱性けいれんを引き起こす発熱の最も一般的な原因は、
など、ウイルス感染です。
頻度は低いものの、細菌感染によって引き起こされる場合もあります。
また、遺伝的要因も指摘されています。例えば、熱性けいれんを起こす人の割合は国によって異なり、日本は欧米よりも、熱性けいれんを起こす子どもの割合が高いとされています。
このような地域による有病率の違いには、遺伝学的な背景があると考えられます。
また、両親や兄弟に熱性けいれんの既往がある子どもでは、熱性けいれんを起こすリスクが高くなります。
熱性けいれんの検査・診断
熱性けいれんのセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
熱性けいれんは発熱に伴い、突然起こるため、発作そのものを予測することは困難です。
一方で、熱性けいれんを診療する上では、発作の内容や持続時間の情報が非常に重要であり、発作が起こった際に記録を残すことで、受診時に役立てることができます。
以下のような方法で、セルフチェックを行うことが可能です。
- けいれんの持続時間を計測する
- けいれんの種類(全身か部分的か、左右対称か非対称か)や動きの特徴(手足の動き、目の様子など)を確認する
- 顔色や呼吸の様子を観察する
- 発作前後の意識状態を観察し、ぐったりしているかなどを記録する
- 体温を測定する
携帯電話の録画機能などを利用することも、医療従事者とけいれんの状況を共有するのに有用です。
熱性けいれん自体が、生命の危機を招くことはほとんどありませんが、適切な判断が必要です。
発作が5分以上続く場合や意識の回復が悪い場合には、速やかに救急車を呼んでください。また、初めての発作の場合は必ず医療機関を受診してください。
セルフチェックは状況を把握するための補助であり、診断や治療を行うものではありません。異常があれば、速やかに医師に相談しましょう。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、熱性けいれんかどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
熱性けいれんの治療・対処法
熱性けいれんへの対処法は?
診断が確かであれば様子を見ることでやり過ごせますが、同じような症状を来すものに髄膜炎や脳炎などの病気もあります。まずは医療機関を受診し、判断を仰ぎます。熱性けいれんであれば反復することがあるので、対処方法を確認しておきます。
熱性けいれんの入院基準について教えてください。
けいれんが長時間続いたり繰り返す場合、中枢神経感染症が疑われる場合は入院が必要です。
けいれんが長時間続いたり繰り返す場合、意識がしっかりと回復しない場合、原因として中枢神経感染症が疑われる場合などには入院が必要です。
熱性けいれんの入院基準は、発作の長さや発作後の状態、考えられる原因などによって決まります。
熱性けいれんの多くは一過性で予後良好なため、入院が必ず必要というわけではありません。しかし、次のような場合には検査や経過観察のために入院が推奨されます。
1. 複雑型熱性けいれん
以下のいずれかを満たす場合は「複雑型」とされ、入院や追加検査の対象になります。
- けいれんが15分以上続いた
- 24時間以内に2回以上けいれんを繰り返した
- 体の一部分のみのけいれんや、左右非対称のけいれん(片側のみ)
- 発作後に神経学的な異常(麻痺、意識障害など)がある
2. 発熱の原因が不明、または重症感染症が疑われる場合
- 髄膜炎や脳炎など、中枢神経感染症の除外が必要なとき
- 呼吸状態や全身状態が不良なとき
- 生後6か月未満のけいれん
上記以外にも、保護者がけいれんの対処法に強い不安を感じている場合、医療機関から遠方で緊急対応が難しい場合などにも入院が考慮されます。入院基準は病院によって異なるため、医師の指示に従いましょう。
熱性けいれんの場合、主にどのような治療をしますか?
数分以内に自然に治まる場合に特別な治療は必要ありません。長時間の発作時は抗けいれん薬を使用します。
基本的には以下のような対応が取られます。
1. 急性期の対応
- 発作が5分未満で治まり、その後の意識の回復がよい(呼びかけに反応する、視線が合う、指示に従ったり会話ができる)場合
特別な治療を必要としないことがほとんどです。落ち着いて医療機関を受診してください。
けいれんが治まったようにみえても、意識の回復が悪い場合、顔色や呼吸状態が悪い場合、一度止まったけいれんを再び繰り返すなどの場合には、すぐに救急車を呼んでください。
- 発作が5分以上続く場合
すぐに救急車を呼んでください。長時間の発作は重積発作(てんかん重積状態)と呼ばれ、迅速な治療が必要です。
医療機関で抗けいれん薬の投与を行います。治療に反応せずけいれんが止まらない場合や、抗てんかん薬により無呼吸をきたした場合には、気管挿管が必要になることもあります。
2. 発作後の対応
解熱薬(アセトアミノフェンなど)を使用し、体温を適切にコントロールします。
また、発熱の原因を評価し、必要に応じて治療を行います。発作の程度や発作後の意識状態によって、入院や精密検査が必要になる場合があります。
3. 再発予防
発作が15分以上であった場合や、熱性けいれんの再発リスクが高いと判断された場合などに、発熱時に座薬タイプのジアゼパムを家庭で使用する指導が行われることがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
熱性けいれんが疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
熱性けいれんでは発作が5分以上続く場合や初回発作、意識が戻らない場合などは速やかに受診してください。
熱性けいれんが疑われる場合、以下の状況では病院を受診することが推奨されます。
- 発作の時間が5分以上続く場合
発作が長引く場合は重積発作(長時間のけいれん)の可能性があるので、速やかに救急車を呼んで病院を受診してください。
- 発作後に意識が戻らない場合
発作が治まったあとも意識が戻らない、または極端にぐったりしている場合は緊急受診が必要です。
- 初めての発作の場合
初回の熱性けいれんでは、脳の異常や他の病気との区別が必要なため、必ず病院で診察を受けてください。
- 典型的な発作(単純型熱性けいれん)ではない場合
片側の手足だけがけいれんする、発作が1日に複数回起こる場合は、複雑型熱性けいれんの可能性があるため、速やかに受診が必要です。
- 他の症状を伴う場合
高熱以外に嘔吐、激しい頭痛、発疹などの症状がある場合、髄膜炎や他の感染症の可能性もあるので受診を推奨します。
- 再発が多い場合
繰り返し発作を起こす場合は、再発予防のための対応や、専門的な検査が必要です。
熱性けいれんが疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
小児科を受診しましょう。発作が続く場合には救急車を呼んでください。
小児科は熱性けいれんを含む、子どもの発熱やけいれんに関する診断・治療を行う専門科です。
熱性けいれんで大事なことは、髄膜炎、急性脳症など、熱性けいれん以外の重い病気と熱性けいれんを区別することです。
特に初めての熱性けいれんでは、短時間で自然にけいれん発作が治まったあとも、小児科医の診察を受けたほうがよいでしょう。
けいれんの原因となった発熱、感染症の診断・管理のためにも、小児科を受診しましょう。
また、発作が5分以上続く場合や意識の回復が悪い場合、顔色や呼吸状態が悪い場合、一度止まったけいれんを再び繰り返すなどの場合には、すぐに救急車を呼んでください。
抗けいれん薬による発作の鎮静や必要に応じた検査が行われます。
熱性けいれんの専門医がいる近くの病院はありますか?
熱性けいれんの専門医がいる病院を見る熱性けいれんの薬
熱性けいれんは主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
熱性けいれんはジアゼパムやミダゾラムで治療し、副作用に眠気や呼吸抑制があります。
熱性けいれんの治療では、発作を止める薬剤や再発予防のための薬が用いられます。
以下に主な薬とその副作用を記します。
1. 急性期治療薬
いずれもけいれんを抑える効果があります。また、副作用として傾眠、めまい、呼吸抑制などがあります。
- ロラゼパム(静注)
- ジアゼパム(静注)
- ミダゾラム(静注あるいは口腔内投与)
ミダゾラムの口腔内投与は、点滴の確保に時間がかかる場合に有用です。
2. 予防薬
ジアゼパム座薬が、高熱時の熱性けいれん再発予防として使用されます。
特に再発リスクや重積(けいれんが長時間続く)リスクが高いと判断された場合に、医師の指示で用いられます。
- 副作用: 眠気やふらつき
薬の使用は、医師の指示のもとで適切なタイミングと用量を守ることが重要です。副作用が出た場合は、速やかに医師に相談してください。
なお、多くの熱性けいれんは自然に収まるため、薬剤の使用が必須でない場合もあります。
対処法・セルフケア
熱性けいれんの対処法を教えてください。
安全確保と経過観察が基本です。長引く発作では救急受診が必要です。
熱性けいれんが起きたときは、慌てずに安全を確保し、落ち着いて見守ることが最も大切です。
熱性けいれんの多くは数分以内に自然におさまり、後遺症を残すことはありません。ただし、いくつかの注意点と受診の目安を押さえておくことが重要です。
【熱性けいれんが起きたときの対処法】
1. 安全な場所で横向きに寝かせる(回復体位)
- 嘔吐しても窒息しないように、顔を横に向けて寝かせる
- 服を緩め、呼吸しやすくする
- 転倒や頭をぶつけないように周囲を片付ける
- 口に物を入れない
- 抑えつけない、揺さぶらない
2. 観察する
- けいれんの様子(左右差の有無、目の動き、時間)を観察する
- スマートフォンの動画撮影も役立つ
- けいれんがおさまったら、呼吸が正常に戻ったか、意識が回復したかを確認する
初めてのけいれんの場合は、たとえ短くても受診をおすすめします。また、以下のような場合はすぐに救急車を呼びましょう。
- けいれんが5分以上続く
- けいれんが左右非対称、または1日に2回以上起こる
- 意識がなかなか戻らない
- 呼吸が苦しそう、顔色が悪い、唇が紫色
- 生後6か月未満、または5歳を超えて初めてのけいれん
再発予防のため、発熱時にけいれん予防薬(ダイアップ坐剤など)を使用する場合もあります。医師の指示に従いましょう。
熱性けいれんの場合、日常生活で気をつけることはありますか?
特別な制限はありません。発熱時には体温管理と注意深い観察を行い、発作時対応を確認しておきましょう。
熱性けいれんを起こしたとしても、日常生活において特別な予防措置を講じる必要は通常ありません。
熱性けいれんは通常、予後良好であり、子どもの活動を過度に制限しないことも大切です。
留意すべき点としては、以下の通りです。
1.発熱時の対応
特に生後6ヶ月から6歳までの子供は熱性けいれんを起こしやすい年齢層であり、注意が必要です。
発作中の事故や怪我に備え、発熱時は目の届く範囲で見守ることが大切です。
発熱時の解熱剤(アセトアミノフェンなど)の使用による熱性けいれんの予防効果は示されていませんが、発熱や不快感を軽減することはできます。
2.発作への備え
適切な応急処置の方法を身につけましょう。けいれんが起こったら、怪我をしないよう周辺環境に注意し、まずは安全な場所に寝かせます。
けいれん中に嘔吐をすると窒息する恐れがあるため、吐物を吸い込まないように、体を横に向けた姿勢にします。
けいれん中に体を押さえつけたり、口の中に手や物を入れたりすることは、かえって悪影響であるため控えましょう。
また、発作が5分以上続く場合や初めての発作の場合など、すぐに医師の診察を受ける必要がある場合を把握しておくことも重要です。
家族歴や病歴、発作の内容に応じて、ジアゼパム座薬などのけいれん予防薬を処方されている場合は、医師の指示に従ってください。
熱性けいれんで薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
けいれんを止めるための追加治療や呼吸のサポート、診断の見直しが行われます。
医療機関にて初期治療薬としてロラゼパム、ジアゼパム、ミダゾラムなどを投与してもけいれんが治まらない場合には、さらに追加の抗けいれん薬(ミダゾラム、フェノバルビタール、ホスフェニトイン等)による治療が図られます。
発作が長時間続き、意識が戻らない、呼吸状態が悪化する、あるいは抗けいれん薬の影響で呼吸が抑制される場合には、気管挿管が必要になる場合があります。
また、薬が効かない場合、熱性けいれんではなく他の病気(てんかん、髄膜炎、脳炎など)の可能性も考慮されます。
血液検査、髄液検査、画像検査(CT、MRI)等を通じて原因を特定します。
熱性けいれんに関連するその他の質問
子供の発熱で心拍数が早い場合、熱性けいれんは起こりますか?
心拍数が速いだけでは熱性けいれんの直接の原因にはなりません。
子どもの発熱時に心拍数が速くなることはよくある生理的な反応であり、心拍数が早いだけで熱性けいれんは起こりません。
発熱時には、体温上昇に伴い代謝の活発化、交感神経系の活性化により、自然に心拍数が増加します。
一般的に、体温が1℃上がるごとに心拍数は10〜20回/分程度増えるとされています。
これは一時的な生理的反応であり、心拍数が速いだけでは熱性けいれんの危険性を判断することはできません。
発熱が高く急激に上がるような感染症(インフルエンザ、突発性発疹など)では、けいれんを起こしやすい傾向はありますが、心拍数の増加はあくまで発熱の一徴候であり、けいれんの直接の引き金ではないということです。
ただし、以下のような症状がみられる場合には注意が必要です。
このような場合には、熱性けいれんに限らず、心臓や脳の異常の可能性もあるため、すぐに受診してください。
熱性けいれんでチアノーゼになりますか?
熱性けいれん中にチアノーゼが出ることはあり、多くは一時的です。
熱性けいれんの発作中にはチアノーゼ(皮膚や唇が紫色になること)がみられることがあります。
これは、けいれんによって一時的に呼吸が止まったり、不規則になったりするために、体内の酸素が不足することで起こります。
特に全身の筋肉が突っ張る「強直性けいれん」や、ガクガクとけいれんする「間代性けいれん」では、呼吸筋(呼吸をするための筋肉)の動きも制限されるため、唇や顔が紫がかって見えることがあります。
これはけいれん発作中に一時的に起こる生理的な反応であり、多くはけいれんが治まれば自然に回復します。
ただし、以下のような場合はただちに救急受診が必要です。
- けいれんが5分以上続く
- チアノーゼがけいれん後も持続する
- 意識が戻らない、呼びかけに反応しない
- 唇が真っ青で呼吸が浅い・苦しそう
- 初めてのけいれんである
チアノーゼが出ても、けいれんが短時間で収まり、呼吸が回復し、顔色も改善すれば大きな後遺症は残らないことがほとんどです。
しかし、初めての場合や様子に不安がある場合は、念のため医療機関を受診しましょう。
参考文献
日本小児神経学会.“熱性けいれん診療ガイドライン2023”..https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00763.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-07-15).
ELSEVIER JAPAN. Online eBook Library: Nelson Textbook of Pediatrics,21st ed.. 南江堂. 2021
1歳が高熱でビクッとなる場合、熱性けいれんですか?
「ビクッ」が一瞬だけで意識も正常なら、熱性けいれんではない可能性が高いです。
高熱時にみられるビクッとする動きは熱性けいれんの可能性がありますが、すべてがそうとは限りません。
1歳の子どもが高熱時に「ビクッ」とする動きを見せた場合、それが熱性けいれんの一部かどうかは、動きの持続時間や様子、意識の有無などの詳細によって判断します。
熱性けいれんとは、通常38℃以上の発熱をきっかけに起こる一過性のけいれん発作で、特に6か月~5歳の子どもに多くみられます。
典型的には以下のような特徴があります。
- 発熱が始まってから24時間以内に起こる
- 全身または左右対称に手足が突っ張る、ガクガクする
- 数十秒〜数分続く
- 発作中は意識がなく、目が上を向いたり、白目をむくことがある
- 発作後には眠気や倦怠感がみられることが多い
「ビクッ」と一瞬だけ体が反応する程度で、意識がはっきりしており、すぐに元に戻る場合は、単なる筋肉の反射的な動きや、熱による不快感、寒気に対する反応のこともあります。
こうした動きは、熱性けいれんとは異なる生理的な反応であり、けいれん発作とまでは言えないことが多いです。
ただし、「ビクッ」とする動きが何度も繰り返されたり、意識が一時的におかしい、目線が合わない、動きがぎこちない、など気になる点があれば、小児科の受診がすすめられます。必要に応じて脳波検査や診察によって評価されます。
熱性けいれんを24時間以内に2回以上繰り返す場合、どうすればいいですか?
24時間以内に2回以上熱性けいれんが起きたら、すぐに医療機関を受診してください。
熱性けいれんを24時間以内に2回以上繰り返す場合は、救急受診が必要です。
24時間以内に2回以上繰り返す熱性けいれんは「複雑型熱性けいれん」に分類され、一般的な単純型熱性けいれん(1回のみ、短時間)よりも注意が必要です。
以下のような場合は、複雑型熱性けいれんとして、すぐに医療機関を受診する必要があります。
- 発作が5分以上続く
- 意識がなかなか戻らない
- 左右非対称なけいれん
- 24時間以内に2回以上のけいれん
複雑型熱性けいれんは、単純型熱性けいれんよりも深刻な原因や合併症を伴う可能性が高くなります。
長時間のけいれん・繰り返すけいれんは脳にダメージを与え、後遺症をきたす危険性があります。
また、脳炎や髄膜炎などの重い病気が隠れている可能性があるため、医師による診察、必要に応じて血液検査、画像検査、髄液検査、脳波検査などが行われます。
発作が長く続いたり繰り返す場合には、今後の発熱時に備えて、けいれんを止める座薬(ジアゼパム坐薬)を自宅に備えておくことが提案されることがあります。
また、発熱の早い段階で解熱剤を使う、けいれんが起きた際の対応法を家族で共有するなどの対策が必要です。
長時間のけいれんを止め、背景にある生命を脅かす病気の有無を調べ、適切なケアを受けるために、直ちに医師の診察を受けるようにしましょう。
熱性けいれんとてんかんの違いを教えてください。
熱性けいれんは発熱が原因の一時的な発作であり、てんかんは慢性の脳の病気です。
熱性けいれんは一時的な発熱によるけいれんであり、てんかんは慢性的な脳の病気です。
熱性けいれんとてんかんは、いずれも「けいれん発作(ひきつけ)」を起こしますが、その原因や経過には大きな違いがあります。
熱性けいれんは、主に生後6か月~5歳くらいの子どもが、発熱に伴って一時的に起こすけいれんです。
38度以上の高熱が出始めたときに、体が突っ張ったりガクガク震えたりする発作が数分間続きますが、多くは数分以内に自然におさまります。
短時間で発作がおさまった場合には後遺症は残らず、治療も特に必要ないことがほとんどです。
発熱がきっかけであることが特徴です。髄膜炎などの感染症、代謝異常症、その他の明らかな発作の原因がないものを指します。
一方、てんかんは、脳の神経細胞が異常に興奮することで、繰り返しけいれんや意識障害を起こす慢性の病気です。
熱がなくても発作が起き、発作のタイプもけいれんだけでなく、ぼんやりする、手足がぴくつくなど多様です。
診断には脳波検査が用いられ、治療には抗てんかん薬の継続投与が必要になることが多いです。
熱性けいれんの大部分は成長とともに自然に治りますが、てんかんは長期的な治療が必要です。
ただし、熱性けいれんを繰り返す子どもの中には、まれにてんかんへ移行するケースもあります。
参考文献
日本小児神経学会.“熱性けいれん診療ガイドライン2023”..https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00763.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-07-15).
日本神経学会.“てんかん診療ガイドライン2018”..https://www.neurology-jp.org/guidelinem/tenkan_2018.html,(参照 2025-07-15).
単純型熱性けいれんと複雑型熱性けいれんの違いを教えてください。
単純型は短時間で全身性、複雑型は長時間・反復・片側性のけいれんです。
単純型と複雑型の違いは、けいれんの持続時間・回数・左右対称性の有無にあります。
熱性けいれんは臨床的特徴により単純型と複雑型に分類され、この分類は今後の再発率やてんかんへの移行リスクの評価に重要です。
単純型は、
- 15分以内の持続時間
- 24時間以内に1回のみ
- 全身性かつ左右対称のけいれん
の3項目すべてを満たすものを指します。
熱性けいれん全体の約8割を占め、後遺症や神経学的異常はなく、予後は極めて良好です。てんかんへの移行リスクも2〜4%と非常に低いとされています。
一方複雑型は、
- 15分以上続く
- 24時間以内に2回以上繰り返す
- 片側性・部分的なけいれん
のいずれかを満たすものを指します。
頻度は少ないものの、てんかんの発症リスクは高く、発作の特徴が1つあれば約6〜8%、2つあれば約17〜22%、3つあれば最大で約50%に達すると報告されています。
複雑型であっても予後はほとんどが良好で、長期的な神経・認知機能の発達に有意な障害は認められていません。
ただし、持続性の意識障害や局所神経所見を伴う場合には、細菌性髄膜炎や急性脳症などの重篤な疾患を鑑別するため、より慎重な評価が必要です。
発作後の死亡リスクは一般集団と比べてわずかに高いとされていますが、多くは基礎に神経疾患を有している症例に限られます。
再発率は単純型と同程度で、約3分の1の小児が再度熱性けいれんを経験します。
子供の急な発熱の場合、熱性けいれんを起こす可能性はありますか?
子どもの急な発熱では、熱性けいれんを起こす可能性があります。
子どもが急に発熱した場合、熱性けいれんを起こす可能性はあります。
熱性けいれんとは、発熱(38℃以上)をきっかけに起こるけいれん発作で、特に6か月~5歳の小児に多くみられる一過性の発作です。
中枢神経感染症や代謝異常などけいれんの原因となるものがないことが前提で、多くは高熱の発熱初期に起こります。
主なリスク要因は次のとおりです。
若年齢
熱性けいれんのほとんどは6か月から3歳の間に発生し、最もリスクが高いのは12か月から18か月の間です。
家族歴
熱性けいれんの家族歴がある子供はリスクが高くなります。
高熱
熱性けいれんの可能性は、発熱の上昇速度ではなく、体温の高さに応じて高まると考えられています。
既往
過去に熱性けいれんを起こしたことがある場合、再発するリスクは高まります。特に、初回発作が1歳未満であった場合、発熱からけいれんまでの時間が短かった(1時間以内)、発熱時の体温が比較的低かった(39度以下)場合の再発リスクが高いです。
熱性けいれんは、たいてい数分以内に自然におさまり、脳や発達に後遺症を残すことはほとんどありません。
ただし、けいれんの持続時間が長い、何度も繰り返す、けいれん後の様子がおかしいなどの場合には、速やかに医療機関を受診する必要があります。
熱性けいれんと間代性痙攣の違いを教えてください。
熱性けいれんは発熱による発作、間代性けいれんはピクピク動くけいれんの型です。
「熱性けいれん」は 発熱が原因で起こるけいれん(病名)であり、「間代性けいれん」はピクピク・ガクガクする反復性のけいれん動作(けいれんの様式)を指します。
熱性けいれんとは発熱(38℃以上)をきっかけに起こるけいれん発作で、特に6か月~5歳の小児に多くみられる一過性の発作です。
脳に器質的異常やてんかんの既往がないことが前提で、以下のような特徴があります。
- 発熱初期に起こる
- 意識消失を伴う
- 全身や体の左右が同時にガクガクと動く(左右対称性)
- 通常数分以内で自然におさまり、後遺症もない
「単純型」(けいれんが全身に起こり、15分以内に自然に収まり24時間以内に繰り返さないもの)とそれ以外の「複雑型」に分類されます。「間代性(かんだいせい)」とは、筋肉が反復的に収縮と弛緩を繰り返すけいれんの型を指します。
つまり「けいれんの動き方の特徴」に関する分類であり、以下のような発作の形式をいいます。
- 手足や顔などがピクピク・ガクガクと周期的に動く
- 1秒に1~2回のリズムで筋肉の収縮と弛緩を繰り返す
- 意識が低下していることが多い
間代性けいれんは、熱性けいれんのときにもよくみられる動き方です。また、てんかんや脳炎など他の病気によるけいれんでもみられます。
つまり、「熱性けいれん」の中に「間代性けいれん」を呈するタイプがあるという関係です。
熱性けいれんを起こしやすい子の特徴はありますか?
熱性けいれんは6ヶ月~6歳が好発年齢で、熱性けいれんの家族歴がある子どもで起こりやすいです。
熱性けいれんの日本における有病率は約3~9%とされており、比較的ありふれたものです。1回の経験のみの場合もあれば、繰り返す場合もあります。
熱性けいれんの起こりやすい特徴として、以下が挙げられます。
年齢
主に6ヶ月から6歳までの子どもに多く発症します。特に1歳前後が最もリスクが高いとされています。年齢が上がるとともに頻度は減っていきます。
特定のウイルス感染症
インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、ヘルペスウイルス6型、エンテロウイルスなどで、熱性けいれんを起こす頻度が高いことが知られています。
さらに、再発リスクとして、以下のものが挙げられます。
- 熱性けいれんの家族歴(両親、兄弟)がある
- 初回発作が1歳未満である
- 発熱後1時間未満での発作であった
- 39℃以下の発熱での発作であった
これらの再発予測因子を持つ子どもを含めた全体の再発率は約30%であり、持たない場合の再発率は約15%です。
これらの特徴があっても、すべての子どもが熱性けいれんを繰り返すわけではありません。また、けいれんが起きた場合でも短時間で意識の回復も速やかであれば、通常予後は良好です。
特にリスクが高いと考えられる場合は、発熱時の観察を強化し、必要に応じて医師に相談してください。
アデノウイルスで熱性けいれんになることはありますか?
アデノウイルス感染でも高熱により熱性けいれんが起こることがあります。
アデノウイルス感染症でも、熱性けいれんが起こることがあります。
アデノウイルスは子どもに多い一般的なウイルスで、発熱や咽頭炎、結膜炎、胃腸炎などを引き起こします。高熱が出ることが多いため、熱に伴うけいれん(熱性けいれん)が誘発されることがあります。
複数の研究報告により、アデノウイルスが熱性けいれんに関連する一般的なウイルスの一つであることが示されており、アデノウイルス感染症の子どもを対象とした研究でも、熱性けいれんが主な症状として頻繁に報告されています。
アデノウイルス感染による熱性けいれんの発症リスクは、インフルエンザやパラインフルエンザと同程度であり、RSウイルスやロタウイルスよりも高いとされています。他のウイルスと比べて特に頻度が高いわけではなく、通常は単純型熱性けいれんとして良好に経過します。
熱性けいれんは、あくまで「発熱がきっかけとなって起こる一過性のけいれん」であり、ウイルスの種類自体が特異的に原因となるわけではありません。
つまり、インフルエンザやRSウイルス、アデノウイルスなど、どのような感染症でも高熱を伴えば熱性けいれんが起こる可能性があります。
参考文献
Yhu-Chering Huang et al.“Adenovirus infection associated with central nervous system dysfunction in children”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23619053/,(参照 2025-07-15).
Brian Chung et al.“Relationship between five common viruses and febrile seizure in children”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17284480/,(参照 2025-07-15).
熱性けいれんの後、保育園はいつから登園できますか?
熱が下がり元気であれば登園可能です。感染症や体調不良があれば登園は控えてください。
熱性けいれんの後に、熱が下がり元気であれば登園可能です。
熱性けいれんの後に保育園へ登園できるかどうかは、けいれんの原因となった発熱の病気の診断と、お子さんの全身状態によって判断されます。
つまり、「けいれんそのもの」よりも、「熱の原因が何か」がポイントになります。
けいれんを起こした後に熱が下がり、全身状態が良好(食欲があり、機嫌がよく、元気がある)であれば、登園は可能です。
ただし、次のような場合は登園を控える必要があります
登園の可否については、小児科で診察を受け、登園許可の有無を確認するのが最も確実です。
また、熱性けいれんを経験したお子さんが今後再び発熱した際には、けいれんの再発の可能性があるため、保育園や幼稚園にそのリスクや対応方法を事前に共有しておくと安心です。
いつ、どのような状況で熱性けいれんが起きたか、発作の持続時間や様子、その後の経過と医師の診断・指示、今後の注意点や対応方法(解熱剤使用や発作時の対応など)を共有することで、緊急時の対応や体調管理に役立ちます。
参考文献
日本小児神経学会.“熱性けいれん診療ガイドライン2023”..https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00763.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-07-15).
こども家庭庁.“保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版) ”..https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/c60bb9fc/20230720_policies_hoiku_25.pdf,(参照 2025-07-15).
熱性けいれんについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「熱性けいれん」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 体温は37.5℃以上ですか?
- けいれん発作がありましたか?
- 38度以上まで体温が上がったときに、それに伴うようにけいれんが起こりましたか?
- けいれんは全身がこわばり、がくがくするような様子でしたか?
熱性けいれんに関連する病気・症状
この記事の監修医師
村橋 睦了 先生
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 血液内科・腫瘍内科・内科
【経歴】 宮崎医科大学医学部医学科 卒業 国立感染症研究所 エイズ研究センター 宮崎医科大学大学院医学研究科 生体防衛機構系専攻 修了 博士(医学) フランス国立医学衛生研究所(INSERM UR543) パリ第6大学 Pitié-Salpêtrièr 病院 医学部免疫細胞部 博士研究員 東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 感染症分野 福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科 九州大学病院 先端分子・細胞治療科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03