骨髄線維症をきちんと治療した場合の余命(生存率)はどのくらいですか?

低リスクでは10年以上の生存、中間-IIリスク以上は同種造血幹細胞移植後5年生存率20~80%です。

解説

低リスクおよび中間-Ⅰリスクでは、臨床症状・貧血症状を欠く患者さんの生存期間は10年を越えるため、経過観察を行います。脾腫や全身症状を有する場合には、ルキソリチニブ投与を行います。

中間-Ⅱリスクおよび高リスクの現時点での治癒的治療法は、同種造血幹細胞移植です。中間-IIリスク、高リスク群においては、同種造血幹細胞移植により生存改善効果が期待できるとされています。

原発性骨髄線維症への同種造血幹細胞移植後の生存率、非再発死亡を予測するmyelofibrosis transplant scoring system(MTSS)が参考になります。

移植時の年齢や活動性、白血球数、血小板数など7項目のうちいくつ有するかにより、同種造血幹細胞移植後の予後を、

  • 低リスク(有するリスク数0~2)
  • 中間リスク(有するリスク数3~4)
  • 高リスク(有するリスク数5)
  • 超高リスク(有するリスク数>5)

の4群に分類します。

移植後の5年生存率はそれぞれ、

  • 低リスク:83%
  • 中間リスク:64%
  • 高リスク:37%
  • 超高リスク:22%

です(2019年5月報告)

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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骨髄線維症を放置するとどうなりますか?

骨髄線維症を放置すると、感染症、出血、白血病移行、心疾患により死亡リスクが高まります。

骨髄線維症の余命はどれくらいですか?

原発性骨髄線維症の余命はリスクにより異なり、低リスクで10年以上、高リスクで約1〜2年です。

骨髄線維症の末期症状はどのようなものがありますか?

骨髄線維症の末期症状には、貧血、肝脾腫、出血傾向、感染症リスク増加、体重減少、骨痛があります。

骨髄線維症の名医の探し方を教えてください。

骨髄線維症の名医は、治療実績がある病院や医師を専門サイトで検索できます。

原発性骨髄線維症とはなんですか?

骨髄の線維化により、正常な血液細胞の産生が妨げられる病気です。主にJAK2遺伝子の変異が関与します。

骨髄線維症の「線維化」とはなんですか?

骨髄内に異常な線維組織が過剰に増殖し、正常な血液細胞の生成が妨げられる状態です。

骨髄移植におけるフルマッチ(適合)の確率はどのくらいですか?

骨髄移植のフルマッチ確率は、兄弟間で25%、親子間では約3%、非血縁者間では数百~数万分の一です。

骨髄ドナーのリスクについて教えてください。

骨髄ドナーのリスクは全身麻酔や採取後の一時的な痛み、感染症などで、重篤な合併症は極めてまれですです。

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骨髄線維症は段階的に進行し、治療の有無で大差はありませんが、新薬で改善される可能性があります。

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