骨髄ドナーのリスクについて教えてください。

骨髄ドナーのリスクは全身麻酔や採取後の一時的な痛み、感染症などで、重篤な合併症は極めてまれですです。

解説

骨髄採取量は、患者さんが成人の場合500~1000ml程度の骨髄液の採取が必要です。

骨髄採取は手術室で行われ、手術時間は1時間から1時間半くらいです。骨髄採取は、全身麻酔で行われますので、麻酔に伴う事故や副作用の危険性があります。

また、麻酔中に気管に入れたチューブを抜いたあと、喉の痛みや違和感、尿道にカテーテルを挿入した場合は、抜去後に排尿時痛を生じることがあります。

採取をした針孔から多少出血することがありますが、通常1~2日で止まります。採取部位が感染して化膿する危険性もありますが、極めてまれで、その場合は適切な処置が行われます。

また、採取後に一時的な発熱倦怠感吐き気を伴うこともあります。

重篤な合併症は極めてまれですが、以下に日本骨髄バンクHP「提供後のドナーの健康状態」として報告を掲載します(2019年4月〜2024年3月末までの集計データ)。

<採取翌日の症状・検査結果>

  • 38℃以上の発熱:ほとんど1日で解熱(4.6%)
  • 排尿時の痛み:導尿カテーテルを抜いた後の痛みや違和感(1.7%)
  • 採取部位異常(0.7%)
  • 感染症(0.3%)
  • 肝機能障害(1.6%)

<骨髄採取・麻酔に伴う合併症について>

  • 血圧低下:麻酔中の収縮期血圧80mmHg以下、一時的なもの(32.1%)
  • 血尿:導尿カテーテル挿入の刺激による(0.2%)
  • 不整脈:一時的なもの(0.2%)
  • 義歯の損傷・ぐらつき(0.02%)
  • 採取針の破損(0.05%)

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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骨髄線維症

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関連するQ&A

「骨髄線維症」とはどのような病気ですか?

骨髄が線維化し、正常に血液細胞を作ることができなくなる病気です。

骨髄線維症の原因は何がありますか?

原発性では特定の遺伝子に病的異常が生じること、二次性では他の血液の病気が原因となります。

骨髄線維症ではどのような症状がありますか?

動悸・息切れ・貧血・倦怠感・お腹の張りなどの症状があります。症状はなく、健診などの検査が診断のきっかけとなることもあります。

骨髄線維症には初期症状はありますか?

全身の疲労感、脱力・動悸・息切れ・貧血症状などがあります。

骨髄線維症の場合、主にどのような治療をしますか?

細胞を減らすための薬物療法や造血細胞移植などの治療を、病状や年齢に応じて行います。

骨髄線維症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

内科・血液内科を受診しましょう。

骨髄線維症のセルフチェックはできますか?

骨髄線維症のセルフチェックは困難です。

骨髄線維症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

対症療法や細胞を減少させる薬剤、ルキソリチニブなどで治療します。副作用は血小板減少や貧血などがあります。

骨髄線維症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

同種造血細胞移植が考慮されることがあります。担当医師によく相談しましょう。

骨髄線維症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

貧血症状がある場合には無理のない活動を心がけ、血小板減少がみられる場合には打撲などに注意してください。腹痛やお腹が張る場合は、早めに受診しましょう。

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