骨髄線維症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
血液の病気を専門にみる「血液内科」を早めに受診してください。
骨髄線維症は血液の病気の一種で、診断には専門的な血液検査や骨髄検査が必要とされています。ここでは、骨髄線維症が疑われるときの症状や検査、受診の目安について解説します。
骨髄線維症とは
骨髄線維症とは、血液をつくるもとになる細胞(造血幹細胞)に異常が起こり、骨髄に広い範囲で線維化(組織が硬くなること)が生じる病気です。骨髄増殖性腫瘍(こつずいぞうしょくせいしゅよう)と呼ばれる血液の病気の一種に分類されています(骨髄線維症診療の参照ガイド第7版)。線維化が進むと骨髄で十分な血液がつくれなくなり、さまざまな症状につながることがあります。
骨髄線維症の症状
骨髄線維症では、骨髄の線維化によって正常な血液がつくられにくくなり、以下のような症状が現れることがあります。一方で、約20%の方は自覚症状がなく、約25%は健康診断などの血液検査の異常をきっかけに見つかっています。
- 貧血による症状:だるさ、息切れ、動悸(どうき)、顔色が悪くなるなど
- 脾腫(ひしゅ)による症状:お腹の張り、左腹部の圧迫感、食欲の低下など。骨髄で血液がつくれなくなると、代わりに脾臓(ひぞう)で血液をつくろうとするため、脾臓が大きくなることがあります
- 全身症状:発熱、体重減少、寝汗、倦怠感(けんたいかん)など
- 無症状で見つかる場合:骨髄線維症と診断された方の約20%は自覚症状がなく、約25%は健康診断などの血液検査の異常をきっかけに見つかっています。貧血や血小板の数の変化、血液中に本来出てこないはずの若い血液細胞が混じっていることなどがきっかけになることもあります。
骨髄線維症が疑われるときの検査
骨髄線維症が疑われる場合は、主に以下の検査が行われます。
- 血液検査:血液中の赤血球・白血球・血小板の数や形に異常がないかを調べます。遺伝子の変異(JAK2、CALR、MPLのいずれか)を調べる検査が診断の手がかりとなることもあります。
- 骨髄検査(骨髄生検):骨髄の組織を採取し、線維化の程度を確認します。骨髄線維症の確定診断には、この検査で線維化を証明することが必要とされています。なお、骨髄線維症では骨髄が硬くなっているため、針で骨髄液を吸い取る検査(骨髄穿刺)をしてもうまく液が引けないこと(これを「dry tap(ドライタップ)」といいます)が多く、骨髄の組織を直接切り取って調べる骨髄生検があわせて行われるのが一般的です。
骨髄線維症が疑われるときは早めに血液内科へ
骨髄線維症は、血液の病気を専門とする医師(血液内科医)による評価が必要とされています。確定診断や治療方針(造血幹細胞移植の適応など)の決定には専門的な判断が必要であり、確定診断や移植適応の検討は血液専門医へのコンサルトのもとで行うことが推奨されています。貧血の症状やお腹の張り、原因のわからない発熱や体重減少などが続くときは、早めに血液内科の受診をご検討ください。
骨髄線維症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
骨髄線維症診療の参照ガイド第7版(令和7年度 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 特発性造血障害に関する調査研究班, 2025)https://zoketsushogaihan.com/file/Myelofibrosis_2025.pdf.(参照 2026-08-31).
造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版), 第Ⅰ章白血病, 4.慢性骨髄性白血病/骨髄増殖性腫瘍.http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#soron.(参照 2026-08-31).
幣光太郎. 「骨髄線維症 (原発性, 二次性) の治療」 日本臨牀 83(増刊号5), 242-248, 2025.
今日の臨床サポート 「原発性骨髄線維症」https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=1161.(参照 2026-08-31).
日本臨床腫瘍学会. 新臨床腫瘍学 改訂第7版 pp.601-602. 南江堂. 2024.
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編集・監修基準について
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東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
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