骨髄線維症の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

貧血・脾腫・出血・感染に注意し、薬は自己判断でやめないことが大切です。

骨髄線維症では、貧血や脾腫、出血しやすさなどの症状が日常生活に影響を及ぼすことがあります。また、治療薬を使用している場合には、その薬に応じた注意点もあります。症状や治療に応じた生活上の工夫や注意点を知っておくことが大切です。

骨髄線維症で現れやすい症状

骨髄線維症は、骨髄に広い範囲で線維化が起こり、正常な血液をつくる機能が低下する病気です。血液がうまくつくれなくなることで、以下のような症状が現れることがあります。

  • 貧血による倦怠感(けんたいかん)、動悸、息切れ
  • 脾臓(ひぞう)の腫れ(脾腫)による腹部の膨満感や腹痛
  • 血小板減少に伴う出血のしやすさ(紫斑・歯肉出血など)
  • 発熱・体重減少・寝汗などの全身症状

骨髄線維症の貧血がある場合の日常生活の工夫

貧血による動悸や息切れ、倦怠感がみられる場合は、無理をせず十分な休息をとることが大切です。急な動作や激しい運動を避け、自分の体調に合わせたペースで日常生活を送ることを心がけましょう。

骨髄線維症による脾腫がある場合の食事と活動の注意点

骨髄線維症では、骨髄の線維化に伴い脾臓で血液をつくる「髄外造血(ずいがいぞうけつ)」が起こり、脾臓が大きく腫れることがあります。脾腫があると腹部の膨満感や腹痛、少量の食事で満腹になる早期満腹感が生じることがあります。食事は消化のよいものを少量ずつ分けてとり、脾臓への負担を減らすために、お腹を強く圧迫するような動作は控えるようにしましょう。

骨髄線維症で出血しやすいときの注意点

血小板が減少している場合、軽い打撲でもあざ(紫斑)ができやすくなったり、歯磨きの際に歯ぐきから出血しやすくなったりすることがあります。日常生活では転倒やぶつけることに注意し、出血がなかなか止まらないときは、早めに医師への相談をご検討ください。

薬による治療を受けている場合の注意点

骨髄線維症の治療では、ルキソリチニブなどの飲み薬(JAK阻害薬)が使われることがあります。この薬は自己判断で急にやめてしまうと、体の中で炎症の原因となる物質(サイトカイン)が急に増え、発熱や強い倦怠感などの「リバウンド症状」が出ることがあるとされています。薬の量を変えたい、あるいはやめたいと感じたときは、自己判断はせず、必ず主治医に相談してから決めるようにしましょう。
また、この薬には体の免疫の働きを抑える作用があるため、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などの感染症にかかりやすくなることがあります。皮膚にピリピリした痛みや赤い発疹が出た場合や、原因不明の発熱が続く場合は、早めに医療機関に相談してください。

骨髄線維症の体調変化と医療機関への相談の目安

骨髄線維症では、発熱・体重減少・寝汗といった全身症状がみられることがあります。こうした症状は病状の変化を示している可能性があるため、普段から体調の変化に注意しておくことが大切です。バランスのとれた食事や適切な水分補給を心がけ、体調の維持に努めましょう。発熱が続く場合や体重の急な減少、出血が止まりにくいなどの変化を感じたときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。

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関連する病気と症状

(参考文献)

造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版), 第Ⅰ章白血病, 4.慢性骨髄性白血病/骨髄増殖性腫瘍.http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html#soron.(参照 2026-08-31).
今日の臨床サポート 「原発性骨髄線維症」https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=1161.(参照 2026-08-31).
竹中 克斗. 「骨髄増殖性腫瘍の初期診断と外来治療」 日本内科学会雑誌 111-1364~1370, 2022.
難病情報センター(厚生労働省難治性疾患克服研究事業)『血液・凝固系疾患分野 骨髄線維症 疾患概要』https://www.nanbyou.or.jp/entry/265.(参照 2026-08-31).

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  4. 公開

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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