結節性硬化症ではどのような症状がありますか?

けいれん、皮膚の白いあざ、ニキビのようなできもの、不整脈、自閉症などさまざまで、年齢によっても異なります。

解説

結節性硬化症の症状は全身に認められますが、その発症時期や重症度はさまざまです。
結節性硬化症は、腫瘍ができた部位によって、以下のような症状が現れます。

皮ふの症状

  • 白斑:5mm以上ある色素のぬけた皮膚の変化で、生まれつき、あるいは出生直後にできる
  • 顔や頭の血管線維腫:特に頬のあたりに認められる赤いシミで幼児期からはっきりして、思春期頃から増える
  • 爪線維腫:手足の爪の下あるいは爪の周囲の硬いできもので、思春期以降にできることが多い
  • ジャグリンパッチ:おなかや背中などのイボ状のできもので、思春期以降にできることが多い

脳に関係する症状

  • 大脳皮質や脳室という部分に腫瘍ができ、腫瘍によって頭蓋骨の内側の圧が上がると、頭痛や嘔吐の症状や、眼の乳頭浮腫という変化がおこる
  • 脳にできた腫瘍が影響し、けいれんが起こることがある
  • 脳にできた腫瘍が影響し、攻撃的な性格になる、自閉症・自閉傾向になる、あるいは学習障害などの発達障害をきたすことがある

呼吸器の症状

お腹の症状

  • 腎、肝などに血管筋脂肪腫という腫瘍できて、出血すると、腹痛貧血を起こすことがある。

心臓の症状

  • 心横紋筋腫:心臓の筋肉に腫瘍ができると、不整脈心不全がおこり、動悸・息切れなどの症状があらわれる。出生前の胎児エコーで腫瘍が見つかることもある

その他

上記以外にも、眼や甲状腺、副腎など体のあらゆる場所に腫瘍ができることがあるが、症状が出ることは少ない
皮膚の白いあざ、ニキビのようなできもの(血管線維腫)のイラスト

公開日

最終更新日

国立国際医療研究センター国際医療協力局 小児科

井上 信明 監修

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