結節性硬化症
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更新日:2024/03/28
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結節性硬化症について「ユビー」でわかること
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結節性硬化症とはどんな病気ですか?
「結節性硬化症」とは、遺伝子の異常により皮膚や神経、肺など全身に良性の腫瘍ができる病気です。けいれん、白いあざ、自閉症など多様な症状があります。症状に応じた治療のほか、原因となるタンパク質の異常を抑える薬を使える場合があります。疑われる症状がある場合は、小児科や神経内科、皮膚科を受診しましょう。
結節性硬化症の特徴的な症状はなんですか?
次の症状などが特徴として見られます
結節性硬化症への対処法は?
先天性の疾患であり、小児科で診断される患者さんが多いです。乳幼児期からてんかんや知的発達の遅れがある場合は小児科医に相談しましょう。
結節性硬化症の専門医がいる近くの病院はありますか?
結節性硬化症の専門医がいる病院を見る結節性硬化症のQ&A
- A.
足や手の爪の周りにできる固い腫瘍のことです。20歳ごろからでき始め、少しずつ大きくなります。
解説結節性硬化症に伴う爪囲線維腫は、思春期以降に爪の下(爪床)や爪の周囲に発生する、出血や痛みを伴うこともある硬い腫瘍です。別名Koenen tumorと呼ばれています。ときには、結節性硬化症の唯一の症状でもあることが知られています。
大きくなるとレーザーや外科手術による切除が必要となりますが、再発することもあるため、術後も経過を観察する必要があります。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見るSven R. Quist et al. Periungual fibroma (Koenen tumors) as isolated sign of tuberous sclerosis complex with tuberous sclerosis complex 1 germline mutation. LETTER. 2010, 62, p.159-161.
Camelia Qian Ying Tang et al. Symptomatic Periungual Fibroma of the Hand. J Hand Microsurg. 2021, 13, p.173-177. - A.
解答欄のチェック項目や症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えると結節性硬化症が疑わしいかの手掛かりになります。
解説「ユビー病気のQ&A」を見るセルフチェックだけで病気を診断することはできませんが、結節性硬化が疑われるかの判断材料にすることは可能です。
- 結節性硬化症の家族歴がある
- 木の葉の形にみえる皮膚の白斑(色素の抜けた白色の斑で、長径5mm以上)
- 顔面の血管線維腫(頬のあたりに認められる赤いシミで思春期以降に増える)
- 爪線維種(手足の爪の下や周囲にできる硬い腫瘍で思春期以降に見られる)
これらと合わせて、以下の症状を認めるときは、結節性硬化症を疑う手がかりになります。 - A.
けいれんや皮膚の白いあざが特徴的です。あざは、木の葉、金平糖、紙吹雪などの形をしています。
解説結節性硬化症であらわれる症状に年齢による違いはありますが、脳内の結節とそれに伴う症状と皮膚の白斑は、出生前あるいは出生直後から認められることが多いとされています。また、心臓の腫瘍も同様に出生前後からみられます。
皮膚の白斑は、木の葉の形にみえることがあります。また頭皮にできると、白髪になることもあります。そのほかにも、幼少期にから見られることが多い血管線維種は、頬のあたりに初期には赤いシミとして、進行すると両頬に対称的な赤い隆起物としてみられます。
多くは子どもの頃に診断されますが、症状が軽いと成人するまで診断されないこともあります。この場合、肺リンパ脈管筋腫症(呼吸困難など)や腎血管筋脂肪腫(腹腔内出血など)が診断のきっかけになります。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本皮膚科学会.“母斑症(神経線維腫症と結節性硬化症)この病気ではどのような症状がおきますか”.皮膚科Q&A.https://www.dermatol.or.jp/qa/qa34/s2_q05.html,(参照 2024-02-19).
M. Priscilla Short et al. Clinical, Neuropathological and Genetic Aspects of the Tuberous Sclerosis Complex. Brain Pathology. 1995, 5, p.173-179.
Hope Northrup, MD et al. Updated International Tuberous Sclerosis Complex Diagnostic Criteria and Surveillance and Management Recommendations. Pediatric Neurology. 2021, 123, p.50-66. - A.
けいれん、皮膚の白いあざ、ニキビのようなできもの、不整脈、自閉症などさまざまで、年齢によっても異なります。
解説結節性硬化症の症状は全身に認められますが、その発症時期や重症度はさまざまです。
結節性硬化症は、腫瘍ができた部位によって、以下のような症状が現れます。皮ふの症状
- 白斑:5mm以上ある色素のぬけた皮膚の変化で、生まれつき、あるいは出生直後にできる
- 顔や頭の血管線維腫:特に頬のあたりに認められる赤いシミで幼児期からはっきりして、思春期頃から増える
- 爪線維腫:手足の爪の下あるいは爪の周囲の硬いできもので、思春期以降にできることが多い
- ジャグリンパッチ:おなかや背中などのイボ状のできもので、思春期以降にできることが多い
脳に関係する症状
- 大脳皮質や脳室という部分に腫瘍ができ、腫瘍によって頭蓋骨の内側の圧が上がると、頭痛や嘔吐の症状や、眼の乳頭浮腫という変化がおこる
- 脳にできた腫瘍が影響し、けいれんが起こることがある
- 脳にできた腫瘍が影響し、攻撃的な性格になる、自閉症・自閉傾向になる、あるいは学習障害などの発達障害をきたすことがある
呼吸器の症状
お腹の症状
心臓の症状
その他
上記以外にも、眼や甲状腺、副腎など体のあらゆる場所に腫瘍ができることがあるが、症状が出ることは少ない
参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る日本皮膚科学会.“母斑症(神経線維腫症と結節性硬化症)この病気ではどのような症状がおきますか”.皮膚科Q&A.https://www.dermatol.or.jp/qa/qa34/s2_q05.html,(参照 2024-02-19).
M. Priscilla Short et al. Clinical, Neuropathological and Genetic Aspects of the Tuberous Sclerosis Complex. Brain Pathology. 1995, 5, p.173-179. - A.
遺伝子の異常が原因です。細胞の増殖を抑えられず、良性の腫瘍ができます。
解説TSC1遺伝子およびTSC2遺伝子は、細胞の分裂や増殖を促す酵素の働きを制御するタンパク質を作ります。
遺伝子が変異すると、このタンパク質がうまく作られなくなり、細胞の増殖を抑えられなくなります。その結果、体内に良性の腫瘍ができます。この遺伝子変異は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)といって、父方と母方の染色体のペアのいずれか片方でも異常があると病気が受け継がれ、子どもにも発症します。
ただし、突然変異といって、親の遺伝子に変異がなくても子の遺伝子に変異がおきて、病気が子に発症することもあります。参考文献:「ユビー病気のQ&A」を見る難病情報センター.“結節性硬化症(指定難病158)”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4385,(参照 2024-02-19).
小児慢性特定疾病情報センター.“結節性硬化症”.小児慢性特定疾病情報センター.https://www.shouman.jp/disease/details/11_06_016/,(参照 2024-02-19).
監修医師
診療科・専門領域
- 脳神経内科