高プロラクチン血症で抜け毛が増えることはありますか？

はい、高プロラクチン血症の症状の一つとして、抜け毛が増えたり、髪が薄くなったりすることがあります。ただし、これはプロラクチン自体が直接髪の毛に作用するというよりも、主にホルモンバランスの乱れを介した間接的な影響と考えられています。

1. 性ホルモンへの影響

プロラクチンの血中濃度が異常に高くなると、脳の司令塔である下垂体に作用し、性ホルモン（女性ではエストロゲン、男性ではテストステロン）の分泌を抑制してしまいます。髪の毛の成長や健康な状態を維持するためには、これらの性ホルモンが正常に働くことが不可欠です。特に女性の場合、エストロゲンは髪の成長期を長く保ち、ハリやコシを与える役割があります。そのため、エストロゲンが慢性的に不足すると、髪の成長サイクル（ヘアサイクル）が乱れ、成長しきる前に抜けてしまったり、髪が細くなったりして、全体的に薄毛（びまん性脱毛）が目立つようになることがあります。

2. ストレスや他のホルモン異常

高プロラクチン血症の原因となっている病態（下垂体腫瘍など）や、併発しやすい甲状腺機能低下症なども、それ自体が抜け毛の原因となることがあります。抜け毛は様々な原因で起こるため、高プロラクチン血症だけが原因とは限りませんが、月経不順や乳汁分泌といった他の症状とともに抜け毛が気になる場合は、関連を疑う一つのサインと言えます。高プロラクチン血症の治療を行い、ホルモンバランスが正常化することで、抜け毛の症状が改善することも期待できます。