潜在性高プロラクチン血症とはなんですか?
日中のプロラクチン値は正常でも、夜間や特定の刺激後に過剰分泌される状態です。排卵障害や黄体機能不全の原因となることがあります。
潜在性高プロラクチン血症は、「隠れ高プロラクチン血症」とも呼ばれる状態です。通常の健康診断などで行われる日中の1回の血液検査では、プロラクチンの値が正常範囲内であるにもかかわらず、実際にはプロラクチンの分泌に異常が隠れている病態を指します。
【どのような異常か】
私たちの体のホルモンは、常に一定量が分泌されているわけではありません。プロラクチンも同様で、特に夜間や睡眠中に分泌量が増えるという日内変動があります。潜在性高プロラクチン血症の方は、この夜間の分泌が通常よりも過剰であったり、TRH製剤(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)という薬を注射する負荷試験を行うと、プロラクチンが過剰に反応して分泌されたりします。
【なぜ問題になるのか】
日中のプロラクチン値が正常でも、夜間などに一時的に高い状態が続くことで、結果的に排卵のサイクルに悪影響を及ぼすことがあります。具体的には、卵子の成熟が妨げられたり(排卵障害)、排卵後に妊娠を維持するためのホルモン(プロゲステロン)が十分に分泌されなくなったり(黄体機能不全)します。
【症状と診断】
この病態は、はっきりとした月経不順や無月経を引き起こすことは少ないですが、原因不明の不妊症や黄体機能不全の背景に隠れていることがあります。そのため、不妊治療の一環として、通常のプロラクチン測定に加えて、前述のTRH負荷試験などを行い、潜在的な異常がないか詳しく調べることがあります。治療は、通常の高プロラクチン血症と同様に、プロラクチンの分泌を抑える薬(ドパミン作動薬)が用いられます。
「高プロラクチン血症」について、特に知りたいことは何ですか?
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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