高プロラクチン血症だと基礎体温はどうなりますか？

高プロラクチン血症では、基礎体温に特徴的な変化が現れることがあります。正常な月経周期では、排卵を境にして体温が低い「低温期」と体温が高い「高温期」の二相に分かれますが、高プロラクチン血症ではこのパターンが乱れます。

【なぜ変化が起こるのか】

基礎体温が高温期に移行するのは、排卵後に卵巣から分泌される「黄体ホルモン（プロゲステロン）」の作用によるものです。しかし、高プロラクチン血症の状態では、プロラクチンホルモンが脳の司令塔に働きかけて排卵を促すホルモン（LH、FSH）の分泌を抑制してしまいます。その結果、卵巣が刺激されず排卵が起こらなくなります。排卵がなければ、黄体も形成されず、体温を上昇させるプロゲステロンも分泌されません。

【どのようなグラフになるか】

そのため、高プロラクチン血症の女性が基礎体温を測定すると、以下のようなグラフになることが多くなります。一相性グラフ：排卵が起こらないため、体温が上昇せず、月経周期を通してずっと低温期のままとなる。高温期が短い、または不明瞭：排卵が起こったとしても、黄体の機能が不十分（黄体機能不全）でプロゲステロンの分泌が少ないため、高温期が短期間で終わってしまったり、体温の上昇がわずかで低温期との差がはっきりしなかったりします。

このように、基礎体温のグラフがきれいな二相性を示さない場合は、高プロラクチン血症を含む何らかの排卵障害が隠れている可能性があります。月経不順や不妊で悩んでいる場合は、基礎体温の記録を持って産婦人科を受診することが、原因を特定する上で非常に役立ちます。