高プロラクチン血症で精神症状が出ることはありますか?

はい、あります。うつ気分、意欲や集中力の低下、不安感、イライラといった精神的な不調がみられることがあります。

はい、高プロラクチン血症によって精神症状が現れることはあります。その背景には、プロラクチンというホルモンと、脳内の神経伝達物質や他のホルモンとの複雑な関係があります。

ドパミンとの関係

プロラクチンの分泌をコントロールしているのは、脳内の神経伝達物質である「ドパミン」です。ドパミンはプロラクチンの分泌にブレーキをかける役割を担っていますが、同時に意欲、快楽、気分などを調節する働きも持っています。高プロラクチン血症の状態では、このドパミンのシステムに何らかの不調が生じている可能性があり、その影響が「うつ気分」や「意欲の低下」といった精神症状として現れることがあります。

性ホルモンへの影響

プロラクチン濃度が高い状態が続くと、女性ではエストロゲン(女性ホルモン)、男性ではテストステロン(男性ホルモン)の分泌が抑制されます。これらの性ホルモンは、精神的な安定にも関与しているため、その低下が「不安感」や「イライラ」、「気分の落ち込み」などを引き起こす一因となります。

症状による心理的影響

高プロラクチン血症の身体症状である月経不順や不妊、性機能の低下などが、患者さんにとって大きなストレスとなり、二次的に精神的な不調につながることもあります。

これらの精神症状は、高プロラクチン血症の原因となっている病気(下垂体腫瘍など)の治療や、原因薬剤の変更によってプロラクチン値が正常化すると、改善することが多く報告されています。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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