高プロラクチン血症の場合、妊活をしてもよいですか?

妊活前に治療を受けるのがおすすめです。高プロラクチン血症は排卵を妨げることが多いため、まず薬でホルモン値を正常に戻し、妊娠しやすい状態に整えます。

高プロラクチン血症と診断された場合、すぐに妊活を始めるのではなく、まず専門医(産婦人科や内分泌内科)の診察を受け、治療方針を相談することが推奨されます。その理由は、高プロラクチン血症が不妊の直接的な原因となることがあるからです。

プロラクチンは、血液中の濃度が高くなりすぎると、脳の司令塔である下垂体に働きかけ、排卵を促すホルモン(LHやFSH)の分泌を抑制してしまいます。その結果、卵子の成長が妨げられたり、排卵が起こらなくなったりして(排卵障害)、月経不順や無月経を引き起こします。排卵がなければ自然妊娠は成立しないため、妊活の前にこの状態を改善する必要があります。

幸い、高プロラクチン血症の多くは、「薬物療法(主にカベルゴリンなどのドパミン作動薬)」によって比較的簡単にプロラクチン値を正常に戻すことができます。ホルモン値が正常化すれば、多くの場合、抑制されていた排卵機能が回復し、自然な月経周期が戻ってきます。したがって、「妊活をしてもよいですか?」というご質問に対しては、「はい、可能ですが、その前にまず治療を受けて妊娠しやすい体作りをしましょう」というのが最も適切な答えになります。

高プロラクチン血症の原因によっては(例えば大きな下垂体腫瘍がある場合など)、先にそちらの治療が必要になることもあります。自己判断で妊活を進めるのではなく、必ず医師と相談しながら、安全かつ効果的に妊娠を目指すことが大切です。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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