夜間頻尿の治療や予防方法には何がありますか?

夜間頻尿の原因はさまざまなので、原因に合わせて治療します。予防には生活習慣の見直しが有効です。

解説

夜間頻尿の主なメカニズムは、

  • 尿量が多すぎること(多尿・夜間多尿)
  • 膀胱が尿を長時間ためられないこと(蓄尿障害)
  • 睡眠が浅いこと

の3つが考えられます。
しかし、それぞれの根本原因はさまざまで、加齢や膀胱の病気だけでなく、水分や塩分の摂り過ぎといった生活習慣や睡眠障害、高血圧糖尿病肥満などの生活習慣病、飲んでいる薬の副作用、ストレスなどがあります。
そのため、夜間頻尿の治療や予防方法には、行動療法による生活習慣の改善、薬物療法、そして根本原因に対する治療を一人一人の状況に合わせて行います。具体例は以下の通りです。

行動療法による生活習慣の改善

夜間頻尿の原因によらず、以下のことで夜間頻尿を軽減できる可能性があり、予防にもなります。

  • 排尿日誌をつける
  • 夕方以降の水分や塩分の摂り過ぎを控える
  • 夕方以降のアルコールやカフェイン摂取を控える
  • 夕方や夜間に散歩、ダンベル運動、スクワットなどの運動を取り入れる
  • 寝る1時間以上前にお風呂やシャワーに入る、足湯につかる
  • 禁煙する


より詳しい行動療法については、こちらをご参照ください。

夜間頻尿の治療法

夜間頻尿のメカニズムに合わせた具体的な治療法は、以下の通りです。

尿量が多すぎる場合(多尿・夜間多尿)

上記の行動療法に加えて、弾性ストッキングを日中使用することも有効です。
男性で、夜間の尿量が相対的に多い(夜間多尿)場合、利尿薬やステロイドを内服していなければ、抗利尿ホルモンの働きがあるデスモプレシンという薬を使うことができます。高血圧が原因と考えられる多尿には、降圧薬が検討されることがあります。
逆に、降圧薬や利尿薬など、すでに飲んでいる薬の副作用による場合もあり、その際は薬の種類や使い方を変更することで改善することもあります。

膀胱が尿を長時間溜められない場合(蓄尿障害)  

過活動膀胱や前立腺肥大、その他の膀胱の病気などによって、頻尿になっている可能性があります。その場合は、それぞれの病気に効果的な薬物療法や手術療法を選びます。

睡眠が浅くなる場合

年齢によって徐々に睡眠の途中で起きやすくなることは正常ですが、睡眠時無呼吸症候群や、パーキンソン病レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など睡眠に影響を与える病気が隠れている可能性があります。それらの病気に合わせて治療を行うことで途中で起きにくくできる可能性があります。また、原因の病気がない場合でも、夜間頻尿のストレスでより眠れないなど不眠症が悪化する場合は、一時的に睡眠薬を使うこともあります。

より詳しい薬物療法については、こちらをご参照ください。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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(参考文献)

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