排尿日誌は夜間頻尿の治療にどのような目的で使われますか?

排尿習慣をチェックし、夜間頻尿の診断、治療選択、治療効果判定をするために使われます。

解説

夜間頻尿がある場合は、24時間の排尿量を記録する「排尿日誌」をつけることをおすすめします。排尿日誌から色々なことが分かります。

排尿日誌のつけ方

まず、100円ショップなどで500ml用の計量カップを用意します。朝起きてから翌日の朝になるまで、排尿のたびにいつにどのくらい尿が出たかを記録してみましょう。
例えば、朝7時に200ml、朝10時に250ml、夜中の2時に150ml、などと具体的に記録していきます。
3日程度で十分ですがきちんと記録できれば、1日に出た尿の総量や排尿の回数が正確にわかるため、夜間頻尿の原因や、自身の体調のチェックにも役立ちます。

排尿日誌でわかること

3日程度記録していただくと下記のことが分かります。

夜間の1回の排尿量が毎回200ml以上の場合

多尿や夜間多尿、睡眠障害の可能性があります。

夜間の1回の排尿量が毎回少ない(目安として100ml以下)場合

膀胱の異常などで膀胱容量が減少している、または睡眠障害がある可能性があります。

1日に出た尿の総量が体重(kg)×40mlを超えている場合

医学的に「多尿」と診断できます。多尿が原因となって夜間頻尿になることは多く、該当する場合は水分を少し控えるだけで排尿回数が減る可能性があります。

就寝中と朝起きてから最初に出た尿の合計が1日の尿量の33%以上(65歳未満は25%以上)の場合

医学的に「夜間多尿」と診断できます。夜間多尿の原因は高血圧や糖尿病などの生活習慣病や心不全などさまざまなので、医療機関で調べてもらいましょう。

個人の見解

排尿日誌は、実際に夜間頻尿がある患者さんが受診された時に最初にやっていただくことが多いです。最近は、計算までできるアプリもあります。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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(参考文献)

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