動脈管開存症
動脈管開存症とは、生後に自然に閉じるはずの動脈管が開いたまま残ることで、心臓や肺に負担がかかる病気です。息切れやミルクの飲みが悪い、体重増加不良などの症状がみられます。心雑音を指摘された場合や症状がある場合は小児科または小児循環器科を受診しましょう。
おだかクリニック 循環器内科 副院長
小鷹 悠二 監修
病気について
生まれたあとに閉じるはずの、心臓のそばにある「動脈管」という血管が閉じずに残ってしまう病気です。
早産による体の未熟さや、妊娠中の風疹感染、遺伝的な要因などが主な原因として挙げられます。
生まれたあとに閉じるはずの、大動脈と肺動脈をつなぐ「動脈管」という血管が、開いたまま残る状態です。
通常、生後2~3週で自然に閉じますが、閉じずに残ることもあります。細ければ子供のうちに閉じる例も多いです。
ダウン症の赤ちゃんは動脈管が閉じるのが遅れやすく、心臓の病気として合併することも多いです。
遺伝する場合もありますが、体質や環境、早産など複数の原因が重なって起こることがほとんどです。
心臓や肺に過度な負担がかかり続け、心不全や肺高血圧、最終的には手術不可能な重い状態に進行します。
適切な治療を受ければ、寿命は健康な人とほぼ変わりません。多くの人が80歳代まで長生きできます。
主な合併症は心不全や肺高血圧、心内膜炎です。治療後にはまれに声のかすれなどが残ることもあります。
後遺症は少ないですが、まれに声のかすれや呼吸のしにくさといった後遺症が残る場合があります。
症状について
生まれて間もない時期(新生児・乳児期)には、心不全や呼吸の異常が初期症状として現れやすいです。
自分で診断はできませんが、息切れや体重の増えにくさ、強く跳ねるような脈拍などのサインは確認できます。
無症状のことも多いですが、加齢とともに動悸、息切れ、心不全、不整脈などの症状が現れやすくなります。
重い心不全や、肺の血管が傷んで全身が酸素不足になる「アイゼンメンジャー症候群」という状態になります。
多くの場合は無症状ですが、血管が太いと息切れや疲れやすさ、成長の遅れなどの症状が現れます。
受診について
治療について
外科手術では血管を糸で縛ったり、クリップで留めたりし、カテーテル治療ではコイルや栓で穴をふさぎます。
手術やカテーテル治療の成功率は非常に高く、ほとんどの患者さんが元気に日常生活へ戻れています。
動脈管が細く、心臓や肺への負担がまったくなければ、手術をせずに「経過観察」を選ぶこともあります。
無理な運動を避け、治療後は胸のけがや感染症予防に注意が必要です。定期的な受診も欠かさないでください。
動脈管を閉じるために、薬による治療、カテーテル治療、外科手術を行います。
はい、治療によって完治させることができます。自然に閉じることもあれば、手術等で治すことも可能です。
手続きや支援について
検査について
薬について
(参考文献)
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