動脈管開存症の末期症状はどのようなものがありますか？

動脈管開存症（PDA）を治療せずに放置すると、最終的には「アイゼンメンジャー症候群」と呼ばれる非常に重い状態になります。

本来の動脈管開存症は、大動脈から肺動脈へ血液が流れ込みますが、末期になると肺の血管がボロボロに傷ついて血液が通りにくくなります。その結果、心臓の圧力の関係で血液の流れが逆転し、酸素が足りない血液が全身に送られるようになります。

この段階で現れる主な症状は、以下の通りです。

• チアノーゼ：血液中の酸素が不足し、皮膚や唇、爪が青紫色になります。
• 呼吸困難：肺の血圧が非常に高くなるため、少し動くだけでも激しい息切れを感じます。
• 激しい疲れ：全身に十分な酸素が届かず、常に体がだるく疲れやすくなります。
• 不整脈や失神：心臓への負担が限界に達し、ドクドクと脈が乱れたり意識を失ったりすることがあります。

この状態まで進行すると、手術で動脈管を閉じることができなくなり、治療が極めて難しくなります。そのため、心臓や肺へのダメージが深刻になる前に発見し、適切な治療を受けることが何よりも大切です。