動脈管開存症は主にどのような薬で治療しますか？副作用はありますか？

動脈管開存症の薬物治療は、主に小さく生まれた赤ちゃん（未熟児や早産児）に対して行われます。

主な薬と作用

小さく生まれた赤ちゃんには、動脈管を閉じるための注射薬（シクロオキシゲナーゼ阻害薬、日本ではインドメタシンなど）が使われます。 この注射薬は、お母さんのお腹の中にいるときに動脈管を開いたままにしていた「プロスタグランジン」という物質の働きを抑えることで、動脈管を収縮させ、自然に閉じるのを助けます。

• 正期産で生まれた赤ちゃんや大きくなった子どもでは、動脈管が酸素に対して反応する力が強いため、この注射薬はほとんど効果がありません。

動脈管開存症によって心臓に負担がかかり、心不全の症状（多呼吸、哺乳不良、体重が増えないなど）が出ている場合は、動脈管が閉じるまでの間、心臓の負担を軽くするために、以下の薬を中心にした内科治療を行います。

• 体の水分を調整する薬（利尿薬）：肺に溜まった余分な水分を出し、心臓の負担を減らします。
• 血管を広げる薬：血管の抵抗を下げて、心臓が血液を送り出しやすくします。

副作用について

注射薬（インドメタシンなど）を使う際には、副作用に注意が必要です。

• 腎臓の働き：おしっこが出にくくなったり、腎臓の機能が悪くなったりすることがあります。
• 消化器：お腹に穴が開いたり、腸に炎症が起こったりするリスクがあります。
• 出血：血が止まりにくくなること（血小板の機能低下）や、脳内で出血する（脳室内出血）などのリスクがあります。

これらの薬による治療が効かない場合や、症状が増悪する、あるいは薬が使えない場合は、外科手術やカテーテル治療が検討されます。