淋病で咽頭に出る症状は?淋病(淋菌感染症)
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
淋菌感染症(淋病)とは
いわゆる性感染症です。クラミジア感染と症状が似ているため、症状だけでどちらに感染しているか判断困難です。どちらも感染していることもあります。下腹部痛、帯下増加、排尿痛などの症状がありますが、無症状のこともあります。不妊の原因にもなります。
咽頭淋菌感染症とはどのような病気ですか?
咽頭淋菌感染症は、性行為によって咽頭に淋菌が感染する病気です。
咽頭淋菌感染症は、淋菌感染症と同じく、性行為などの粘膜接触によって淋菌に感染する病気です。
多くの淋菌感染症は、性器に感染しますが、咽頭に感染するものもあり、咽頭淋菌感染症と呼ばれます。
咽頭淋菌感染症はのどの痛み、腫れ、咳、発熱などといった風邪のような症状が出ますが、症状があまり出ないことも多いです。
症状があまり出ていないからと放置してしまうと、咽頭炎や扁桃腺炎になる可能性があるため、疑わしい場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。
淋菌感染症(淋病)とはどのような病気ですか?
性行為により淋菌という微生物に感染する性感染症で、「淋病」とも呼ばれます。性器やのどなどの粘膜に感染し、膿や痛みが出ます。
「淋菌(Neisseria gonorrhoeae)」という微生物による頻度が高い性感染症です。性器やのどなど粘膜への感染力が強く、感染者との一回の性交渉で30%が感染するとされます。淋菌は乾燥や温度の変化によって容易に死滅するため、粘膜以外から感染することは通常ありません。
女性が感染した場合
女性が感染すると子宮頸管炎や腟炎などの病気を引き起こします。これらはデリケートゾーンの痒みや帯下(おりもの)の異常など、あまり症状がはっきりしなかったり、時に症状がなかったりすることもあります。感染がひどくなると、卵管やお腹全体に広がることがあります。不妊症の原因になることもあります。
男性が感染した場合
男性に感染すると尿道から大量の膿が出たり、強い排尿痛を伴う尿道炎になることが多いです。ただし稀に無症状のこともあり、放置すると精巣上体炎や不妊症になることがあります。
また、近年は性行動の多様化により、男女問わず肛門やのどに感染している場合がありますが、その場合の大半は無症状です。
現在、治療に使用する抗生物質に対して耐性化が進んでおり、効果のある薬剤が限られているため、しっかり専門科で調べてもらったうえで治療する必要があります。
参考文献
一般社団法人 日本性感染症学会性感染症診断・治療ガイドライン2020. 診断と治療社2020.
Sarah Jane Quillin et al. Neisseria gonorrhoeae host adaptation and pathogenesis. Nat Rev Microbiol. 2018, 16, p.226-240.
Furkan Guvenc et al. Intimate Relations: Molecular and Immunologic Interactions Between Neisseria gonorrhoeae and HIV-1. Front Microbiol. 2020, 11, p.1299.
Rafaela Rodrigues et al. Chlamydial and Gonococcal Genital Infections: A Narrative Review. J Pers Med. 2023, 13, p.1170.
淋菌感染症(淋病)の症状
淋菌感染症(淋病)になると、男性はどのような症状が出ますか?
排尿時に痛む、尿道から膿が出るなどの症状が出ます。放置すると精巣などにも広がり、発熱や陰嚢の痛みなどの症状が現れ、無精子症や不妊症になることもあります。
男性の場合、尿道に感染します。のどや肛門、目に感染することもあります。
尿道に感染した場合
感染から2〜7日程度経ってから、下記の症状が出ることが多いです。
- 排尿時に尿道の出口が痛む
- 尿道から白い膿のような分泌液が出る
進行すると、前立腺炎や精巣上体炎などになり、下記の症状が出ることがあります。
さらに進行すると精管狭窄や無精子症など不妊症の原因になることがあります。
のどに感染した場合
無症状のことが多いですが、扁桃炎や咽頭炎の症状が出ることがあります。
- のどが赤くなる、痛む、膿が出る
- 首のリンパ節が腫れる
肛門に感染した場合
無症状のことが多いですが、直腸炎の症状が出ることがあります。
- 肛門に痛みや痒みを感じる
- 肛門周囲から膿が出る
- 便が出ないのに便意を催す
目に感染した場合
感染してから1〜2日後に結膜炎の症状が出ることがあります。
- 充血する
- 目やにが出る
参考文献
一般社団法人 日本性感染症学会性感染症診断・治療ガイドライン2020. 診断と治療社2020.
Mejebi T Mayor et al. Diagnosis and management of gonococcal infections. Am Fam Physician. 2012, 86, p.931-938.
Sarah Jane Quillin et al. Neisseria gonorrhoeae host adaptation and pathogenesis. Nat Rev Microbiol. 2018, 16, p.226-240.
Magnus Unemo et al. Gonorrhoea. Nat Rev Dis Primers. 2019, 5, p.79.
淋菌感染症(淋病)になると、女性はどのような症状が出ますか?
無症状のことが多いですが、帯下(おりもの)が目立つなどの症状があります。治療せずに進行すると、腹痛や不妊などの症状が出ます。
女性の場合は、腟や子宮頸部に感染します。のどや肛門、目に感染することもあります。
腟や子宮頸部に感染した場合
腟炎や子宮頸管炎になり、それに伴って下記のような症状が出ることがあります。ただし、40%程度の方は症状に気がつかないと言われます。
- 異常な腟分泌物が出る、帯下が目立つ
- 性交痛が出る
- 陰部に痒みや赤みが出る
- 性交後など、生理以外での腟からの出血
進行すると感染がお腹の内側や全身に広がり、子宮付属器炎(卵管炎、卵巣炎)や骨盤腹膜炎などを起こして下記のような症状が出ることがあります。
- 下腹部や腹部全体が痛む
- 熱が出る
- 不妊症になる
また、出産時に感染していると産まれたお子さんに感染して、子供の目に異常な分泌物が生じたり、まぶたの腫れや失明などをきたしたりすることがあります。
のどに感染した場合
無症状のことが多いですが、扁桃炎や咽頭炎を起こして下記症状が出ることがあります。
- のどが赤くなる、痛む、膿が出る
- 首のリンパ節が腫れる
肛門に感染した場合
無症状のことが多いですが、直腸炎を起こして下記症状が出ることがあります。
- 肛門に痛みや痒みを感じる
- 肛門周囲から膿が出る
- 便が出ないのに便意を催す
目に感染した場合
感染してから1〜2日後に結膜炎を起こして下記症状が出ることがあります。
- 充血する
- 目やにが出る
参考文献
一般社団法人 日本性感染症学会性感染症診断・治療ガイドライン2020. 診断と治療社2020.
Mejebi T Mayor et al. Diagnosis and management of gonococcal infections. Am Fam Physician. 2012, 86, p.931-938.
Sarah Jane Quillin et al. Neisseria gonorrhoeae host adaptation and pathogenesis. Nat Rev Microbiol. 2018, 16, p.226-240.
Magnus Unemo et al. Gonorrhoea. Nat Rev Dis Primers. 2019, 5, p.79.
淋菌感染症(淋病)の原因
淋菌感染症(淋病)の原因は何ですか?
主に性行為が原因です。
淋菌感染症の主な原因は、感染者との性行為による淋菌の感染です。
通常は尿道や腟、子宮頸部の粘膜に感染しますが、性行動の多様化により、のどや肛門などの性器以外の感染例もあります。コンドームによる予防効果はありますが、完全に防ぐことはできません。
参考文献
一般社団法人 日本性感染症学会性感染症診断・治療ガイドライン2020. 診断と治療社2020.
Mejebi T Mayor et al. Diagnosis and management of gonococcal infections. Am Fam Physician. 2012, 86, p.931-938.
Sarah Jane Quillin et al. Neisseria gonorrhoeae host adaptation and pathogenesis. Nat Rev Microbiol. 2018, 16, p.226-240.
Magnus Unemo et al. Gonorrhoea. Nat Rev Dis Primers. 2019, 5, p.79.
淋菌感染症(淋病)の治療・対処法
淋病(淋菌感染症)への対処法は?
性行為によって伝染する感染症です。パートナーに移さないように配慮してください。ピンポン感染を防ぐため、パートナーと同時に病院を受診し、治療をすることが推奨されます。
淋菌感染症(淋病)は点滴ですぐに治りますか?
淋菌感染症は、通常、抗生剤の筋肉注射や経口投与によって治療することができます。
淋菌感染症は、淋菌に対する抗生剤を筋肉注射や経口投与することによって治療することができます。
最近では、淋菌に対する薬剤耐性菌という抗生剤が効かない菌も増えているため、治りが悪い場合などは注意する必要があります。
また、淋菌は感染したことによって免疫が作られることはありません。そのため、治療後も予防することが再発を防ぐために必要になります。
具体的には、以下のようなことに注意する必要があります。
- 性行為などを行うときは適切にコンドームを用いる
- 不特定多数の異性と性行為を行わない
など
淋菌感染症(淋病)の場合、主にどのような治療をしますか?
主に抗生物質の点滴を行います。できればパートナーの検査・治療も同時に行います。
抗生物質による治療(点滴か筋肉注射)を行います。
抗生物質が効かない淋菌が増えているため、治療効果を判定する検査まで行うことが重要です。
また、再感染を防ぐため、パートナーの方も同時に治療することが重要です。
淋菌と同時に他の性病(クラミジアやマイコプラズマなど)になっていることも多く、同時に治療を進めることがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
淋病(淋菌感染症)の専門医がいる近くの病院はありますか?
淋病(淋菌感染症)の専門医がいる病院を見る淋菌感染症(淋病)の経過・予後
咽頭淋菌感染症は自然治癒しますか?
咽頭淋菌感染症は自然治癒することはありません。
咽頭淋菌感染症は、淋菌感染症と同じく、自然治癒することはありません。淋菌に対する抗生剤を筋肉注射や経口投与することによって治療することができます。
また、治療せずに放っておくと、男女ともにとって、不妊症の原因になることがあります。さらに重症化すると、敗血症や関節炎、心内膜炎、髄膜炎など、体内のさまざまな部位に感染が及ぶことによって、命にかかわることもあります。
妊娠中に感染した場合などは、新生児への感染や流産、早産の可能性の増大などにつながることもあるので、注意が必要です。
淋菌感染症(淋病)は自然治癒しますか?
淋菌感染症は自然治癒することはなく、抗生剤による治療が必要になります。
淋菌感染症は、自然治癒することはありません。淋菌に対する抗生剤を筋肉注射や経口投与することによって治療することができます。
また、治療せずに放っておくと、男女ともに不妊症の原因になることがあります。
さらに重症化すると、敗血症や関節炎、心内膜炎、髄膜炎など、体内のさまざまな部位に感染が及ぶことによって、命にかかわることもあります。妊娠中に感染した場合などは、新生児への感染や流産、早産の可能性の増大などにつながることもあるので、注意が必要です。
淋菌感染症(淋病)に関連するその他の質問
咽頭淋菌感染症はキスで感染しますか?
咽頭淋菌感染症はキスによって感染することもあります。
咽頭淋菌感染症はキスによって感染することもあります。
咽頭淋菌感染症は、淋菌感染症と同じく、性行為などの粘膜接触によって淋菌に感染する病気です。
のどの痛み、腫れ、咳、発熱などといった風邪のような症状が出ますが、症状があまり出ないことも多いです。予防のためには、感染のおそれがある方とはキスや性行為などを行わないことが大切です。キスやオーラルセックスをする場合にも適切にコンドームを使用することが大切です。
また、治療してすぐにパートナーとキスや性行為をしてしまうと、パートナーから移ってしまう恐れもありますし、相手側に感染させてしまうリスクも残っています。そのため、再検査を受けて、感染がないことを確認してから行うようにしましょう。
淋菌感染症(淋病)の点滴後に性行為をしてもよいですか?
淋菌感染症の治療後に再検査をして、感染していないことを確認してから性行為を行うようにしましょう。
淋菌感染症は抗生剤を点滴することで治療することができますが、完全に治るのに5日ほどかかります。そのため、2週間後を目安に再検査して、淋菌に感染していないことを確認することが必要です。
治療してすぐにパートナーと性行為をしてしまうと、パートナーから移ってしまう恐れもありますし、相手側に感染させてしまうリスクも残っています。
また、淋菌は感染したことによって免疫が作られることはありません。そのため、治療後も予防することが再発を防ぐために必要になります。
具体的には、以下のようなことに注意する必要があります。
- 性行為などを行うときは適切にコンドームを用いる
- 不特定多数の異性と性行為を行わない
など
淋菌感染症(淋病)は自然発生しますか?
淋菌は弱い菌であるため、人の粘膜を通じてのみ感染します。
淋菌は弱い菌であるため、単独で存在することはできず、人の粘膜に存在します。他の感染病のように淋菌感染症が自然発生することはありませんし、空気感染などをすることもありません。
淋菌は、人の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒液で簡単に死滅します。
淋菌感染症の原因のほとんどは、腟、口、肛門などの性的接触によるものです。そのため、適切にコンドームを使用していない性的接触や不特定多数の方との性的接触を避けることが、淋菌感染症の予防につながります。
また、自分が淋菌感染症の恐れがあるということは、パートナーもその恐れがあるので、一緒に検査を受けることをおすすめします。
淋菌感染症(淋病)はどこから感染しますか?感染経路を教えてください。
ほとんどの淋菌感染症は、腟、口、肛門などの性的接触によって感染します。
淋菌感染症の原因のほとんどは、腟、口、肛門などの性的接触によるものです。そのため、適切にコンドームを使用していない性的接触や不特定多数の方との性的接触を避けることが、淋菌感染症の予防につながります。
一方で、淋菌感染症の症状の出方として、男性は尿道に感染を起こし、膿のような分泌物が尿道から出てきたりとわかりやすいことが多いですが、女性は子宮の中に感染し、症状も無症状のことが多いです。
そのため、パートナーの男性のみが治療した場合、女性が罹患したままである場合も多くあります。その場合には、再び女性から男性に移してしまうため、パートナーが淋菌感染症になってしまった場合は、二人とも検査、治療を受けることが大切です。
淋菌感染症(淋病)について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「淋病(淋菌感染症)」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 尿道から膿が出ていますか?
- おしっこの出るところが赤くなっているか、もしくは腫れていますか?
- 排尿するときに、焼けるような感じや痛みを伴い、尿の量も少ないような状態ですか?
- 尿の出始めに痛みがありますか?
- 尿道のかゆみ、不快感がありますか?
淋菌感染症(淋病)に関連する病気・症状
この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03