副甲状腺機能低下症の症状は?副甲状腺機能低下症
監修医師濵﨑 秀崇はまさき医院 内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
副甲状腺機能低下症とは
「副甲状腺機能低下症」とはどのような病気ですか?
「副甲状腺ホルモン」というホルモンの働きが低下する病気です。血液中のカルシウム濃度の異常などが起こります。
副甲状腺とは、首にある甲状腺の裏側に存在する数mm大の小さな臓器です。通常左右に2個ずつ計4個あります。副甲状腺は「副甲状腺ホルモン」というホルモンを分泌することで体の中のカルシウム濃度などを保っています。
副甲状腺機能低下症では、主にこの副甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、血液中のカルシウム濃度の低下(低カルシウム血症)をはじめとした電解質の異常が起こり、さまざまな症状をきたします。
副甲状腺機能低下症の症状
副甲状腺機能低下症ではどのような症状がありますか?
低カルシウム血症が原因のテタニーやけいれんが見られます。
副甲状腺機能低下症では、血中カルシウム濃度が低下(低カルシウム血症)することに伴いさまざまな症状が見られます。軽度の低カルシウム血症では症状は出ませんが、進行すると以下のような症状が出現します。
また、低カルシウム血症が長い間続くと、認知機能の低下、腎機能の低下、皮膚の乾燥や脱毛などが見られることもあります。
副甲状腺機能低下症には初期症状はありますか?
初期症状としては手足のしびれなどが多いです。
個人差もありますが、初期症状としては手足のしびれや筋肉のこわばりなどを感じる方が多いようです。一方で、血液中のカルシウム濃度がある程度低下してから症状が現れるため、初期(軽度)の副甲状腺機能低下症では症状の自覚が乏しいことも多く、健康診断などで偶然見つかることもあります。
副甲状腺機能低下症の原因
副甲状腺機能低下症の原因は何がありますか?
甲状腺や副甲状腺の手術、遺伝、免疫異常などさまざまな原因があります。
副甲状腺機能低下症の主な原因として、手術などの治療の影響や、遺伝性の病気などが挙げられます。
手術などの治療の影響
副甲状腺は甲状腺の裏側にあるため、甲状腺をはじめとした首周囲の手術の際に、副甲状腺が損傷することや副甲状腺ごと摘出することがあり、副甲状腺機能低下症の主な原因となります。
また、がんに対する放射線治療などの影響で副甲状腺の機能が低下することもあります。
遺伝性の病気
遺伝によって生まれつき副甲状腺が存在しない場合や、副甲状腺が機能しない場合もあります。例えば「ディジョージ症候群」という遺伝性の病気では、高頻度で副甲状腺の欠損や心臓の病気が見られます。また、副甲状腺ホルモンは分泌されるのに正常に機能しない遺伝性の病気(偽性副甲状腺機能低下症)もあります。
免疫の病気
一部の免疫の病気(自己免疫性多腺性内分泌症候群1型など)では、副甲状腺をはじめとする臓器が徐々に破壊されてしまい、副甲状腺機能低下などのさまざまな症状をきたします。
副甲状腺機能低下症の検査・診断
副甲状腺機能低下症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
以下の症状に当てはまるかセルフチェックしましょう。1つ以上当てはまる場合には副甲状腺機能低下症の可能性があります。
診断のためには、血液検査でカルシウム濃度や副甲状腺ホルモン値を確認する必要があります。特に手足や唇のしびれ、手足のけいれん、全身の筋肉の硬直やけいれんのいずれか1つを満たす場合は、医療機関を受診のうえ血液検査を受けましょう。
なお、症状検索エンジン「ユビー」(ubie.app)で質問に答えるだけでセルフチェックを行うことも可能です。無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
副甲状腺機能低下症の治療・対処法
副甲状腺機能低下症の場合、主にどのような治療をしますか?
症状がある場合には、血液中のカルシウム濃度を上げる薬の内服や点滴を行います。
副甲状腺機能低下症の治療では、血液中のカルシウム濃度を上げる作用のある薬の内服や点滴を行います。治療の目標はカルシウム濃度を正常に保つことではなく、カルシウム濃度の低下に伴う症状を改善することであり、投与は最低限行うにとどめます。
注射薬(カルシウム製剤)
血液中のカルシウム濃度が著しく低下しているような場合、カルシウム製剤(グルコン酸カルシウム)の点滴投与をすることがあります(緊急対応)。
内服薬(活性型ビタミンD、カルシウム製剤など)
まずはカルシウム製剤の内服を行い(初期治療)、ある程度血液中のカルシウム濃度が上昇してきたら、活性型ビタミンDの内服に切り替えて再度カルシウム濃度が低下しないようにします(維持療法)。活性型ビタミンDはカルシウムそのものではありませんが、腸管からのカルシウムの吸収を促すことで血液中のカルシウム濃度を保つ働きがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
副甲状腺機能低下症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、病院を受診する目安はありますか?
手足のこわばりなどの症状がある時や、健康診断でカルシウム濃度の低下を指摘された時は、内科を受診しましょう。
手足のしびれやこわばり、その他何らかの症状がある場合には、内科を受診しましょう。健康診断などですでにカルシウム濃度の低下を指摘されている場合には、可能であれば内分泌を専門とする内科の受診を推奨します。かかりつけ医がある場合には、まずはかかりつけ医と相談しましょう。
副甲状腺機能低下症の専門医がいる近くの病院はありますか?
副甲状腺機能低下症の専門医がいる病院を見る副甲状腺機能低下症について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「副甲状腺機能低下症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 顔のどこががけいれんしますか?
- しびれや感覚のおかしさを感じますか?
副甲状腺機能低下症に関連する病気・症状
この記事の監修医師
濵﨑 秀崇 先生
はまさき医院 内科・糖尿病内科・内分泌・代謝内科
【経歴】 2002年 東京大学理学部 生物学科 卒業 2008年 広島大学医学部 医学科 卒業 2008年 国立病院機構横浜医療センター 研修医 2010年 国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 レジデント 2012年 国立国際医療研究センター国府台病院 内科 医師 2016年 自治医科大学大学院 医学系研究科 卒業 2017年 医療法人泰水会 濵﨑クリニック 医師 2022年 University of Derby MBA Global 修了 2024年 University of Manchester MRes Public Health 修了
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03