糖尿病網膜症のレーザー治療は痛いですか?
レーザーの照射回数が多い汎網膜光凝固術では目の奥に痛みを感じることがあります。
糖尿病網膜症のレーザー治療(光凝固術)とは
糖尿病網膜症のレーザー治療は、正式には「網膜光凝固術(もうまくひかりぎょうこじゅつ)」と呼ばれます。糖尿病によって傷んだ網膜にレーザー光を照射し、異常な血管の発生や出血を抑える治療法です。糖尿病網膜症診療ガイドラインや糖尿病診療ガイドライン2024でも、糖尿病網膜症に対する標準的な治療のひとつとして位置づけられています。
糖尿病網膜症のレーザー治療の痛みはどの程度か
レーザー治療の痛みには個人差がありますが、日本眼科学会によると、1発あたりの照射時間は0.01〜0.2秒程度とごく短時間で、まったく痛みを感じないこともあれば、目の奥に痛みを感じる場合があります。
網膜の広い範囲にレーザーを照射する汎網膜光凝固術(はんもうまくひかりぎょうこじゅつ)では、数百〜数千発の照射が必要になります。海外の調査では、汎網膜光凝固術を実施する施設の約88%が「痛みを伴う」と報告しています(Richardson C, et al. Eye. 2009)。
糖尿病網膜症のレーザー治療で使われる麻酔方法
レーザー治療では、主に以下の麻酔方法が用いられます。
- 点眼麻酔:目薬タイプの麻酔薬を点眼する方法で、最も一般的に使用されます(日本眼科学会)
- テノン嚢下麻酔(のうかますい)または球後麻酔(きゅうごますい):眼球の周囲に麻酔薬を注入する方法で、点眼麻酔よりも強い鎮痛効果が得られます。痛みが強い場合に選択されることがあります(Richardson C, et al. Eye. 2009)
糖尿病網膜症のレーザー治療で痛みが強い場合の対処法
痛みの感じ方には個人差があるため、治療中に痛みが強い場合は、レーザーの出力を調整したり、麻酔方法を変更したりすることが可能です。痛みが心配な場合や治療後に強い痛みが続く場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本眼科学会「眼科領域のレーザー治療」https://www.nichigan.or.jp/public/disease/treatment/item06.html.(参照 2026-09-17).
日本糖尿病眼学会診療ガイドライン委員会. 糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版). 日眼会誌. 2020;124(12):955-981.
日本糖尿病学会 編. 糖尿病診療ガイドライン2024 第8章 糖尿病網膜症.
Richardson C, Waterman H. Pain relief during panretinal photocoagulation for diabetic retinopathy: a national survey. Eye (Lond). 2009;23(12):2233-7. PMID: 19169228
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東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
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