糖尿病網膜症の目の検査にはどのようなものがありますか?
眼底検査を基本に、OCT(光干渉断層計)や蛍光眼底造影検査などが用いられます。自覚症状がなくても年1~2回の定期検査が重要とされています。
糖尿病網膜症の基本的な目の検査
糖尿病網膜症の診断では、まず視力検査・眼圧検査・細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)といった基本的な検査を行います。これらの検査で目の全体的な状態を確認したうえで、散瞳(さんどう:目薬で瞳を広げること)して行う精密眼底検査が中心となります。眼底検査では、網膜(もうまく)の血管の状態や出血の有無を直接観察でき、小さな出血も発見することが可能です(日本眼科医会)。
糖尿病網膜症の精密検査
基本的な眼底検査に加え、病状に応じて、以下の精密検査が行われます。
蛍光眼底造影検査(けいこうがんていぞうえいけんさ)
腕の血管から特殊な造影剤を注射し、網膜の血管の血液の流れを詳しく調べる検査です。血管のつまりや異常な新しい血管(新生血管)の有無を確認できます(糖尿病網膜症診療ガイドライン2020)。
OCT(光干渉断層計)
近赤外線の光を使って、網膜の断面を画像化する検査です。網膜のむくみ(黄斑浮腫)の有無や程度を正確に評価するために用いられます(糖尿病網膜症診療ガイドライン2020)。
糖尿病網膜症の検査でわかること
これらの検査を組み合わせることで、以下のことがわかります。
- 網膜の出血や白斑(はくはん)の有無
- 血管のつまり具合や新生血管の有無
- 黄斑浮腫(おうはんふしゅ:網膜の中心部のむくみ)の有無と程度
- 糖尿病網膜症の進行度
これらの所見をもとに、治療が必要かどうかや治療方針が判断されます(日本眼科学会)。
糖尿病網膜症の定期検査の頻度と重要性
糖尿病網膜症は初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な目の検査が早期発見のカギとなります。少なくとも年1~2回は目の定期検査が推奨されており(日本眼科学会)、網膜症の進行度によっては、より頻繁な検査が必要になることがあります(糖尿病情報センター)。見え方に変化がなくても、定期検査を続けることが大切です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本糖尿病眼学会診療ガイドライン委員会. 糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版). 日眼会誌. 2020, 124, p.955−981.
日本眼科学会.“糖尿病網膜症”..https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=49,(参照 2026-07-07).
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター.“網膜症”..https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/050/01.html,(参照 2026-07-07).
堀 貞夫.“糖尿病で失明しないために”.日本眼科学会.https://www.gankaikai.or.jp/health/35/index.html,(参照 2026-07-07).
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東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
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