糖尿病網膜症でレーザー治療では、術後の注意点や副作用はありますか?
糖尿病網膜症のレーザー治療(光凝固術)では、術後に視力低下や黄斑浮腫(おうはんふしゅ)、痛みなどの副作用が起こることがあり、治療後の定期的な経過観察が大切です。
糖尿病網膜症のレーザー治療は、網膜光凝固術(もうまくひかりぎょうこじゅつ)と呼ばれ、進行した網膜症の悪化を防ぐために行われます。治療にはいくつかの副作用があり、術後の注意点を知っておくことが大切です。
糖尿病網膜症のレーザー治療(光凝固術)とは
光凝固術は、酸素不足になった網膜にレーザーを照射し、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質の産生を抑えることで、異常な血管の発生を防ぐ治療です(日本眼科医会『糖尿病網膜症による視力低下―予防と治療―』)。
網膜症の進行を食い止めることが目的であり、視力を元の状態に戻す治療ではありません(日本眼科学会『糖尿病網膜症』)。
広範囲に照射する汎網膜光凝固術(はんもうまくひかりぎょうこじゅつ)では、何百から何千発ものレーザーを照射することがあります(日本眼科学会『眼科領域のレーザー治療』)。
糖尿病網膜症のレーザー治療の副作用
レーザー治療後には、以下のような副作用が起こることがあります。
- 視力の変化:多くの場合、治療後の視力は不変かむしろ低下するとされています(日本眼科学会『糖尿病網膜症』)
- 黄斑浮腫:光凝固後に黄斑浮腫(網膜の中心部分がむくむ状態)が出現したり、悪化したりする可能性があります。黄斑浮腫のリスクが高い場合は、照射数を減らしたり、浮腫の治療を先に行ったりすることもあります(糖尿病網膜症診療ガイドライン2020)
- 痛み:汎網膜光凝固術では照射数が多いため、治療中に鈍い痛みを感じることがあります(日本眼科学会『眼科領域のレーザー治療』)
糖尿病網膜症のレーザー治療後の注意点
治療の効果は数か月かけて眼底所見で判定されるため、術後も定期的な通院と経過観察が必要です(糖尿病網膜症診療ガイドライン2020)。治療を途中で中断すると失明のリスクが高まるとされており、医師の指示に従って治療を最後まで続けることが重要です(日本眼科医会『糖尿病網膜症による視力低下―予防と治療―』)。
治療後に見え方に変化を感じたときや、症状が気になるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本糖尿病眼学会診療ガイドライン委員会. 糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版). 日眼会誌. 2020, 124, p.955−981.
日本眼科学会.“眼科領域のレーザー治療”..https://www.nichigan.or.jp/public/disease/treatment/item06.html,(参照 2026-07-07).
日本眼科学会.“糖尿病網膜症”..https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=49,(参照 2026-07-07).
村田敏規.“糖尿病網膜症による視力低下―予防と治療―”.日本眼科学会.https://www.gankaikai.or.jp/health/60/index.html,(参照 2026-07-07).
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東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
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