糖尿病網膜症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

監修医師山口 知暁眼科 / 東北大学病院

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糖尿病網膜症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

血糖治療が基本で、黄斑浮腫がある場合には、抗VEGF薬やステロイド薬が使われます。眼内炎などの副作用が起こることがあります。

糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症のひとつで、血糖値が高い状態が続くことで目の網膜(もうまく)の血管が傷つく病気です。ここでは、治療に使われる主な薬と副作用について解説します。

糖尿病網膜症の治療の基本

糖尿病網膜症の治療で最も大切なのは、血糖コントロールです。血糖値が高い状態が長く続くほど網膜症が進みやすくなるため、糖尿病の治療薬(飲み薬やインスリン注射など)で血糖値を適切に管理することが基本とされています(糖尿病網膜症診療ガイドライン)。ただし、急激に血糖値を下げると一時的に網膜症が悪化する可能性が指摘されており、医師の指導のもとで段階的に改善していくことが大切です(国立国際医療研究センター)。

糖尿病網膜症に使われる抗VEGF薬とは

糖尿病網膜症が進行し、糖尿病黄斑浮腫(おうはんふしゅ:網膜の中心部にむくみが生じた状態)がみられる場合には、抗VEGF薬(こうブイイージーエフやく)の硝子体内注射(しょうしたいないちゅうしゃ:目の中に薬を注入する治療)が行われることがあります。VEGF(血管内皮増殖因子)とは血管の異常な成長やむくみを引き起こす物質で、この薬はその働きを抑えます(日本眼科学会)。効果は一時的で、繰り返しの投与が必要になることがあります(国立国際医療研究センター)。

糖尿病網膜症の治療薬の副作用

治療薬に関連する主な副作用には、以下のものが報告されています。

  • 抗VEGF薬:結膜下出血や眼圧上昇、眼痛などがあります。また、極めてまれですが、眼内炎(がんないえん:目の中に感染が起こる状態)が報告されており、重い視力低下を引き起こす可能性があります(日本眼科学会)
  • ステロイド薬:糖尿病黄斑浮腫に対して使用されることがありますが、緑内障(りょくないしょう:眼圧が上がり視神経が傷つく病気)を発症するリスクが指摘されています(日本眼科医会)

糖尿病網膜症のレーザー治療・手術

薬物治療のほかに、網膜の異常な血管の進行を抑えるレーザー治療(網膜光凝固)や、重症の場合に行われる硝子体手術があります。レーザー治療は糖尿病網膜症による失明を防ぐうえで大きな役割を果たしてきた治療法です(日本眼科医会)。糖尿病と診断された方は、自覚症状がなくても網膜症が進行している場合があるため、定期的な眼科検査について医療機関への受診をご検討ください。

(参考文献)

日本糖尿病眼学会診療ガイドライン委員会. 糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版). 日眼会誌. 2020;124:955-981.
国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター『網膜症』https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/050/01.html.(参照 2026-10-17).
公益社団法人日本眼科医会『糖尿病網膜症による視力低下―予防と治療―』https://www.gankaikai.or.jp/health/60/index.html.(参照 2026-10-17).
公益財団法人日本眼科学会『抗VEGF治療』https://www.nichigan.or.jp/public/disease/treatment/item03.html.(参照 2026-10-17).

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