好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は血液検査でわかりますか?
血液検査で好酸球の増加やMPO-ANCA陽性がわかりますが、これだけでは確定診断できず、臨床所見や病理検査との組み合わせが必要です。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の血液検査でわかることと、確定診断に必要な情報を整理します。
血液検査でわかること
EGPAは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎(好酸球性副鼻腔炎など)のある方に発症しやすい自己免疫疾患(指定難病)です。血液検査では、EGPAを強く疑うための極めて重要な手がかりとして、以下の所見が確認できます。
- 好酸球の著しい増加: 血液中の白血球の一種であり、アレルギーに関わる「好酸球」の割合や実数が著しく異常増加(好酸球増多)します。
- 自己抗体(MPO-ANCA)の検出: 血管炎の診断の手がかりとなるMPO-ANCA(抗好中球細胞質抗体の一種)が陽性となることがあります。
- その他の炎症所見: CRPの高値や血沈の亢進といった強い炎症反応や、血清IgE(アレルギー反応に関わる抗体)の高値がみられることがあります。
血液検査の限界
血液検査の所見は診断に不可欠ですが、血液検査の結果だけで確定診断を下すことはできません。
特に注意が必要な点として、EGPA患者さんの約半数はANCA検査が陰性となります。そのため、「血液検査で自己抗体が検出されなかったから」といって、この病気を否定することはできません。
確定診断に必要な検査
正確な確定診断を確立するためには、血液検査の異常に加えて、次のような情報を組み合わせて総合的に判断する必要があります。
- 臨床症状の確認: コントロールが難しい気管支喘息の既往や、手足のしびれなどの血管炎による特徴的な症状の有無。
- 画像検査: CT検査などによる肺や副鼻腔の病変の確認。
- 組織生検: 影響を受けている皮膚、神経、筋肉などの組織の一部を採取し、顕微鏡で調べます。この検査で「壊死性血管炎」や、著しい好酸球の浸潤を伴う「好酸球豊富な肉芽腫性炎症」の所見を確認することが、確定診断において最も重要な役割を果たします。
血液検査の結果だけで自己判断せず、喘息の悪化や手足のしびれ、急な発熱など気になる症状がある場合は、リウマチ膠原病内科や呼吸器内科などの専門医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
川嶋聡子.“好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)”.日本リウマチ学会(JCR).https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/egpa/,(参照 2026-08-17).
国立がん研究センター.“指定難病45 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 診断基準”.がん情報サービス.https://www.nanbyou.or.jp/entry/3878,(参照 2026-08-17).
国立がん研究センター.“指定難病45 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 概要”.がん情報サービス.https://www.nanbyou.or.jp/entry/3878,(参照 2026-08-17).
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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