好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と多発血管炎性肉芽腫症の違いはなんですか?
EGPAは「気管支喘息の合併」と「著しい好酸球の増加(鼻茸など)」が特徴ですが、GPAは喘息を伴わず、「鼻や軟骨の破壊的病変(鞍鼻など)」が特徴です。また、GPAはPR3-ANCAが高頻度で陽性になるのに対し、EGPAは半数以上がANCA陰性となるなど、検査所見や病理にも明確な違いがあります。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA)について、それぞれの特徴と主な違いを整理します。
両疾患の概要
EGPA(旧称:チャーグ・ストラウス症候群)とGPA(旧称:ウェゲナー肉芽腫症)は、どちらも全身の小型血管に炎症が起こる「ANCA関連血管炎(AAV)」というグループに分類される国の指定難病です。しかし、発症の背景や現れる症状、検査結果には明確な違いがあります。
EGPAとGPAの決定的な違い
臨床的・病理学的に、両者には主に以下の4つの大きな違いがあります。
- 気管支喘息と好酸球増多の有無:
- EGPA: 気管支喘息を合併し、血液中の好酸球(アレルギーに関わる白血球)が著しく増加(5,000〜9,000個/μLなど)するのが最大の特徴です。
- GPA: 気管支喘息は合併せず、好酸球の増加がみられたとしても軽微です。
- 上気道(鼻や耳など)病変の特徴:
- 自己抗体(ANCA)の陽性率とタイプ:
- EGPA: 約半数はANCA検査が陰性となります。陽性となる場合は、主に「MPO-ANCA」が検出されます。
- GPA: 欧米では、約65〜75%で「PR3-ANCA」が陽性となる一方、国内ではMPO-ANCAが約半数を占めるとされています。
- 組織病理学的(顕微鏡)所見:
- EGPA: 組織を顕微鏡で見ると、著しい好酸球の浸潤を伴う「好酸球が豊富な壊死性肉芽腫性炎症」が確認されます。
- GPA: 肉芽腫性炎症はみられますが、EGPAのように好酸球が豊富に含まれることは通常ありません。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の主な症状
EGPAは、段階的に症状が進行することが多い病気です。代表的な症状として以下が挙げられます。
- 先行症状: コントロールの難しい気管支喘息や、鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎が先行して起こります。
- 全身症状・血管炎症状: その後、血液中の好酸球が著しく増加し、発熱、体重減少、紫斑(皮膚の内出血)などが現れます。
- 神経症状: 血管炎によって神経の血流が絶たれることで、手足の激しいしびれや痛み、手首や足首がだらりと下がって動かせなくなる「下垂手・下垂足」といった運動麻痺(多発単神経炎)が起こります。これは急性期を過ぎても後遺症として残りやすい症状です。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療
治療は、炎症を強力に抑える副腎皮質ステロイド薬を中心に行うのが原則です。重症例やステロイド薬だけでは効果が不十分な場合、あるいはステロイドを減量していく過程で、免疫抑制薬や生物学的製剤(抗IL-5抗体など)を組み合わせて治療を行います。
気管支喘息の症状が悪化して治りにくいと感じている場合や、そこに手足のしびれ、発熱などの全身症状が新たに加わった場合は、速やかにリウマチ膠原病内科や呼吸器内科などの専門医療機関の受診をご検討ください。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症について、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症について、気になる症状はありますか?
もっとも当てはまる項目を選択してください。
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
公開日:
最終更新日:
編集・監修基準について
本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。
Q作成
医師執筆/監修
QAレビュー
公開
京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです
