好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と気管支喘息の関係はありますか?
極めて密接な関係があります。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、国際的な基準でも「気管支喘息および好酸球増多を伴う」血管炎と定義されており、気管支喘息の存在は、他の類似した血管炎とこの病気を明確に区別するための極めて重要な診断のポイントとなります。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と気管支喘息の関係について、病気の定義や発症の経過、症状の概要を順に整理します。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)とは
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、以前は「チャーグ・ストラウス症候群」と呼ばれていた自己免疫疾患(指定難病)です。
国際的な疾患分類(CHCC2012)においても、「気管支喘息(アレルギー性喘息)および好酸球増多を伴う」壊死性の血管炎と定義されています。血液中の「好酸球(アレルギー反応に関わる白血球の一種)」が異常に増加し、全身の細い血管に炎症を起こします。名前が似ている「多発血管炎性肉芽腫症(GPA)」とは、特徴が異なる別の病気です。
気管支喘息との極めて密接な関係
EGPAは、もともと気管支喘息やアレルギー性鼻炎(鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎など)を持つ方に発症するという大きな特徴があります。
単に関係が深いというだけでなく、「気管支喘息があること」と「好酸球が著しく増加していること」は、EGPAをGPAなどの他の血管炎から明確に区別するための極めて重要な鑑別点とされています。つまり、気管支喘息はこの病気が発症する重要な背景となっています。
発症の典型的な経過
病状は一般的に、以下の3つの段階を経て進行することが多いとされています。
- 喘息・アレルギー期: 気管支喘息や好酸球性副鼻腔炎の症状が先行し、コントロールが難しくなり悪化する。
- 好酸球増多期: 血液中や組織で好酸球の数が著しく増加する。
- 血管炎期: 全身の血管に炎症が起こり、血流障害による多彩な症状が現れる。
血管炎による主な症状
血管炎期に入ると、全身の臓器に以下のような影響が及びます。
- 全身症状: 発熱、体重減少、強い倦怠感
- 神経症状: 手足の激しいしびれや痛み。進行すると手首や足首がだらりと下がって動かせなくなる運動麻痺(下垂手・下垂足などの多発単神経炎)
- 呼吸器症状: 咳、喘鳴、呼吸困難の悪化
- 皮膚症状: 紫斑(内出血のようなあざ)、皮下結節、皮膚の潰瘍
- その他: 関節痛、筋肉痛、腹痛(消化管の潰瘍など)
もともとある気管支喘息の症状が悪化して治りにくいと感じている場合や、そこに急な手足のしびれ、発熱、皮膚の異常などの全身症状が新たに加わった場合は、速やかにリウマチ膠原病内科や呼吸器内科などの専門医療機関の受診をご検討ください。
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(参考文献)
難病情報センター.“好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(指定難病45)”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/3877,(参照 2026-08-17).
川嶋聡子.“好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)”.日本リウマチ学会(JCR).https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/egpa/,(参照 2026-08-17).
日本呼吸器学会.“C-06 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症”..https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-06.html,(参照 2026-08-17).
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業. ANCA関連血管炎診療ガイドライン2023. 診断と治療社. 2023
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編集・監修基準について
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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