心膜炎の死亡率について教えてください。

急性心膜炎は多くが自然に治りますが、重症例も含めると2週間の入院期間で1.4％が死亡したとする報告もあります。心膜炎の多くは、風邪の原因となるウイルス感染が原因の軽症なタイプです。このような心膜炎は、特別な治療をしなくても、通常1〜3週間で症状が改善し、完全に治ることが期待されます。

しかし、心膜炎が原因で命に関わる重篤な状態になることもあります。特に、心膜の炎症が重症化した場合や、原因が特定のがんや感染症である場合には注意が必要です。心膜炎で危険性が高まる状況は次の通りです。

心臓が圧迫される場合（心タンポナーデ）

心臓を包む膜の中に液体が大量に溜まり、心臓が圧迫されて、全身に血液を送り出すポンプの機能が妨げられる状態です。こうなると死に至ることもあるため、即時の緊急治療が必要です。

がんが原因の場合

がんが心臓の膜に広がって起こる心膜炎の場合、回復の見込みが低く、生存期間が12〜18カ月となることがまれであるとされています。

特定の細菌感染の場合

例えば、心臓に埋め込まれた医療機器に細菌が感染して起こる場合は、死亡率が約5%と報告されています。日本の報告では、原因がはっきりしない心膜炎（特発性心膜炎）では、1〜2週間の入院中の死亡率が1.4％とする報告もあります。