心膜炎で薬が効かない場合、どうしたらよいですか？

薬が効かない場合、心臓の周りの水を抜く処置や、硬い膜を切る手術を行います。薬を使っても炎症が治まらない場合や、病状が進行して心臓の働きに支障が出ている場合は、薬以外の処置や手術が必要になります。薬が効かない場合に必要となる主な治療は、心臓の状態によって異なります。

1. 心臓の周りに溜まった液体を抜く処置（心嚢穿刺）

心臓を包む薄い膜の中に液体が大量に溜まって、心臓の働きが妨げられる状態になった場合、これは命に関わるため、緊急に治療が必要です。 この場合、体表面から針を刺し、カテーテルという細い管を使って心膜の中から溜まった液体を排出する処置を行います。

2. 硬くなった心膜を切除する手術（心膜切除術）

心膜の炎症が長期間続くと、心膜が硬く分厚くなり、心臓の動きを妨げる「収縮性心膜炎」という状態になることがあります。この進行した病態に対しては薬では改善しないため、硬くなった心膜全体を外科的に取り除く「心膜切除術」という手術が根本的な治療となります。