心膜炎ではどのような症状がありますか？

心膜炎の主な症状は、心臓全体を包む薄い膜（心膜）が炎症を起こし、刺激されることで生じる「胸の痛み」です。この痛みは、心臓と胸壁の距離が変化するような体位や動作によって痛みが変化するという特徴があり、他の胸の痛みとは区別されます。心膜炎の胸の痛みの特徴は次の通りです。

• 痛みは鋭く刺すような、または鈍い圧迫感として感じられます。
• 深呼吸や咳、体を動かすと痛みが強くなります。
• 座って前かがみになると痛みが和らぐことがあります。

胸の痛み以外にも、全身の炎症反応に伴う次のような症状が現れることが一般的です。

• 発熱（高熱または微熱）。
• 全身の倦怠感（だるさ）。
• 動悸（心臓がドキドキすること）。
• 息切れや呼吸困難。

症状の現れ方は人によってさまざまで、軽症の場合は特別な治療をしなくても自然に回復することもあります。しかし、炎症が進み心臓の周りの空間に液体が過剰に溜まると、心臓の働きが妨げられる「心タンポナーデ」という命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性があり、すぐに治療が必要です。