過活動膀胱にはどのような薬を用いますか?
β3作動薬や抗コリン薬等の内服薬を主に使用します。
主に2種類のタイプの薬(抗コリン薬、β3受容体作動薬)が一般的です。場合によっては、両方使用することもあります。難治性の過活動膀胱の場合は、ボツリヌス毒素の膀胱内注入療法をすることもあります。いずれも効果が強く出ると、逆に尿が出にくくなることや完全に出なくなることもあるため、適宜、排尿後の残尿量を調べることが必要です。
抗コリン薬
膀胱の平滑筋の過剰な活動を抑え、膀胱から脳への刺激を減らす効果があり、過活動膀胱の薬として最初に研究開発された薬です。いくつも種類があります。副作用として、便秘や口の乾き(口渇)、視界のぼやけ(霧視)といったものがあり、他の薬との飲み合わせで副作用が強くなることもあります。近年、認知症のリスクを上げる可能性も報告されており、処方の見直しをすることもあります。
β3受容体作動薬
膀胱の平滑筋を緩ませて、尿意切迫感や頻尿の症状を軽減します。薬の効き方が異なるため、抗コリン薬で問題となる副作用は少ないですが、不整脈や便秘、口の乾燥が出る方もいます。また、認知機能への影響が見られない可能性等が報告されております。現在は2種類のみですが、抗コリン薬よりも飲み続けられることが多いようです。
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
尿道から膀胱鏡という内視鏡を挿入し、神経の伝達をブロックするボツリヌス毒素の一種を膀胱に直接注入する治療法です。膀胱から脳への過剰な信号を抑える効果等があり、神経因性膀胱や原因が特定できない過活動膀胱の方の中で、内服治療だけでは効果がない方に対して、使用が認められています。個人差がありますが、効果の持続時間は8~9ヶ月と言われ、複数回繰り返すこともできます。副作用としては、尿が出しにくくなる、尿が出なくなる(尿閉)、膀胱炎などの尿路感染症が挙げられます。
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最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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