心電図のST上昇とはなんですか?
ST上昇とは心筋梗塞で認められる、重度の血流障害を反映した心電図所見です。
心電図は、心臓の筋肉内の電位を体表の電極で検知し、波形をつくっています。
STは心電図の波形のうち、S波の終わりからT波の始まりまでの部分を示します。
ST上昇とは、心電図のSTという部分が基準となる線よりも上昇している状態です。
心筋梗塞などで見られることが多く、重度の血流障害を起こした部位の電位が異常をきたし、心筋が壊死した部位に対応する誘導の心電図波形でST上昇を引き起こします。
心筋梗塞以外に、心臓表面の膜に炎症を生じる心膜炎などでも見られることがあります。
血流障害がなくても、若年者や痩せている方などでは、病的ではない、良性のST上昇を生じることもあります。
ただし、そのST上昇が良性かどうかを判断するには、ST上昇の具合やその他の特徴も考慮する必要があります。もしも健康診断で受診を勧められた場合には、一度循環器内科で診てもらうようにしましょう。
おだかクリニック 循環器内科 副院長
小鷹 悠二 監修
(参考文献)
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