尿意があるのに尿が出ない場合、考えられる病気には何がありますか?
尿意があるのに尿が出ない場合、膀胱収縮障害や、男性の場合には前立腺肥大症の可能性が考えられます。
尿意があるのに尿が出ない場合は、主に、尿がたまっているのに排出できないという「尿閉」が考えられます。
しかし、過活動膀胱や膀胱炎などでもこの症状が起こる可能性はあります。いずれも放置すると悪化することがあるので、症状が気になったら泌尿器科を受診しましょう。
「尿閉」の原因としては以下の病気などが考えられ、それぞれが合併して起こることもあります。
膀胱の病気
下腹部のあたりに「膀胱」という袋状の臓器があります。膀胱には、尿をためる機能と、たまった尿を体外に排出する機能があります。この膀胱の収縮力が低下したり、膀胱の出口が何かで詰まったりすると、尿を出せなくなることがあります。
- 低活動膀胱
- 膀胱タンポナーデ
- 膀胱結石
- 膀胱がん
など
前立腺の病気
男性の膀胱の出口には、尿道を取り囲むようにして「前立腺」という臓器があります。病気によって尿道への圧迫が強くなると、尿が通れなくなることがあります。
など
尿道の病気
尿は膀胱から尿道を通って体外に排出されます。逆に尿道が通れないと尿を体外に出すことができなくなります。
- 尿道損傷
- 尿道狭窄症
- 尿道結石
など
その他の病気
神経系や骨盤内の構造に異常が生じると、膀胱や尿道がうまく機能できず、尿が出せなくなることがあります。
神経因性膀胱
など
薬剤性
- アルコール
- 風邪薬(抗コリン薬)
など
骨盤臓器脱
- 膀胱瘤
- 子宮脱
など
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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