尿が出せないときは、どのように対処しますか?
尿が出せなくなった場合はすぐに泌尿器科を受診し、カテーテルを使用して尿を排出する必要があります。
尿が出せない場合は、自分ではどうにもできないことが多いので、まず深呼吸してリラックスしましょう。
次に、下腹部が硬いか、痛いか、押すと痛みが増すかを確認しましょう。
下腹部の症状がある場合
実際に尿がたまっているかどうかによって対応が異なりますが、近くの泌尿器科に連絡して速やかに受診しましょう。
下腹部に特に症状がない場合
当日中に近くの泌尿器科に受診しましょう。
ただし、
といった症状もある場合は、脳や脊髄など神経系の病気の可能性があります。救急科や内科を先に受診できるように地域の病院に連絡しましょう。
脳や脊髄の緊急の病気でなく、実際に泌尿器科に受診された場合は、以下のような対応がなされることが多いです。
まず、超音波(エコー)検査で膀胱内に尿がたまっているか確認します。
尿がたまっている場合
下腹部の症状もある場合は、カテーテルを膀胱に留置して膀胱を空にして、α1遮断薬などを飲んでもらいつつ、しばらく生活していただきます。原因の病気が分かればさらに治療を加えて、カテーテルを留置してから数日~4週間後あたりにカテーテルを抜去できるかなどを検査します。
下腹部の症状があまりない場合は、慢性的に尿閉の状態(慢性尿閉)の可能性があります。状態に合わせて、定期的に排尿してもらう行動療法や、カテーテルによる導尿、薬物療法などを検討します。
尿がたまっていない場合
症状に対する対症療法を行いつつ、原因があれば原因に対する治療を行います。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
B.A. Selius, et al. Am Fam Physician. 2008, 77, 0643-0650.
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榊原隆次. 神経因性膀胱ベッドサイドマニュアル 改訂第2版. 中外医学社. 2023
日本排尿機能学会など. 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン 2019年版. 中外医学社. 2019
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編. 二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン2017年版. リッチヒルメディカル. 2017
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 過活動膀胱診療ガイドライン第3版. リッチヒルメディカル. 2022
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