「尿意があるのに尿が出ない」とはどのような状態を指しますか?
尿意を感じてトイレに行っても、実際には排尿できない状態を指します。
尿意があるのに尿が出ないときは、大きく分けて二つの状態があります。
ひとつは、実際に尿がたくさんたまっているのに尿がでない状態で、もうひとつは尿があまりたまっていないのに異常な尿意を感じてしまう状態です。
尿がたくさんたまっているが尿がでない場合
尿が十分たまっているのに尿を出すことができないことを、医学的に「尿閉」と言います。原因や程度はさまざまですが、主な原因には、膀胱の収縮力の低下や膀胱出口部の閉塞(前立腺肥大症など)などがあります。
急に起こった場合は、膀胱が緊満するために下腹部に強い痛みを伴い、押すとさらに痛むことがあります。尿は常時つくられますので、徐々に痛みが増します。また、長い時間をかけて(慢性的に)起こる場合もあります。その場合は、自覚症状がないことが多いです。
尿があまりたまっていないが異常な尿意を感じる場合
膀胱に尿がそこまでたまっていないのに尿意を感じて、トイレに行っても尿が思ったより出ないことがあります。これを、医学的には「尿意切迫感」や「残尿感」、「膀胱テネスムス」と言うことがあり、膀胱が異常に尿意を感じることが原因です。日中や夜間に頻尿になることがあります。
なお、尿がたまっているかどうかは、超音波(エコー)検査をすることでわかります。
症状で困っている場合は我慢せずにお近くの泌尿器科を受診しましょう。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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