乳がんの部分切除と全摘出のメリットとデメリットを教えてください。
一般的に、部分切除は傷が小さく再発リスクがやや上がります。全摘出は傷が大きく再発リスクはやや低いです
現在の乳がんの手術の標準的な手術である「乳房部分切除術」と「乳房全切除術」では、どちらも生存率には差が無いと言われています。
部分切除術のメリットとしては、一般的に傷は小さくなり、できる限り乳房を残すため美容的なメリットもあります。デメリットとしては、全切除術と比べて乳房内での再発のリスクがやや高くなります。
しかし、手術後に、放射線治療を行うことで乳房内での再発の可能性は低くなり、全切除術と効果の差はないと言われています。
一方、全切除術のメリットは、部分切除術と比較して乳房内での再発のリスクがやや低いことです。デメリットとしては、傷が大きくなることや、胸の重さに左右差がでることによる整容性の問題などがあります。
しかし、左右差を補整するパッドや下着を着用することで調整が可能です。
部分切除術と全切除術のどちらが適しているかは、患者さんのがんのタイプやがんの広がり等によっても考慮する必要があります。主治医とよく相談をし、納得ができる方法を選択できるようにしましょう。
公開日:
最終更新日:
東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科 特任助教
石橋 直弥 監修
(参考文献)
国立がん研究センター.乳がん 治療.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html(参照 2024-10-30)
大坂和可子ほか. 大坂和可子ら、乳房再建を含む乳癌術式決定における患者中心の意思決定支援と ディシジョンエイド活用の動向、Oncoplastic Breast Surgery 3(3・4):51-58,2018. Oncoplastic Breast Surgery. 2018, 3, 51-58.
亀井桂太郎ほか. 亀井桂太郎ら、乳癌術後局所再発の治療、Oncoplastic Breast Surgery 3(3・4):33-39, 2018. Oncoplastic Breast Surgery. 2018, 3, 33-39.
.総説1 乳癌初期治療における乳房手術.乳癌診療ガイドライン2022年版,https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/g_index/s/(参照 2024-10-30)
.“日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 Q18 乳房に対する標準的な手術の方法は何ですか ”..https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q18/,(参照 1899-12-30).
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版. Q24 手術後の乳房がどうなるか不安です。どうしたらよいでしょうか. 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q24/(参照 2024-10-30)
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