トリプルネガティブ乳がんの生存率と完治する可能性について教えてください。
トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン療法やHER2(ハーツー)に対する治療が効果を示しにくい特徴があります。完治の可能性は個々のケースによりますが、適切な治療を行うことで予後が良好となる可能性もあります。
トリプルネガティブ乳がんの生存率は、がんの進行度によって大きく異なります。
リンパ節転移がない場合は91.3%、周辺の皮膚やリンパ節まで広がっている場合は65.8%、肺など別の臓器に転移がある場合は12.0%です。完治の可能性は個々のケースによりますが、適切な治療を行うことで予後が良好となる可能性もあります。
トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2受容体のいずれも陰性であるため、ホルモン療法やHER2に対する治療が効果を示しにくい特徴があります。しかし、化学療法に対する感受性が高いことが知られており、治療の選択肢として化学療法が重要な役割を果たします。
また、最近では免疫チェックポイント阻害剤やPARP阻害剤などの新しい治療法がトリプルネガティブ乳がんに対して有望であることが示されています。PARP阻害剤は、特にBRCA1/2遺伝子変異を持つ患者さんに対して効果が期待されています。
主治医と相談し、最新の治療オプションについても検討することが重要です。
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最終更新日:
東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科 特任助教
石橋 直弥 監修
(参考文献)
Adrada BE, et al. Triple-Negative Breast Cancer: Histopathologic Features, Genomics, and Treatment. Radiographics. 2023 43(10):e230034.
Won KA, et al. Triple‑negative breast cancer therapy: Current and future perspectives (Review). Int J Oncol. 2020 57(6):1245-1261.
国立がん研究センター.乳がん 治療.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html(参照 2024-10-17)
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版. Q27 病理検査でどのようなことがわかりますか. 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q27/(参照 2024-10-17)
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