急性白血病と慢性白血病の違いは何ですか?
急性白血病は未熟な細胞が著しく増えて急速に進行するのに対して、慢性白血病は各成熟段階の細胞が異常増殖し、進行は緩やかです。
ここでは、急性骨髄性白血病(AML)と慢性骨髄性白血病(CML)を比較しながら考えます。
AMLとCMLの違いは、主に白血病細胞の成熟段階と病気の進行速度にあります。
急性白血病では、白血球の成熟が最も初期の未熟な段階から成熟するまでのどこかの段階で止まり、成熟が止まった未熟な白血病細胞(芽球)が大量に増殖します。これにより、正常な血液細胞の産生が阻害され、病状が急速に悪化します。
このように急性白血病の患者さんでは、貧血、出血傾向、感染症のリスクが増加し、診断と治療が緊急を要します。
一方、CMLは最も未熟な造血幹細胞そのものに異常をきたしており、血球の成熟は阻害されていませんが、血球生産のコントロールができないという問題を抱えています。そのため、各成熟段階の白血病細胞が存在しますが、それぞれの成熟段階にある白血病細胞は正常な白血球とほぼ同じ機能を保っており、多くは無症状という状態で診断されることになります。
しかし、CMLでは、いずれ急性転化によりAMLと同様の病態を呈することが分かっています。
このように急性白血病が慢性に経過するものが慢性白血病ではなく、病気の成り立ちそのものが異なります。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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