気管支喘息の合併症にはどのようなものがありますか?
多くの合併症や併存症があり、これらが喘息の難治化や悪化に関わることが知られています。
気管支喘息の患者さんは、さまざまな病気を同時に抱えている(合併症や併存症がある)ことが多く、これらが喘息の症状を悪化させたり、治療を難しくしたりする原因となることがあります。
そのため、これらの合併症をきちんと診断し、治療することが喘息の管理において非常に重要です。
主な合併症や併存症としては、以下のものが挙げられます。
- 鼻・副鼻腔疾患:アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎(特に好酸球性副鼻腔炎など)。
- 肥満:喘息の発症や病状悪化、治療抵抗性に関わります。
- 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):睡眠中に呼吸が止まる病気で、喘息のコントロールを悪化させます。
- 胃食道逆流症(GERD):胃酸が食道に逆流する病気で、喘息の症状を悪化させるリスクを高めます。
- 薬剤:アスピリンなどの痛み止めで発作が誘発される「アスピリン喘息(AERD)」や、特定の心臓の薬(β遮断薬)などが喘息に影響を与えることがあります。
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA):全身の血管に炎症が起こる稀な病気で、喘息を伴うことが多いです。
- アレルギー性気管支肺真菌症(ABPA):特定のカビが気道でアレルギー反応を引き起こす病気です。
- 声帯機能障害(VCD):喘息と症状が似ており、鑑別が必要です。
- 心不全:喘息患者さんは心不全を合併するリスクが高く、症状が喘息の発作と似ていることがあります。
- 精神障害・心理的因子:不安、パニック、うつ症状などが喘息のコントロール不良につながります。
- 喫煙/慢性閉塞性肺疾患(COPD):喫煙は喘息を悪化させ、長期喫煙によりCOPDという別の肺の病気を合併することもあります。
- ホルモンの影響:女性ホルモンの変動(月経関連喘息、妊娠中の喘息)や甲状腺ホルモンの異常が喘息の病態に影響することがあります。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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