小児型ポンペ病は完治しますか?
現段階では完治は困難ですが、治療により進行を遅らせることが可能です。
現段階では、小児型ポンペ病の完治はできません。
小児型ポンペ病は、遺伝子の異常により生まれつき体内で必要な酵素が不足し、全身の筋肉が徐々に破壊されていく進行性の病気です。
呼吸に関わる筋肉(呼吸筋)や、運動に関わる筋肉が障害されることで、さまざまな症状が出現し、特に呼吸筋の障害は呼吸不全や呼吸器系の感染症によって命に関わります。
根本的な原因は遺伝子異常によって必要な酵素がない、あるいは少ないことであり、現在の医学では、根治(完治)する治療法は存在しません。
しかし、2006年以降に実用化された「酵素補充療法(ERT)」によって、症状の進行を大きく遅らせたり、余命を延ばしたりすることができるようになりました。
酵素補充療法では、不足している酵素を人工的に作った薬として、体外から点滴で補充します。
ERTにより、運動機能の維持・向上、呼吸管理の必要性の軽減といった効果が報告されています。
ただし、体内での酵素の分布が不完全であるため、すべての筋肉で機能を完全に補うことはできず、筋力の低下や呼吸不全が進行するケースもあります。
また、一部の患者では酵素に対する抗体ができてしまい、治療効果が十分に得られないこともあります。
したがって、現時点では「治せる病気」ではなく、「コントロールする病気」と考えられています。早期診断・早期治療開始が非常に重要です。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
小児型ポンペ病
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ