肝膿瘍の初期症状は?肝膿瘍

監修医師吉岡 藍子消化器内科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03

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肝膿瘍とは

「肝膿瘍」とはどのような病気ですか?

肝膿瘍とは、肝臓に膿瘍ができた状態のことです。

肝膿瘍(かんのうよう)とは、細菌などの病原体が肝臓に侵入・増殖し、肝臓の中に膿瘍(膿のかたまり)を作ってしまう病気です。
主に糖尿病の方や、肝臓、膵臓、胆管の悪性腫瘍で治療中の方、あるいは肝移植後で免疫力の落ちている方がなりやすいです。
腹痛や発熱の症状がみられる場合は消化器内科を受診しましょう。
肝膿瘍を説明した図です。

さらに詳しく:「肝膿瘍」とはどのような病気ですか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

アメーバ性肝膿瘍とはどのような病気ですか?

赤痢アメーバという寄生虫に感染することで、肝臓に膿の塊ができる病気です。

寄生虫である赤痢アメーバが体内に侵入し、肝臓に移行することで肝臓に膿の塊ができる病気です。

この寄生虫は、性的接触や汚染された食物の摂取により、口や腸管から感染します。潜伏期間は通常数ヶ月から数年であり、この病気を診断するためには、過去の性交渉歴や海外渡航歴が重要です。
症状としては以下のようなものが考えられます。

  • 発熱
  • 右季肋部痛(右の肋骨の下)
  • 肝腫大
  • 肝叩打痛(軽く叩いた際の痛み)
  • 咳
  • 胸の痛み
  • 下痢
  • 粘血便(血が混じってネバネバとした便)
  • 貧血

特に、初期は発熱のみが現れることが多く、風邪やインフルエンザと間違われることもあります。

治療は主にメトロニダゾールによる薬物治療が行われます。

薬物治療で十分な効果が得られない場合や、腫瘍が大きい場合には、肝臓に針を刺し、膿を直接吸い出す治療が行われることもあります。

治療開始から解熱までは3~5日ほどかかりますが、一般的には治療反応性が良く予後良好な病気です。しかし、膿の塊が破裂した場合は命に関わるおそれがあります。

この病気が疑われる場合には、すぐに専門の医療機関を受診するようにしましょう。

さらに詳しく:アメーバ性肝膿瘍とはどのような病気ですか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科
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肝膿瘍の症状

肝膿瘍には初期症状はありますか?

発熱や上腹部の痛みがみられます。

肝膿瘍は、細菌感染症のひとつで、肝臓の中に菌の塊(膿瘍)ができる病気です。そのほかの細菌感染症と同様に、発熱の症状がみられます。また、腹痛がみられる方もいます。

これらの発熱や腹痛といった症状は、肝膿瘍以外の病気でもみられる症状であることから、症状だけで肝膿瘍と診断することは難しい場合が多いです。

また、発熱の症状だけが出現し、何日も38℃を超える発熱だけがある、ということもあります。肝膿瘍では、血液の検査で炎症反応の上昇や肝機能障害がみられますが、CTやエコーのような検査も行わないと肝膿瘍と診断することが難しいため、これらの画像検査が重要となります。

さらに詳しく:肝膿瘍には初期症状はありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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肝膿瘍の原因

肝膿瘍の原因や考えられる症状には何がありますか?

細菌やアメーバが肝臓の中に侵入し増殖することが原因です。発熱や上腹部の痛みなどの症状がみられます。

肝膿瘍の原因として、細菌性とアメーバ性があります。
細菌性の肝膿瘍は、主に胆管炎や憩室炎など、肝臓以外の臓器についた細菌が、血液の流れを通じて肝臓で増殖してしまうことで起こります。また、お腹に限らず非常に重症の細菌感染症や怪我などにより、肝膿瘍をきたす場合があります。
アメーバ性の肝膿瘍は、アメーバ原虫が何らかの原因で口から入り、腸から肝臓へと移動して増殖することで起こります。
肝膿瘍の症状は、膿瘍(膿のかたまり)が肝臓にできることで、発熱や右上腹部の痛みが生じます。発熱は、体温が37℃未満にならず、時間帯によっては38℃以上の高い熱となったり、また平熱に戻ったりするという熱型になることが多いとされています。

さらに詳しく:肝膿瘍の原因や考えられる症状には何がありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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肝膿瘍の検査・診断

肝膿瘍のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

肝膿瘍は肝臓に細菌の塊ができる病気で、発熱や腹痛といった症状がみられます。これらの症状は肝膿瘍以外の病気でも見る症状であり、症状のみから肝膿瘍と診断することは困難です。

一方で、糖尿病や胆石、肝硬変といった、肝膿瘍のリスクとなる病気もあるため、どのような持病があるかは、肝膿瘍の診断にとって大切です。最も診断に有効なのは造影CTやエコーといった画像検査です。

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、無料で肝膿瘍かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

さらに詳しく:肝膿瘍のセルフチェックはできますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

肝膿瘍ではどのような検査を行いますか?造影CTでわかりますか?

超音波検査や造影CT検査、膿瘍穿刺、膿培養、血液培養などが行われます。

肝膿瘍が疑われる場合、超音波検査や造影CT検査、膿瘍穿刺および培養、血液培養などが行われます。

具体的な検査の特徴について以下で説明します。

  • 超音波検査:

痛みや放射線の被ばくがない検査で、まずはじめに行われることが多いです。

  • 造影CT検査:

造影剤を注射し、CT撮影をする検査です。通常のCTよりも血管の分布がわかりやすくなり、病気が見つけやすい検査です。放射線の被ばくはありますが、超音波検査では発見できない病変を見つけられる可能性があります。

  • 膿瘍穿刺、培養:

肝臓にできた膿瘍に針を刺し、中身の膿を取り出し、培養することで原因となる微生物を特定する検査です。

  • 血液培養:

採血し、血液の中にいる微生物を培養することで、原因となる微生物を特定する検査です。

これらの検査には副作用があるものや、特定の患者さんは受けることができないものがあります。検査にあたっては、主治医の説明を十分に確認するようにしましょう。

さらに詳しく:肝膿瘍ではどのような検査を行いますか?造影CTでわかりますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科
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肝膿瘍の治療・対処法

肝膿瘍などの肝臓の病気の場合、食事療法としてできることはありますか?

食事によって肝膿瘍などの肝臓の病気を直接治すことはできませんが、肝臓の病気の場合に避けるべき食事はあります。

肝膿瘍の場合、食事療法としてできることはありません。しかし、脂肪肝など他の肝臓の病気の場合に避けるべき食事はあります。

一般的に、脂肪肝などの肝疾患においては肝臓に負担のかかる食品を控えることが重要です。

肝臓に負担のかかる食品としては、具体的には以下のようなものがあります。

  • アルコール
  • 高脂肪食

また、摂取が推奨されているものとして以下のようなものがあります。

  • 多価不飽和脂肪酸を多く含む青魚
  • ビタミン E や食物繊維を含む緑黄色野菜

肝膿瘍として具体的な食事療法はありませんが、肝臓に炎症が生じ、肝臓の機能が低下するため、肝臓に負荷がかかるようなものの摂取は避ける方が良いと考えられます。そのため、上記のような食品は避けることが望ましいです。

さらに詳しく:肝膿瘍などの肝臓の病気の場合、食事療法としてできることはありますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

肝膿瘍の場合、主にどのような治療をしますか?

主に薬の点滴や内服によって治療します。膿のドレナージを行う場合もあります。

肝膿瘍は、肝臓に膿瘍のできる病気です。膿瘍とは細菌の塊で、細菌が原因の病気であるため、抗菌薬での治療を行います。

内服や点滴での治療となりますが、肝膿瘍には抗菌薬が十分に効きづらいことがあり、1ヶ月以上の長い期間治療が必要となることもあります。

また、抗菌薬のみで十分な治療の効果を期待できない場合には、膿瘍ドレナージという処置を行います。これは局所麻酔で行う処置で、皮膚から針を刺し、肝臓の中にできている膿瘍内の膿を体の外に逃がすという処置です。

このような処置は、一般的には消化器内科で行い、入院での治療となります。

さらに詳しく:肝膿瘍の場合、主にどのような治療をしますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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受診の目安・何科を受診するべきか

肝膿瘍が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、医療機関を受診する目安はありますか?

腹痛と発熱がある場合は消化器内科を受診しましょう。

肝膿瘍が疑われる場合、消化器内科を受診しましょう。

肝膿瘍の診断には造影CTやエコーのような画像検査が大切です。血液検査では炎症反応や肝機能障害がみられます。肝膿瘍は細菌感染症であり、抗菌薬での治療が必要な病気です。

また、膿瘍が大きい場合には抗菌薬が十分に有効で無いこともあり、皮膚から針を刺して膿を体の外に出す「膿瘍ドレナージ」という処置が必要となる場合もあります。

肝膿瘍は、「発熱のみが何日も続く」といった、あまり特徴的でない症状のことが多く、診断されるまでに時間のかかることがあります。あくまでひとつの目安ですが、38℃を超える発熱が1週間以上続くような状況では、肝膿瘍以外の感染症である可能性も含め、医療機関の受診を検討しても良いでしょう。

さらに詳しく:肝膿瘍が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、医療機関を受診する目安はありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

肝膿瘍の専門医がいる近くの病院はありますか?

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肝膿瘍の経過・予後

肝膿瘍の再発率はどのくらいですか?

原因にもよりますが、概ね9%程度であると報告されています。

肝膿瘍の再発率は約9%であるとされています。

肝膿瘍は、大腸菌などの細菌が原因となる細菌性肝膿瘍と、アメーバという寄生虫が原因で引き起こされるアメーバ性肝膿瘍に分けることができます。

アメリカの研究によると、細菌性肝膿瘍全体の再発率は約9%であるものの、胆道の病気を合併している場合には、再発率が20%超えると報告されています。

インドで行われた研究によると、アメーバ性肝膿瘍に初めてかかった患者さんの2年間の再発率は8.9%であると報告されています。

肝膿瘍では、薬物治療や膿を直接吸い出す治療が行われます。細菌性肝膿瘍では原因菌に合わせた抗菌薬が使用され、アメーバ性肝膿瘍では主にメトロニダゾールが使用されます。

薬剤の使用が不十分である場合、再発率が増加するとされているため、再発を防ぐためには適切な薬剤の使用が重要となります。

さらに詳しく:肝膿瘍の再発率はどのくらいですか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

肝膿瘍になったときの寿命や死亡率はどのくらいですか?

死亡率は2~12%程度といわれています。

肝膿瘍の死亡率は2~12%と言われています。早めに発見し抗菌薬治療を開始すれば治癒する病気です。
しかし、肝膿瘍になる方の多くは糖尿病や悪性腫瘍などほかの基礎疾患を有している場合が多いため、重症化した場合には致命的になることもある病気です。

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肝膿瘍に関連するその他の質問

肝膿瘍の感染経路にはどのようなものがありますか?

他臓器からの感染の広がりや、怪我、汚染された食物の摂取、アメーバ感染者との接触などが挙げられます。

肝膿瘍の感染経路には、他臓器からの感染の広がりや、怪我、汚染された食物の摂取、アメーバ感染者との接触などが挙げられます。

肝膿瘍は、大腸菌などの細菌が原因となる細菌性肝膿瘍と、アメーバという寄生虫が原因で引き起こされるアメーバ性肝膿瘍に分けることができます。

細菌性肝膿瘍では、虫垂炎などによって炎症が生じ、周囲の組織が破壊されることで、腸管内の細菌が血管に侵入します。その細菌が肝臓に運ばれることによって発症することがあります。

また、胆道閉塞や胆道炎などによって、胆道内で細菌が増殖し、それが胆道を通じて肝臓に流れることでも発症します。怪我によって細菌が直接侵入することで発症することもあります。

アメーバ性肝膿瘍は、アメーバに感染している人との性的接触や、汚染された食物の接触によって口腔や腸管からアメーバが侵入し、感染することで発症します。

さらに詳しく:肝膿瘍の感染経路にはどのようなものがありますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

肝膿瘍はがんになる可能性はありますか?

肝膿瘍自体が直接的にがんを引き起こすことはありませんが、間接的にがんのリスクは増加します。

肝膿瘍自体が直接的にがんを引き起こすことはありませんが、肝膿瘍によって慢性的に炎症が起こることで、間接的にがんのリスクが増加するという報告があります。

正確なメカニズムはまだ解明されていませんが、台湾の研究によると、細菌性肝膿瘍は、肝がん、胆道がん、大腸がんと関係しており、細菌性肝膿瘍と診断された場合、これらのがんを発症するリスクが高くなると報告されています。

肝膿瘍は症状のみではわかりづらいですが、発熱や腹痛等の症状が出た時は速やかに医療機関を受診しましょう。

さらに詳しく:肝膿瘍はがんになる可能性はありますか?監修医師川崎 千瑛横浜医療センター 消化器科

肝膿瘍はうつる可能性はありますか?

肝膿瘍そのものがうつることはありませんが、その原因となる感染症がうつることはあります。

肝膿瘍そのものがうつることはありませんが、その原因となる感染症がうつることはあります。

肝膿瘍は、細菌や寄生虫が肝臓で増殖し、膿の塊をつくる病気です。そのため、肝膿瘍を患っている人から、これらの細菌や寄生虫うつることで、肝膿瘍を発症する可能j性があります。

特にアメーバ性肝膿瘍では、赤痢アメーバという寄生虫が原因で起こりますが、これは感染者との性的接触によって、口腔や腸管から寄生虫が体内に侵入することで、肝膿瘍を発症する可能性があります。

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肝膿瘍について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「肝膿瘍」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 体温は37.5℃以上ですか?
  • お腹の痛みがありますか?
  • お腹を押したときに激しい痛みを感じますか?
  • 最近、白目や体の皮ふが黄色くなっていると感じますか?
  • これまでに【結核】と診断されたことはありますか?

最新のガイドライン・医療水準を取り込んだデータベースを元に関連する病気・症状を表示しています。

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この記事の監修医師

監修医師 吉岡 藍子

吉岡 藍子

消化器内科・内科

消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03